宇宙開発利用部会 将来宇宙輸送システム調査検討小委員会(第6回) 議事録

1.日時

令和2年5月13日(水曜日) 14時00分~16時00分

2.場所

Web会議

3.議題

  1. 将来宇宙輸送システム調査検討小委員会提言(中間取りまとめ)について
  2. その他

4.出席者

委員

主査 遠藤 守
主査代理 永田 晴紀
専門委員 有田 誠
専門委員 石井 由梨佳
専門委員 石田 真康
専門委員 稲川 貴大
専門委員 大貫 美鈴
専門委員 神武 直彦
専門委員 齊藤 靖博
専門委員 竹森 祐樹
専門委員 中村 裕子
専門委員 野口 裕一
専門委員 野中 聡
専門委員 兵頭 翔洋
臨時委員 松尾 亜紀子
専門委員 山崎 直子

文部科学省

研究開発局長 生川 浩史
大臣官房審議官 岡村 直子
宇宙開発利用課長 藤吉 尚之
研究開発局宇宙開発利用課企画官 原田 大地
研究開発局宇宙開発利用課課長補佐 渡邉 真人
研究開発局宇宙開発利用課課長補佐 岡屋 俊一

(説明者)
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)

 研究開発部門 第四研究ユニット ユニット長 沖田 耕一

5.議事録

【遠藤主査】今回もまた、前回と同様にオンラインの開催でございますので、若干勝手が違うかもしれませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、事務局から確認等ございましたらお願いいたします。
 
【原田企画官(事務局)】文科省原田でございます。
 本日も、主査から御説明ございましたように、オンラインでの議事進行とさせていただきます。将来輸送システム調査検討小委員会に御所属いただいております16名の先生方のうち、本日は16名全員の御参加を予定しております。このため、運営規則に定めます定足数は満たしておりますので、会議が成立していることを御報告いたします。
 次に本日の資料でございますけれども、事前にもお送りしておりますとおり、議事次第のとおりとなっております。オンラインの会議となりますので、何か音声がつながらないなどの音トラブル等がございましたら、事務局へメール又は電話などで御連絡いただければと思います。オンラインの利用方法、運用上の注意事項などにつきましては、事前にお送りいたしました手引きなどを御参照いただければと思います。
 事務連絡は以上でございます。
 
【遠藤主査】ありがとうございます。
 それでは本日は1つの議題でございます。本小委員会のアウトプットとなる提言について、議事に入らせていただきます。議題は将来宇宙輸送システム調査検討小委員会提言(中間取りまとめ)についてです。前回の小委員会で事務局から説明いただきました提言案、それからロードマップの視点案につきまして、委員の皆さまからコメントを積極的に頂きました。中間取りまとめの提言案として、これから事務局から説明をしていただきます。それではお願いします。
 
