専門的な知識や経験を持った社会人のみなさんへ

あなたのスキル&経験が
高校生の未来を育てます

専門高校をご存じですか?専門高校では、様々な社会人経験をもつ先生が活躍しています。
あなたも専門高校で輝いてみませんか?

キャリアチェンジで
高校の先生になりました

専門高校の先生へインタビュー(農業科・柴田先生)

✿農業科 柴田宗敏 先生✿
建設資材の販売店(いわゆる材木屋)で営業をしていた柴田先生は、温室栽培・農業機械など分野の幅広い農業高校において日々学び直しながらスキルアップしています。

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✿工業科 若杉舞 先生✿
工業高校を卒業後、鉄鋼会社でめっきラインを担当していた若杉先生は、培った技術に限らず、安全管理といったどの現場においても大切なことを高校生に伝承しています。そのほか、教員免許を持っていなくても学校の先生になれることをお話しいただきました。

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✿商業科 木部貴行 先生✿
銀行で中小企業向けに融資を担当していた木部先生は、銀行での経験から、約束手形や小切手といった商業科の授業内容をリアリティをもって伝えています。ほかにも、保護者対応などでは接客業の経験がとてもいきているようです。

水産科 水族館の飼育員から実習助手へ

✿水産科 畑中佐知子 先生✿
大学院を卒業後、水族館に勤務した畑中先生は“命の大切さ”を高校生に伝えたいという想いから、実習助手になりました。教えるのは簡単ではないと痛感しながらも、日々生徒とともに成長し、新たな自分に巡りあっています。

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✿家庭科 松永民恵 先生✿
中学校の教師からパン屋起業、調理師免許取得など様々な経験をしてきた松永先生は、「プロフェッショナルな経験がある方にこそ高校に来てほしい。先生の仕事というものは、その人にしか語れない生き様を伝えるという役割が大きいのではないか」とお話しされています。

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✿看護科 沼上晋作 先生✿
専門高校を卒業後、6年間程 看護師として勤務し、特別免許状を取得して教師になりました。小さい頃から看護師になりたいと考えていましたが、専門学校で教員の経験をしたことで、母校で後輩たちに教えたいという想いが芽生えてきました。生徒にどのような言葉を伝えたら良いのか日々模索しながらも、楽しい環境で過ごしています。

情報科 エンジニアから教師へ

✿情報科 福江努 先生✿
エンジニアとして活躍していた福江先生は、「できて当たり前の世界」から、「生徒の喜ぶ場面に多く出会える世界」に飛び込みました。
民間であれば、転職は即戦力が求められますが、学校ではゆっくりと馴染んでいくことができるということをお話しいただきました。

福祉科 介護福祉士から教師へ

✿福祉科 六嘉将斗 先生✿
介護福祉士として高齢者に向き合っていた六嘉先生は、介護施設で培った実践的な知識や技術を高校生に伝承するだけでなく、福祉を学んだからこその思いやり溢れる生徒たちと信頼関係を構築しています。教職員になってからもワークライフバランスをとり、家族との時間も大事にしています。

先生というお仕事

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生徒の数だけ自分の知識・経験が広がる
農業科

宮城県農業高等学校

山根 正博 先生

★プロフィール★

大学卒業後、コンサルティング会社で1年間勤務→農協に転職して7年間勤務
働きながら修士号・博士号を取得
農協退職後、高校で実習助手として働きながら、教員免許を取得