【原田企画官(事務局)】文科省原田でございます。ありがとうございます。
 資料の6-1-1、またその別添、また資料6-1-2を御覧いただければと思います。
 まず資料6‐1‐1は、画面でも映させていただいておりますけれども、右肩に6-1-1で表題が将来宇宙輸送システム調査検討小委員会提言(中間取りまとめ案)と。サブタイトルといいますか、本提言のタイトルということで、革新的将来宇宙輸送システム実現に向けた我が国の取組強化に向けてということで付けさせていただいておりますので、こちらも後ほどもし御意見あればというふうに思っております。こちらの方は前回の小委員会から、皆さまの前回の小委員会における御意見と、あとその後メールなどで頂いた御意見を踏まえてアップデートさせていただいております。
 また資料6-1-2という資料は、概要というふうな形で、宇宙開発部会などで今度説明をさせていただく場合の概要ということで御用意させていただいておりますけれども、やや字が細かかったりしますので、補足的に何らかの場面で使用させていただくことを想定しています。
 あと別添、何らかの概要を説明させていただく際には、またこれよりも更に概略化したものを御用意させていただくかもしれませんけれども、場合によってはここで、このフレーズは落とすべきではないといったようなことがあれば、資料6-1-2、画面にも映っておりますけれども、スライドのものでございますが、こちらの方ももし何かあればというふうには思っておりますけれども、今日御用意させていただいておりますが、若干字が細かいので、もう少し概略化はさせていただければと思っております。
 それでは6-1-1に戻っていただきまして、前回からの変更点を主に説明をさせていただきたいと思います。
 まず冒頭申し上げましたけれども、1ページの表題でございます。表題を付けさせていただいております。小委員会提言という形で、中間取りまとめという形で記載をさせていただいておりますけれども、そもそも何かということで、こういうことを図りたいということで、取組強化という形で表題の方を付けさせていただいております。
 1ページの1ポツですけれども、委員の先生の御指摘を頂きまして、国益の確保といった文言を付け加えさせていただいております。
 また、2ページ目を御覧いただければと思います。
 2ページ目の2つ目の辺りに、若干文言の方を、民間の事業者が事業として運営できて、継続的発展できるという趣旨の記載をさせていただいております。
 ちょっと飛びますけれども、3ページはこれまでのロケット開発などの記載を引き続きさせていただいておりますが、4ページ目の方で、丸2の将来宇宙利用であるとか将来ビジネスの箇所に関して、前回頂いた御指摘も踏まえまして、少し文言を補足させていただいております。
 4ページ丸3からの国外の動向は、これは前回と引き続いて同様の記載をさせていただいております。今日もし御意見等頂ければと思いますけれども、将来宇宙輸送システム、このパートは現状の説明をさせていただいているところでございますけれども、(3)の中で将来宇宙輸送システムの必要性といったところで、5ページの一番下の方から6ページの頭の部分に対して、現在新型コロナウイルス感染症といった状況が正に現在進行形で進んでいるところでございますけれども、こういった中でもいろんな取組というか、施策を、当然いろんな場所で、こういった感染症に対する対策というのが最優先として今行われるわけですけれども、そういう中でも並行的にこういった宇宙輸送システムに関わる活動というのは、優先順位といいますか、そういったものが決して落ちるものではないという趣旨で記載をさせていただいております。
 文の中身は少し補足をさせていただきます。感染症の拡大というのは、今、検討の時期とタイミングがかぶさってしまったということもあるので、ここをあえて触れないわけにはいかないのではないかということで、遠藤主査とも御相談をさせていただき、記載をさせていただいていますけれども、こういったものが人類全体の生活であるとか、社会経済活動全般にも大きな影響を与えていると。これは当然宇宙も対象外ではないといった状況になっています。
 実際、御承知のとおり、宇宙先進国とかいわれるような自立的な宇宙輸送システムを持つ国というのは、その一方で着実に宇宙開発というものを進めております。ロシアであるとか、アメリカもドラゴンの宇宙船を今月末に打ち上げを予定しておりますし、中国といった国も月探査に向けた活動を着々と進めているといったようなところがある中で、我が国も宇宙先進国として宇宙活動といったものが将来の安全保障であるとか、社会経済、あるいはサービスイノベーションに関係する活動ということで、こういったものを引っ張っていくためには、そのベースとなる宇宙輸送システム、将来に向けた取組といったものもしっかりやっていくことが急務なのではないかと。その中で、感染症といったような、そういった中でもそういったところに対応できるような能力であるとか、災害等の緊急事態に対してもそういった普通の活動ということが行えるといったところが、社会全体のレジデンス向上といいますか、抗たん性の向上にもつながるのではないかといった文言を付け加えさせていただいております。
 6ページの下の方、3ポツで、課題につきましては、これは前回とほぼ同じ答申をさせていただいております。
 8ページを御覧いただければと思いますけれども、4ポツの今後の取組に関してで、(1)基幹ロケットの維持・強化のところで、基幹ロケットの産業・人的・設備基盤の維持を行う主体を、国と民間がそれぞれの役割分担によって行うという形で補足をさせていただいております。
 9ページの方に関しては、8ページ最後の辺りで、将来宇宙輸送システムの研究開発を進めるに当たっての丸1研究開発課題の設定というのがございますけれども、その中で様々な技術候補といったものが、今後明確化していくというふうに考えておりますが、注記を付け加えさせていただいております。注記といいますか米印ですね。8ページの真ん中の辺りでございますけれども、将来における有人宇宙輸送システムの重要性に留意すると。この文言は現行の、次の、現在作業が進められております新たな宇宙基本計画の中でも、将来における有人宇宙輸送システムの重要性に留意するという記載がございますので、そういったものにも留意しながら、将来の市場形成であるとか、国際動向を踏まえつつ、我が国の方向性を検討するといった形で米印の方を付けさせていただいております。
 その後10ページでございますけれども、将来輸送系の研究開発の中で、丸3でございます、共創体制の中で、前回委員の方から、共創のやり方は、具体的にどうやって民間・企業とかを巻き込んでいくのかといった御指摘がございまして、その中でJAXAがデータを示した資料にそのやり方が記載してございましたので、それを少し具体的に記載させていただいております。
 あと、これ以降の、10ページの留意事項以降は、主に、多少前回頂いた指摘なども踏まえながら修正を加えさせていただきました。
 あと別添で、ロードマップの視点を御覧いただければと思います。資料6-1-1別添というファイルになりますけれども。こちらの別添の方になりますけれども、こちらの方は主に御指摘をいろいろ頂いたところを修正しています。
 1ページの1ポツでございますけれども、目標のところに、時期が少し、幅が、レンジが広すぎないかということで、今、2040年代といったところも、前半といった感じで若干絞らせていただいております。さらに2ポツのところでも、ロードマップの位置付けの中で、2030年頃の技術実証を目指すという趣旨で、2030年頃技術実証と、これもある程度期間を明確化させていただきました。
 また革新的技術の意味合いが若干不明確ではないかと。イコールコストの低コスト化ということを同義に使っているのか、あるいは様々技術革新を起こすという趣旨で使っているのかという御指摘も頂きましたので、抜本的低コスト化といったものが飽くまで一つの要素ならば包含される、革新的技術の概念の中に一つ包含されるといった趣旨の修正をさせていただいております。