Q:教師になったきっかけを教えてください。
山根:「プロの農家さんに農業を教える」という目標を持ち、農協に勤務していました。大学院で博士課程をとりながら、農家さんのためになればと営農指導担当を7年間しましたが、高齢化が進む業界で若い人が農業に入ってくることの重要性を感じるようになりました。そんな時「県政だより」の実習助手の募集要項を見て、「自分がやるしかない」と感じました。
実習助手というポジションで教師の補助をしながら、大学で教員免許に必要な単位を取得し、教師になりました。
Q:どのようなことを生徒に教えていますか?
山根:学校では様々なことを教えています。私が専門とする作物だけでなく、畜産・植物バイオ・食品化学(醤油、味噌作り)を教えたり、顧問をしている農業クラブでは商品開発・ボランティア・ビジネス・デザインなど、生徒がやってみたいと思ったことを一緒に挑戦したりします。生徒の数だけプロジェクトがあり、プロジェクトの数だけ自分も勉強します。教師になった今でも、例えば全国大会では、その道のプロフェッショナルに出会うことができます。仕事をしていると「この仕事とこの仕事は実は繋がっていたのだ」という発見がありますが、そういった経験がとても多いので、自身の知識や経験が日々広がっていると感じます。
Q: これまでの経験が授業に活きていることは?
山根:私が農協で売っていた肥料が、実は“長期間効果が続くようプラスチックでコーティングされている”
ことを、生徒と調べていて初めて知り、プラスチックを無くした肥料を生徒と作ろうということになりました。プラスチックでコーティングされていない従来の肥料は1カ月で溶けてしまうため農家は重たい肥料を背負って何度も撒くなどしていましたが、この肥料でたくさんの農家の負担が軽減されてきたなどポジティブな面なども含め悪い面だけではないことも生徒に伝えながら学びを深めています。
SDGsの潮流もあり、自分達で新しい肥料を開発して企業と連携し商品化することができました。
これは私が農協に勤めていた経験が役に立った例だなと感じています。
Q: 教師の魅力はなんでしょうか?
山根:やはり生徒の変化を間近で見られることです。初めはできなかったことでも、生徒自身も思っていないところで、いきなり変化することがあるのです。全国大会に出た時、それまでに人前で話すのが苦手だった生徒が、大会の中でどんどん変わっていき、「あの子すごいね」と称賛されるくらいまで成長する、その過程を目の前で見るのがとても嬉しいです。学校には、クラス・部活動・委員会など、生徒が変化する場面がたくさんあります。教師は生徒とともに成長できる、生徒から気づかせてもらえることがある、そういった仕事だと思います。
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言葉だけでなくプロの技を見せる
工業科

島根県立出雲工業高等学校

三好 良 先生

★プロフィール★

工業高校(建築科)を卒業後、京都府、島根県で宮大工として10年間勤務
特別免許状を取得し教員に

Q:教師になる前はどのようなお仕事をしていましたか?
三好:京都府や島根県で宮大工として10年間勤務しました。宮大工になったきっかけは、歴史に残る建物に宮大工として携わり、その建物が後世に残っていくことに魅力を感じたことです。宮大工として国宝・世界遺産である京都府の上賀茂神社・伏見稲荷大社・知恩院などの修復に携わることができました。
Q:教師になったきっかけは何ですか?
三好:高校時代の恩師に声をかけてもらい、工業高校で建築大工の資格取得に向けて指導する機会をいただきました。生徒と関わっていく中で、生徒が上達する姿や、建築に対して興味を持ち真摯に木材加工に向き合う姿勢に感銘を受け、自分が持っている技術や知識、学んだことや建築の魅力を伝えたいと思い、教員採用試験を受けることにしました。私は工業高校(建築科)を卒業後すぐに就職したので教員免許は持っていなかったのですが、特別免許状を取得して採用されました。
Q:生徒と関わるうえで大切にしていることはどんなことですか?
三好:はじめは自分の知識や技術、経験をどのように生徒に伝えればよいか悩みました。今では生徒が理解しやすいよう、言葉だけで伝えるのではなく、これまでの経験をもとに作業をして見せることもしています。生徒一人一人違うので、それぞれに合った指導が行えるように、普段からの生徒とのコミュニケーションを大事にするようにもしています。進路指導等では生徒の自己実現に向けて生徒・保護者・教師で連携を密にすることを心がけています。
Q:教師になって苦労したことや、それをどう乗り越えたかを教えてください。
三好:これまで宮大工として身につけてきた建築の専門的なことよりも、私の持っている技術や知識を言葉にして伝えることに苦労しました。学級経営や校務分掌などの教師ならではの仕事についてゼロから学んでいくことが大変でした。初任者研修や、2年目、3年目研修に積極的に参加したり職員室で先輩の教師に教えてもらったりして乗り越えてきました。年度がかわると校務分掌が変わったり新しい業務が出てきたりしますが、今ではその変化をポジティブに捉えて楽しんで取り組むことができています。
Q:ワークライフバランスについて教えてください。
三好:私は1日に6時間ある授業時間のうち3時間程度授業をし、残りの時間で教材研究や校務分掌に係る業務を行っています。放課後は「ものづくり部」で部活指導を行い、生徒の下校を見届けた後、18時ごろには退勤しています。年次休暇が必要な時、時間単位で取得することができ、家庭と両立できる仕事だなと思います。
Q:教師という仕事に関心がある方にメッセージをお願いします。
三好:私は教師とういう仕事をとても楽しんでいます。教員に転職することは、不安なことも多くあるかと思いますが、高い専門性を持つ先生方がもっと必要だと思いますので、社会人経験があって専門的な技術や知識をお持ちの方は、ぜひ教師になってその技術や知識、経験を生徒に伝えていただきたいなと思います。
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営業の経験を生かして地域と学校を幸せにする
商業科