 また、こちらの方、前回メールで頂いた御指摘でございますけれども、1ポツの目標の最後でございますけれども、宇宙輸送を始めとして、宇宙産業そのものが我が国の経済社会を支えるような主要産業となるようにしたいといった趣旨の目標の記載にさせていただいています。
 2ポツのロードマップの位置付けでございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、目標達成のために2040年代前半のシステム実現に向けて、2030年前後には技術実証を目指すということで、そこから道筋などをバックキャストしていく、そういった形になろうかというような形で、そのための道筋をロードマップとしてまずは書いていくことになるという考えであります。
 (1)でございますけれども、輸送システム実現の意義・価値の中で、前回では自立性・競争力といった価値のみを記載しておりましたけれども、その中では当然、低軌道領域、更にその上を、月探査軌道であるとか、そういった意味の輸送を入れたものも含まれるのではないかということで記載をさせていただいております。
 2ページ目でございますけれども、(3)以降に関しましては、若干頂いた開発プロセスそのものの刷新、革新であるとか、そういったものを少し補足させていただいています。
 3ポツのロードマップ策定・実施に係る留意事項ということで、留意事項でございますけれども、内外の動向の調査分析を行う場合には、競合者の分析を行うであるとか、(2)でございますけれども、参画主体を多様化していくに当たっても戦略的に役割分担を行うといった趣旨、またその後、小委員会の後に追加で頂いている御指摘の中で、例えば国産化すべき、国内で保護すべき技術もあれば、国際的に協力関係の下で獲得すべき技術というものに分けられるのだろうと。そういった視点といったものにも留意すべきであるという御指摘を頂いております。
 また前回頂きましたとおり、環境対策といったときも、SDGsのようなものにも留意するということで記載をさせていただいております。
 それで、スケジュールのところは前回と変わっておりませんが、若干、少し補足をさせていただきまして、JAXAが事務局を担うと言うと、JAXA主導で行うという意味合いが少し強くなるかもしれないと思いまして、JAXAが事務局機能を担うということで、飽くまでもJAXAが全体を引っ張っていくというよりも、技術ロードマップの策定にせよ、共創体制の構築にせよ、飽くまでオーガナイザーといいますか、JAXAが全体を引っ張るというよりは、一つのプレイヤーとして、様々な参画者の中で宇宙開発に関しては知見がある組織として事務局的な機能を担っていくといった趣旨で、少し文言を変えさせていただいております。
 あと、最後のロードマップの策定に関しては、関係省庁・民間事業者の協力を得るといった文言を記載させていただいております。
 また、最初に申し上げた資料6-1-2につきましては、文字が多いのですけれども、この提言の内容とロードマップの視点、それぞれをまとめさせていただいておりますが、また今日と、あと恐らく両部会で少し利用させていただくことになると思いますが、より簡略化したものを御用意させていただきつつ、他方でセールスポイントといったらここだから、こういったフレーズはしっかり押さえてほしいというようなものがございましたら、その辺を御指摘いただければと思っております。
 前回からのアップデートという意味では、資料の1については以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【遠藤主査】ありがとうございます。
 それでは続きまして、JAXAから前回御説明いただいた内容に対する委員会での意見を反映して、見直しをしていただいておりますので、それについてJAXAから御説明をお願いいたします。