北海道士別翔雲高等学校

佐々木 惇二 先生

★プロフィール★

大学卒業後、自動車販売会社の営業として10年勤務
期限付き教員として2年勤務し、その後採用試験を経て教師になる

Q:教師になった経緯を教えてください。
佐々木:教育実習で教師になりたいと思い、教員採用試験を受けましたが不採用となりまずは企業で働いてみようと思いました。自動車販売会社の営業として10年間勤めましたが、この先ずっと営業職をやっていけるのかと考えた際、「やっぱり教師になりたい!」と思い、期限付き採用のお声がけもあって教師生活を始めることにしました。
Q:民間企業での経験が活きていることはありますか?
佐々木:生徒と関わっていく中で、「頑張るときに頑張ろう。やるべきことはやろう。」と営業の実体験をもとに話せるのは説得力が増していると思います。筋道を通して物事を進めていくという学びの中で、私の社会人経験が役に立っていると感じています。
Q:「商業科」ではどのようなことを学ぶのか教えください。
佐々木:学校と企業で一緒に作った商品を道の駅で販売、お祭りなど地域との関わりを多くもつなど、地域をフィールドとした学びの場を整備しています。商業科目で学んだことを実社会で実践し、うまくいかなかったところは次に生かしていこうとフィードバックしたり、再チャレンジの場を設けています。
商業はモノ・サービスの販売だけではなく、関わった人が幸せになれる環境づくりがとても重要だと感じており、一方的な利益の追求だけでは商売は継続していかないと実感しています。
市役所の人達と「高校生がどうやったら街を元気にできるか?」というスローガンを立てて、マーケティングや簿記を学ぶなど「社会に出てどう生きるか」というのを大きな目標として授業を行っています。
Q:民間企業と学校現場ではどのように違いますか?
佐々木:民間企業では教師よりお金を稼ぐことができ、スキルが飛躍的に伸びると感じますが、自分が営業職だったということもあり、ノルマがあって利益を出さなければならない環境がきつかったです。
一方で、その会社には憧れている人達がいたので、良い意味で理想と現実を追っているというのがあり、周りの人たちのおかげで10年間続けることができました。
教師はノルマがなく、「生徒のために」という共通認識があり、教師によって教育観が違っても譲り合いや話し合いができる優しい現場で心のやすらぎを感じます。
教科指導については素人でしたので、生徒と一緒に授業を受けさせてもらったりフォローをしていただきました。
Q: 教師という仕事に関心がある方にメッセージをお願いします。
佐々木:夢と希望をもって教師を目指している方へ
私は、教育実習で教師になりたいと強く思うようになりました。その夢を諦めきれずに10年間、民間企業で働いていました。私が教職に付けたのは多くの幸運が重なっただけかもしれません。
この記事をご覧いただいている貴方を取り巻く環境は様々で、仕事をしている理由も様々だと思います。ただ、少しでも捨てられない教師への思いがあり、教壇に立ち生徒と共に歩く夢があるのであれば、きっと教師に向いているのだと思います。
そんなことを言っている私自身が教員に向いているかどうかはまだまだわかりませんが、少なくとも未来を創る仕事に誇りを持って、楽しく毎日を生きています。生徒の成長を日々目の当たりにしている今、覚悟を決めて転職してよかったと心から思っています。
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他では得られない経験ができる場所
水産科