【沖田ユニット長(JAXA)】承知しました。
 本資料は、これまでの資料に委員の先生方の御意見を反映して追加・改訂したものでございます。本日は追加した分について御説明します。
 10ページ目をお願いします。
 これまで共創体制、それから革新的宇宙輸送システムに向かってのロードマップに向けての課題、それから進め方について御説明したところでございます。今日は今後の取組方策ということで、今年度・次年度以降に向けた取組について御説明します。主には共創体制の構築の準備、それからオープンイノベーションによるSEEDS作りへの着手という大きな2つです。
 1つ目の革新的宇宙輸送技術の共創体制構築準備に当たりまして、JAXA内体制の整備ということで、関連施策の糾合それからプログラム化ということで、革新的宇宙輸送システムの研究開発としては、これまでの基礎的研究、将来輸送系の研究と基礎的な研究、それからLNG推進系、それから宇宙輸送デブリ対策などございまして、こういったものを一元的にマネジメントするよう実施してまいりたいと思います。
 2つ目としまして、徹底した調査分析/ベンチマーキング・戦略立案と。これは提言にも記述されていることでございまして、具体的には数社のコンサルを用いた海外の動向分析及びJAXA独自情報収集。JAXA独自情報収集というのは、これは海外の学会でも小型ロンチャーのプレイヤーとかスペースXとかブルーオリジンとか、様々なプレイヤーが参加する学会とかワークショップとか、そういったところで情報収集を行うと。
 それから基幹ロケット等将来戦略については、民間事業者と協議を進めるとともに、宇宙のみならず航空分野等他分野の調査、それから社会情勢、マーケットなど広範囲に分析していく。他産業分野等の潜在的なステークホルダーも識別していくというのが重要なことだと考えています。
 それから3つ目としまして、政府のロードマップの検討状況を踏まえまして、技術ロードマップ案を最新化していくと。先ほども企画官の方から、JAXAは事務局機能といったところで、事業者それからプレイヤー、ステークホルダー、そういった人たちの意見を聞きながら技術ロードマップを最新化していきたいと考えてございます。
 なお国際連携に関しては、自立性の確保及び作業基盤状況を踏まえながら戦略調整を行っていきたいと考えております。これも当然のことながら、上位のロードマップの議論があっての調整だと考えてございます。
 それから3つ目としまして、制度や基準など社会的課題の洗い出しと。これは宇宙輸送システムでは非常に重要なところなのですけれども、この後構想ごとということで、様々な構想がこれから出てくると思います。こういったものに対して、国内制度・基準の早期課題洗い出しを行いまして、技術ロードマップのフォローアップが可能な仕組みを構築していきたいと考えてございます。
 2つ目、オープンイノベーションによるSEEDS作りへの着手ということで、まず1つ目は共創体制を生かした革新的将来宇宙輸送系の企画・アイデア募集への取組。これは広く国内の企業研究者に技術情報照会を通じて、共同研究棟に向け、公募課題の練り上げをしていくと。これは飽くまで技術ロードマップを実現していくために、どういった形で広く国内の企業・研究者の力を引き出していくかという、重要な取組だと考えてございます。
 2つ目としまして、共創体制における研究開発プロセス概要に基づきまして、システム構想、それからそれを基に技術のブレークダウンを通じて、広く国内の研究者・企業にイノベーションを追求していく研究開発テーマの提案を募集していきたいと考えております。
 こうした作業については、宇宙探査イノベーションハブの枠組みを辞活用した共同研究の推進と。ここの中には銀行、それから様々なコンサル、そういったところの支援を受けながら進めてまいりたいと思います。
 11ページをお願いします。
 前回の小委員会でも、やはりプロセスといったものがよく見えないといったところで、取組方策としてのプロセス案といったものを提示させていただいています。
 左上がロードマップ。これは国で制定・見直ししていくものだと思います。それに調査分析、事業者の声、一般コンテスト。これはシステム構想を検討するに当たって、広く一般研究者若しくは事業者のコンテストをやってはどうかという御意見もありまして、そういったものも取り入れながらシステム構想を数種類構築していくのではないかと考えてございます。
 一方、基幹ロケットの戦略、J-SPARC関連といったものも同時に、事業者の声を踏まえながら、技術といったものをどういった形でブレークダウンするかといったものを進めてまいりたいと思います。この技術のブレークダウンというのは、あるものは共通化され、あるものは共通化されない特別なもの、またあるものは安全保障技術に非常に開かれるもの、これまで基幹ロケット、J-SPARC関係でありますと、知財情報が非常に分かってきた。そういったものに十分配慮しながら、個別技術ロードマップといったものを整備して、共創体制の中で作業ができるように仕上げてまいりたいと思います。ここの中にあるのは、こういった技術のロードマップで整理してはどうかという、現在の案でございます。
 それから共創体制の枠組みといったところで、ここで重要なのは探査ハブの枠組み等を活用して、異業種他分野の参画を促しまして、裾野の拡大を促進していきたいということで、情報提供要請、それからそれを基にJAXAで今後課題を練り上げまして、研究提案を募集していくと。この後、研究開発計画の実施のボックスに移りますけれども、ここでは提案企業・JAXAの協働若しくは提案企業・JAXA・事業者の協働など、形態に合わせて役割分担も含めながら設定していきたいと。併せてオープンそれからクローズといったものも配慮して考えてございます。
 最終的に研究開発成果では、研究開発成果に基づきまして、左記システムの構想、ABCとありますけれども、これを絞り込んだり、若しくは変更させたり、見直ししたりといったものを実施して回していきたいと。
 さらに技術ロードマップの加速・見直し等も行っていくと。技術ロードマップの加速というと、要はそこに資金を多く投下する等、そういった大きな見直しをやっていくことを考えています。必要な重要技術については、地上飛行実証を実施していくといったものも検討していくというふうなこと。こういった大きなサイクルを何回も回しながら、スピード感持ってシステム構想を実現させていきたいと考えてございます。
 説明は以上です。
 