徳島県立徳島科学技術高等学校

高橋 六樹 先生

★プロフィール★

漁網を製造する会社へ就職し、5年間勤務
社会人特例選考を経て徳島県立徳島科学技術高校(旧徳島県立水産高校)に赴任

Q:教師になったきっかけは何ですか?
高橋:徳島県立水産高校、東京海洋大学、大学院を経て、漁網を製造する会社へ就職し、5年間勤務しました。大学で研究していた定置網に関する業務を行っていたところ、水産業に携わる人材育成が全国各地で課題になっていることや、水産高校卒業時の目標の一つであった教師という夢などを総じて考えて、母校に教師として帰ろうという思いに至りました。
Q:教師に採用されるまでについて教えてください。
高橋:転職を決意し、徳島県立徳島科学技術高等学校(母校の旧徳島県立水産高校)に戻ってきたときは講師として任用されました。その年の教員採用試験を受ける際に、社会人特例選考のことを知り、そのチャンスを活用することにしました。当時の徳島県では、社会人経験が5年以上あれば社会人特例選考の対象となりましたが、現在では3年以上に短縮され、社会人経験のある方がより受けやすい状況になっています。
Q: 水産高校の魅力を教えてください。
高橋:水産高校は海、船、魚を教材として豊富に扱い、水産業や海洋関連産業を学ぶことができる専門高校です。水産業は日本人の大好きな魚食文化を底支えする大事な産業です。中には3K(きつい、汚い、危険)というネガティブな情報もありますが、とても魅力的で生徒達は目をキラキラ輝かせながら学んでいます。水産業の分野に就かない生徒たちにとっても、他では得られない経験ができますので、ぜひ多くの子供に水産高校に飛び込んでもらえたらと思っています。水産業は日本が誇れる産業でもありますし、私自身もこの業界で育った者として、たくさんの人たちにこの分野に興味を持っていただけたらと思っています。
Q: 高橋先生にとって、教師とはどのような存在ですか?
高橋:私は教えるというより、生徒たちと一緒に走る「伴走者」という思いでやっています。当然、教科の指導はしますが、生徒と目線を合わせて一緒に地域に出て課題を見つけたり、課題解決をしたりしています。その過程で生徒と一緒に喜んだり悲しんだりして生徒の喜怒哀楽を感じつつ、生徒が様々なことにチャレンジして成長する姿を間近で見られることは、魅力的でやりがいがあります。
Q: 教師という仕事に関心がある方にメッセージをお願いします。
高橋:教師になると、自分が自信をもってやっている業界の魅力を生徒たちに直接伝えることができます。最新の情報やご自身の経験、ネットワークをぜひ生徒たちに届けていただければと思います。会社を退社する際、当時の社長は「辞める」のではなく、「未来の人材育成」を担うということで会社を卒業するという形で捉えてくださいました。この記事を読んでいる皆さんも、未来を支える人材を育成するという視点で、ぜひ教員になっていただければと思います。私のように民間経験のある先生がたくさんいるので、安心して来てください。
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本物を伝え、生徒の楽しさを引き出す
家庭科

茨城県立伊奈高等学校

星 彩子 先生

★プロフィール★

大学卒業後、アパレル会社に13年勤務後、茨城県の産休代替講師として勤務
東京都で教師として4年勤務後、茨城県の教師になる

Q:教師になった経緯を教えてください。
星:教員採用が厳しい時代だったので、アパレルに就職しました。仕事も楽しかったのでアパレル会社を13年間ほど、数社経験し、その間 友人の新規事業を手伝ったりしていました。新規事業の関係で、母校の大学でボランティアとしてエントリーシートの相談に乗っている際、大学生でも就職に困っていると感じ 高校生の就職支援をしたいと思ったのが教員になるきっかけでした。教員免許を取得していましたので、まずは産休代替要員として茨城県の高校で教鞭をとることにしました。その後、東京都には社会特別選考という制度がありましたので、そちらの選考を受けて教師になり4年間働きました。子供が保育所に通所していたので、通勤時間を考慮し茨城県の選考を受けて現在に至ります。
Q:民間での経験がどのように役立っていますか?
星:アパレル業界は、適材適所の配置をすると売り上げが大幅に上がります。学校の行事や制作や文化祭など、みんなで何かするときは、販売スタッフと売上を上げていく際の体制や行動に似ていると感じるので、そういった経験が役に立っていると思います。
Q:家庭科という教科は、すべての高校生が学ぶ共通教科と、家庭をメインに学ぶ学科にある専門教科がありますが、すべての高校生が学ぶ共通家庭科はどのような内容があるのでしょうか?
星:まず、共通教科家庭は、専門教科家庭科より実習時間が少ないですが、楽しい時間になるよう工夫をしています。例えば、自分達が作ったエプロンを着用して調理実習をしたり、和洋中の調理実習を一通りやってみたりしていますが生徒は楽しそうに取り組んでくれています。
私は、本物に触れさせたいという想いがあるので、例えばお寿司を作るなら寿司桶を使ったり、ほうれん草のおひたしを出汁から取って醤油とみりんで作るという伝統的な作り方をしたりするなど、工夫をしています。
なんでも手軽に入手できる時代ですが、本物を使って作ることを意識しているからか、生徒たちは興味津々です。ほかにも、NPO法人に協力してもらい、赤ちゃんを学校に呼んで「だっこ体験」「ふれあい体験」を開催していまして、生徒だけでなく私自身も楽しんでいます。
Q:幼児を育てている時期に教師になられたとお聞きしましたが、どのよう育児と仕事を両立されたのですか?
星:時短勤務の制度はありましたが、家庭の事情でフルタイム勤務をしていました。今の職場では、小さな子供がいる先生も時短勤務や時間差勤務をされている方が多数いますので、時短勤務もしやすいのではないかと思います。時差出勤の時間は手続きさえすれば、細かく調整が可能ですし、副担任が朝の会を行なってくれるので、担任をしながら育児をしている人も多いです。前職のアパレルなど、サービス業と比べると早く帰宅できるので、私にとっては働きやすい環境だと思っています。
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命の尊さを伝える教師に
看護科

福島東稜高等学校

本田 久美子 先生

★プロフィール★

総合病院に就職し、助産師、看護師業務に11年間従事

Q:教師になった経緯を教えてください。
本田:普通科高校を卒業後、看護専門学校を経て、総合病院に就職し、助産師、看護師業務に11年間従事しました。病院に看護実習で来る学生に対し臨床指導者として関わったり、病院とつながりのある看護学校に非常勤講師で授業をしたりする中で、中学生、高校生のときに教師になりたいという思いを持っていたことなどから、教育に対する興味を持つようになりました。働くうちに看護の教師という職を知り、教える自信はありませんでしたがチャレンジしようと思いました。
Q:助産師、看護師から教師になる時に不安はありましたか?
本田:私に本当に教えられるのかなという不安はありました。学校から臨床に戻ってきた先輩や周りの教師と話す中で、「教えることは簡単ではないけれど、やりがいもある。」と伺い、自分もやってみないと分からないなと考えて、何事にもチャレンジしてみようと気持ちを切り替えました。
Q:教師としてやりがいを感じるのはどんなときですか?
本田:生徒たちこれまでの経験や学んだことを伝えた際に、生徒が「わかった」「つながった」と言ってくれた場面で、教師をやっていてよかったなと感じます。また、実習で分娩に立ち会うことができた生徒が、生まれてきた命と向き合い、命について神秘性・尊厳を語ったり、自分の母親にありがとうを言いたいと言ってくれたりなど、生徒がくれる言葉や反応がやりがいにつながっており、今も仕事を続けることができているのかなと思います。保護者対応など難しいところもあり、教師の仕事が毎日やりがいにあふれているというわけではない部分もありますが、その中でも生徒がくれる言葉や反応に私は魅かれています。
Q:どのような教師を目指していますか。
本田:助産師を経験したからこそ、命について生徒たちに伝える役割があると思っています。命について考える機会は、命が危機にさらされていたり、終わりを迎えたりするときが多いと思いますが、私は命が誕生するというところを語れるところが強みだと感じています。命の神秘性や尊厳など肌で感じてきたことを伝えることが私の役目だと考えています。
Q:教師の立場になって助産師・看護師への見方で変わったことはありますか?
本田:臨床時代は無我夢中でがむしゃらに働いていて、自分の職業についてじっくりと考えることが少なかったと思いますが、教師になったからこそ助産師・看護師の仕事の尊さに気づきました。生徒を通して助産師・看護師を見て、臨機応変に動いている仕事だと感じました。学生は看護師になりたくて授業や実習に目をキラキラさせて取り組んでいます。そんな職業に自分はついていたのだと思うと誇らしく思います。
Q:これから先生になりたいという人へメッセージをお願いします。
本田:教師として生徒を教え導くことも大切ですが、生徒の主体的な学びを支えることも同じくらい大切だと考えています。分からないことは分からないと言えて、生徒と一緒に学ぶことが生徒にとっても自分にとっても大切だと思いますし、それができる職業だと思います。是非チャレンジしていただければと思います。
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高校と大学・学会をつなぎ、
最先端の「情報」で生徒に還元したい
情報科