【遠藤主査】沖田さん、ありがとうございます。
 ただいま文科省からとJAXAからと2件の説明をしていただきました。これについて委員の皆さんの御意見あるいは御質問がありましたらお願いします。前回と同様に御意見のある方は、まずお名前をおっしゃっていただき、私が示した後、発言をお願いいたします。どうぞお願いします。
 
【中村委員】よろしいでしょうか。
 
【遠藤主査】はい、どうぞ。
 
【中村委員】お世話になります。御説明ありがとうございました。
 最初の発表についての御質問なのですが、どうしてもハイライトされていたのでコロナウイルスのことが気になってしまったのですけれども、本当にこれは感染症にも有効なことになるのか、取って付けた感が聞こえてしまったので、もう少し、もし有効であるのなら付け足して書かれた方が健全かなとは思うのですけれども。これはいろんな戦略の下なのかもしれないので、コメントにとどめさせていただきました。そうなのだと思ってしまいました。
 
【遠藤主査】どうでしょうか。文科省の方から。
 
【原田企画官(事務局)】文科省原田です。
 もし他に意見が委員の先生からもあれば、またいろいろ御意見いただければと思うのですけれども、説明が若干不足したかもしれません。
 もし誤解をあれしていたら申し訳ないですけれども、資料6-1-1の5ページから6ページ目の趣旨としては、宇宙輸送システムの取組そのものが新型感染症に対しても有効というか、何か良い影響を与えるというよりは、こういった新型感染症のような事象が起きて、当然我々の生活であるとか、あるいは様々な経済活動がストップしておりまして、当然そういったところというのは、我々、今、こういった宇宙開発の現場でも今いろいろ支障が起きているのは現実でございます。
 他方で、どの国においても宇宙活動というのは国家事業として継続しているのだという実態がございます。現に中国はロケットも上げていますし、アメリカも今月下旬にドラゴンの宇宙船を、アメリカとしては久々の有人宇宙輸送システムの実証化なわけですけれども、国家戦略として。それは安全保障の理由があり、また様々な恐らく科学技術の理由であったりとか、若干国威発揚的な意味合いもあったりするのかもしれませんけれども、こういった輸送系を含む宇宙活動に対してしっかり取り組んでいるといった、そういった現状もございますので。
 こういった、当然我々の生活であるとか、社会経済全体が、いろいろ、様々な大きな影響を受けてはいるものの、そこに受けたままではなく、しっかりレジリエントに必要な活動はやっていくと。そうしないと我々の自立性ある宇宙開発利用といったものが継続し得ないので、こういった大きな影響もある中でもしっかり取り組んで、その技術基盤なり人的基盤なりとかをしっかり将来に継続させていく活動が、ある意味いろんな危機が起きたときでも、しっかり宇宙開発のような活動も含め、様々な活動に対して、国全体としても対応能力といったものが高まるのではないかといった趣旨で記載をさせていただいております。
 宇宙開発利用そのものが感染症対策になるといった趣旨ではなくて、そういった感染症みたいな大きなパンデミックのような危機になったものは、そういったものは当然対処しつつ、こういった国家事業として大切なことに対してもしっかり対応していくし、一応この小委員会のテーマとしましては、H3ロケットを含めて開発は進めている、基幹ロケットの開発を進めているわけでございますけれども、それとともに、併せてさらに将来の輸送系についてもしっかり検討と研究開発を進めていくと。そういった活動を同時並行で行いたいといったところが、今回の小委員会の活動として進めさせていただいておりますので、今、他方で世界を巡るこういった大きな状況がある中でも、それに立ち止まることなく、しっかり将来輸送に向けた取組も進めていく必要があるので、そういったことを進めていきたいといった趣旨の記載をさせていただいております。
 以上でございます。
 
【遠藤主査】ありがとうございます。若干言葉足らずだったかもしれませんが、趣旨としては今原田さんが説明したとおりですが、何か、これは今日突然出てきておりますので、他の委員の方からもこの点について何か御意見があれば併せてお願いしたいと思います。
 
【永田主査代理】永田ですけれども、よろしいですか。
 
【遠藤主査】どうぞ。永田先生、お願いします。
 
【永田主査代理】多分、この文言が新たに追加された理由というのは、今回コロナの対応に当たってかなり巨額の予算がつぎ込まれていて、そのコロナの騒ぎが収まった後に、これをどう立て直すのかという議論が出てきたときに、ここでつぎ込んだ予算はどこかで穴埋めしましょうという議論になったときに、こういう宇宙開発予算は取りあえず緊縮しましょうというふうにならないための予防線を張る必要があるのだと思っていまして。なので、いや、これは予算が厳しい中でもやらなきゃいけないのですよということを書きこまなきゃいけないのかなという意味では、何かしら言っておいた方が良いと思います。
 ポストコロナでどうやってこれだけ傷んだ経済を立て直すのかという話と、それからコロナ後に世界の安全保障の枠組みが変わる可能性もあるので、そのような局面を控えて、我が国としてどのような安全保障に対する体制を整えるかという両方の議論からも、やっぱり基幹ロケットの開発というのは、そういうときこそやらなければいけないのだという、むしろポジティブに可能かなというふうに思いましたので、なので他国もやっているからうちもやるのだというのは、ちょっと書きぶりとしては弱いかなと思いました。
 以上です。
 