愛知県立旭丘高等学校

井手 広康 先生

★プロフィール★

大学卒業後、愛知県の公立高等学校に情報科の教員として赴任
7年間勤務した後,2年間休職して(大学院修学休業制度を利用)修士課程へ進学
修士課程を修了後、現場に復帰するとともに博士課程に進学し、博士号を取得

Q:教師として勤務しながら大学院で学んだ理由やきっかけはなんですか?
井手:縁あって高校で情報の教師として採用されたのですが、もともと教育大学で中学校の技術分野を専攻していたこともあり、しっかりと「情報」の教科を学んでこなかったのです。授業をやっていく中で、「情報」についてもっと専門的に勉強したいという気持ちが出てきました。教師8年目で、ある程度仕事に慣れ、タイミングも合ったので仕事を2年間休職して修士課程に進学しました。研究は自分に合っていて、とても楽しかったです。そんな中、教授から「博士課程に進んでみないか」とお声がけいただき、仕事に復帰しながら博士課程に進学することになりました。
Q:大学院での学びや学会でのお取組は、教師の仕事にどのように影響を与えていますか?
井手:学会は敷居が高いものだと思われていますが、大学院に行くと人脈が増えるので、積極的に出席して情報収集し、それを生徒や地元の研究会に還元しています。高校と大学、高校と学会の橋渡しができているのではと思っています。例えば情報処理学会では、高校の「情報」を良い方向へ変えていこうとさまざまな取り組みを行っていますが、実際に生徒に教えるのは高校の先生なので、学校現場が変化していくことが必要です。修士・博士課程を経験した人だからこそ、その橋渡しという役割を果たすべきだと考えています。
Q: 「情報」の授業に、どのように大学院で学ばれた知識や経験を活かされているのでしょうか?
井手:今の高校の科目「情報Ⅰ」で求められていることは、大学院で学んだ研究手法そのものだと思います。「情報Ⅰ」では、身の回りの事象を情報とその結び付きとして捉え、問題を発見し、さまざまな情報技術を使い解決することが重要とされています。これは大学院での研究のやり方と一致しています。自分が体験したことであるため、自信を持って一つ一つの授業に臨めるので、大学院に進学して本当に良かったと思っています。また、学会や研究会で多くの先生方から学び、「こういう授業にしないといけないな」「こういう取組をいれたほうがいいな」と授業のやり方も改善してきました。常に自分の知識やスキルをアップデートしていくことを大切にしています。
Q: 教師に向いているのは、どのような人だと思いますか?
井手:1つ目は、子供が好きで、子供の成長を見守ってあげられる人です。
2つ目は、その教科が好きであることですね。私は「情報」が好きで、その楽しさ、面白さを生徒に伝えられたらと考えています。
3つ目は、探究心、つまり常に学び続ける姿勢のある人です。こと「情報」という教科は、日々進化していて、次の教科書の内容がどうなるのかも分からないという状況です。
そのため、常にアンテナを張って情報を収集する探究心が大事だと思います。自分の知識やスキルをアップデートしていき、それを生徒に教え、ときには生徒から教えられ、生徒と一緒に成長していくことに魅力を感じる人ではないでしょうか。
Q: 大学院で研究をした人に向けて、メッセージをお願いします。
井手:大学院での研究活動は、分野を問わずそのまま「情報Ⅰ」で求められる内容となっているため、どの学部・研究科出身でも「情報Ⅰ」に結び付けられると思います。一部の自治体では、教員免許を持っていなくても教員になれる制度(社会人や博士号保持者など)もあるので、研究の楽しさをぜひ生徒に還元してほしいと思います。
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特別免許状で教師に 職員間のコミュニケーションが鍵
福祉科