【遠藤主査】ありがとうございます。その他、この点について御意見ございますでしょうか。
 
【齊藤委員】齊藤ですけれども、よろしいですか。
 
【遠藤主査】どうぞ、齊藤さん。
 
【齊藤委員】これは多分相談ベースなのですけれども、根幹となるというところに続く将来宇宙輸送システムの実現というのか、それに向けた取組というのか、それはちょっと唐突というか、飛び過ぎかなと感じていまして。書くとすると、例えば宇宙輸送システムの維持・強化とか、そういうところから将来宇宙輸送システムの実現というところにつながるところに読むのかなと思いました。そこは検討いただければなと思います。
 
【遠藤主査】ありがとうございます。その他の方、他のところについてでも構いません。御意見をお願いいたします。
 
【中村委員】先ほどのことなのですが、やはりこれまで、ここよりも上で述べてきた宇宙事業の重要性は、新型コロナウイルスで揺るぐものではないから、引き続き続けるべきであるような、シンプルな書き方の方が好感度があるかなというふうに思いました。いっぱいごちゃごちゃ言ったのですけれども、それは余り、多分、誰もここに批判する人、批判する機会はないと思うのですけれども、結局は重要で、それは今回の事象では揺るがないということなのかなというのであれば、余り他の国がやっているから、多分止める理由がなかったからやっていたのかもしれないですし、何かちょっと引っ掛かるところかなと思うので、もう一度検討していただければと思います。
 
【遠藤主査】ありがとうございます。
 中間取りまとめに関わらず、他のロードマップのところ、その他JAXAの資料等についても併せて御意見をお願いいたします。
 
【稲川委員】インターステラの稲川です。よろしいでしょうか。
 
【遠藤主査】稲川さん、お願いいたします。
 
【稲川委員】資料6-1-3のJAXAさん資料の11ページですね。今後の取組方策(案)研究開発のプロセス案というところで、一般コンテストというところが出てきて。コンテストをやること自体は良いと思うのですが、そういうのが有効に働くのはなかなか難しいのが実態だと思っています。世の中一般、宇宙関係に限らず、科学技術系の一般コンテストはいっぱいあるわけですけれども、どうやったらうまくいくかというのは幾つかしかないと思っていて。例えば賞金をすごく巨額の金額をあげるとか、事業化にすぐ、賞金プラス事業化できるのだというところで、基礎的な技術開発のシードマネーがあって、コンテストに応募していくのだというようなやり方でないと、例えばベンチャー企業とか小さい会社は、この枠の中にチャレンジしようというところが起きないと思います。
 この資料というか、11ページを見て、口頭でも御説明いただいたような気もしますが、コンテストを含むいろんな案の中から構想を技術ブレークダウン、提示、RFIやRFP、共同研究開発があるのですけれども、結局、民間企業がここに入ろうとしたときに、RFI・RFPが来た後も共同研究開発ということで、まだ仕事が受けられる、お金が入ってくるというよりは、まだ共同研究開発ということで、多分言葉の違いかもしれないのですけれども、まだ民間側としてはどんどんお金が出ていきますというふうにこれではなっていると思うので。そうすると、いつお金が回ってくるのだっけというところが相当遠い、若しくは見えていない、若しくはないみたいに見えているので、これだとなかなか新規にチャレンジして、ここに飛び込もうという人たちが出にくい、かなり大きな資本が元々あるところ以外は飛び込みにくいように、この資料を見る限りだと思いました。
 というところが少し気になったところですね。具体的にどうするかというのは、本当に予算とかの付け方次第だとは思うのですけれども、幅広い民間のプレイヤーを呼び込もうと本当にした場合は、これだと少し足りないなというふうに感じました。
 以上です。
 
【遠藤主査】ありがとうございます。実際に事業を興された方の貴重な御意見だと思いますので、すぐにはなかなかJAXAも応えられないと思うのですけれども、是非そういう意欲の湧く方策を考えていただきたいと思います。
 沖田さん、何か御発言ありますか。
 
【沖田ユニット長(JAXA)】稲川社長のおっしゃるとおりだと思います。ただ、一方で我々もやはり役割分担等、様々な場所から強く指摘されてございまして、意欲の湧くような、そういった形というのを引き続き様々なプレイヤーの方と相談させていただいて、進め方に反映させてまいりたいと思いますので、引き続きよろしくお願いします。
 