栃木県立真岡北陵高等学校

栁 路子 先生

★プロフィール★

看護科の高校を卒業後、看護学校に進学し看護師になる
その後、保健師学校を卒業し町役場で保健師として9年間勤務

Q:教師になるまでの経緯を教えてください。
栁:町役場で保健師として9年間、母子保健サービス、発達支援、結核検診など、保健福祉業務全般に携わっていました。ちょうど育休中、市町村合併の話が出ており、勤務地が遠くなる可能性がでてきたところ、「医師・保健師・助産師・看護師免許を持つ社会人経験のある人を教員として採用する」という新聞記事を見て、自分の経験が活かせるのでは、と思いました。
専門試験、集団討論等だったので、チャレンジしようという気持ちになりました。採用試験に合格後、職歴証明などの書類審査で特別免許状が授与されました。
Q:「福祉科」の教師の仕事内容を教えてください。
栁:私の勤務校は介護福祉士の国家資格取得を目指す学校(福祉系高等学校)なので、授業はもちろん、文部科学省や厚生局に提出する福祉系高等学校の申請書類等の作成や、設備や授業時数の管理などを担当しています。また、生徒にとって効果的な介護実習が行えるよう、地域の施設に実習の受け入れを依頼し、実習期間中は生徒への巡回指導も行っています。その他に、市役所や社会福祉協議会に外部講師をお願いすることもあり、その調整は、これまでの経験を生かしています。授業の展開や生徒の意見発表会の企画など、自分のアイデア次第で様々なことができるのも魅力です。
Q: 「福祉科」の教員ならでは良さはありますか。
栁:福祉科のある学校は多くないので、県内はもちろん、全国の福祉科の先生と、研修会等でつながっていきます。仕事が行き詰まったり、どうしたらいいだろう?という疑問も教員ネットワークを活用し、アドバイスをもらうことができます。
Q: 子育てと仕事の両立はどうしていますか。
栁:時間に追われることはもちろんありますが、どんな職業でも同様の問題はあると思います。3人の子供がいますが、育休明けは校務分掌や修学旅行の引率などの負担軽減していただいたほか、「子供のお迎えの時間だよね」と声掛けもしてもらいました。子育て経験のある先輩が職場にいらっしゃるので、一人で抱え込まず、コミュニケーションをとるのがポイントかなと思います。私の職場では「お互いさま」という雰囲気で声をかけ合い、子供が熱を出したときなども、男性の先生も含め、子の看護休暇を使って病院に連れていくことができています。時短勤務の方もいらっしゃいますし、以前に比べ、働き方改革は進んできていると感じます。

先生になるには?

優れた知識経験等を有する社会人等を教職員として迎え入れる制度や選考があります。

選考フロー

教員資格認定試験について、詳細はこちらの動画をご覧ください。

教員資格認定試験とは?(高等学校「情報」)

学校にはその他にも多くのスタッフが一緒に働いています。
特別非常勤講師など、教員免許状を所有していなくてもあなたの専門性を発揮して授業することができます。
詳細は下記のリンクや各教育委員会HP等で確認してください。

教科の紹介

農業

農業を教えてみませんか

工業

工業を教えてみませんか

商業

商業を教えてみませんか

水産

水産を教えてみませんか

家庭

家庭を教えてみませんか

看護

看護を教えてみませんか

情報

情報を教えてみませんか

福祉

福祉を教えてみませんか

専門高校の紹介

生徒からの声(山梨県立農林高等学校 河野日向さん)

山梨県立農林高等学校の生徒である河野さんが、専門高校での学びを振り返ってくれました。
河野さんは、オリジナルワイン「17ans(ディセタン)」の製造販売に取り組むプロジェクト学習に参加していました。
どのようなことを学んだのか、また、先生とのかかわりについても話してくれています。

山梨県立農林高等学校
河野 日向 さん

専門高校について詳細はこちらのリンクをご覧ください。

お問い合わせ先

初等中等教育局参事官(高等学校担当)付産業教育振興室

電話番号:03-5253-4111(内線2384)

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