【稲川委員】JAXAさんだけじゃなくて、本当に国全体の話かなとも思っていますので、そういうところに向けて言っていければなと思っています。
 
【山崎委員】山崎ですけれども、よろしいでしょうか。
 
【遠藤主査】山崎さん、お願いします。
 
【山崎委員】どうもありがとうございます。
 資料でいいますと、JAXAさんの資料12ページのところに、選択と集中までの研究開発試算が1,000億から2,000億円という注釈付きで書いてあります。ですので、この研究開発費においても、例えばRFI・RFPで提案されて、共同研究をされている方と、資金はこれから御検討だと思いますけれども、何らかの形で研究、共同開発費を補塡するような仕組みが作れると一番良いのかなと。それを競争式な形でだんだんと絞り込んでいく姿がとれると回っていくのかなという印象を持っているのと同時に、これは今回取りまとめをされた後に、時期宇宙基本計画の工程表の改定作業に反映していくと思いますけれども、これは今後の予定で御質問があると思います。
 その中で、では次年度、近々として何を、特にこのコロナの影響で厳しい状況の中で、宇宙輸送としては来年度何が大切なのかということを、もう少し折り込めないかなと思っています。といいますのが、先ほど御指摘がありました、緑色のハイライトがあった、コロナの状況にあっても、やはりこの革新的システムは2040年代初期ということで、幾らこれが急務であるといっても、まだ先でしょうという印象を与えかねないと思っているのですね。ただその中でもきちんと変わる、安全保障体制、産業の発展などなどに資するためには、やはり着実に取り組むことが必要で、特に次年度これをやることが必要ですという、もう少し近々のところも打ち出せると良いのかなというコメントです。
 以上です。
 
【遠藤主査】ありがとうございます。どこかにそういうことは何か表現できると良いですが、後ほど今後の予定のところでも文科省から何か頂こうと思います。
 その他、御意見がございますか。
 
【石田委員】石田ですけれども、よろしいでしょうか。
 
【遠藤主査】石田さん、お願いいたします。
 
【石田委員】2点ありまして。
 1点は今、山崎さんがおっしゃったこと、さっきちょっと議論になったコロナの件ですけれども、私は多分この文章の中でちゃんと力強く書ききっていて今、宇宙ではないのですけれども、自動車業界の研究開発の動向というのを、このコロナの後、今、グローバルがどうなっているかというのをいろいろ見て、大手の自動車メーカーとか、大型のサプライヤーさんの研究開発同士が、民間レベルでは少なくともどういう動きになっているかというのは見ているのですけれども、やっぱり企業の業績悪化の中で、研究開発費というのは絞られて、足が長いものほどポートフォリオとしては削られているのですね。
 それがやっぱり現実だと思っていて、やっぱり国も含めて非常に財政が厳しくなる中で、一般的に考えると、足の長い研究開発というのが最初にストップすると。足元の開発とか、足元の対応の方にやっぱり触れるというのが、どう考えても総論としては起きがちだと思うので、やっぱりこの影響が半年で終わるのか、1年で終わるのか、もうちょっとかかってしまうのかというのは分からない中において、革新的な将来宇宙輸送システムだけでもちゃんと足元を進めていくのであれば、それはそれなりにやっぱりリーズニングをちゃんと持っておくというのは結構大事だと思っているので、こういう中でもこれまで検討したことは変わらないのだというふうに、さらっと書いた方が良いかと先ほど話もあったし、それも一案かなと思うのですけれども、僕はやっぱりちゃんとこの宇宙というのが現代社会の基盤であるというのを言い切ることが大事だと思っていて。
 基本計画の中でも、安全保障とか、経済成長とか、SDGsといったものに明確に貢献をしていくことが、これから宇宙は大事であると。逆にそういうふうに貢献できない宇宙であるならば、余り世の中の意味はないと、それぐらいの多分不退転な気持ちで基本計画にも今政府としては書いていると思うので、やっぱりここでも、いろいろ厳しい時代の中でも、現代社会の基盤である宇宙とか、安全保障とか、経済成長とか、SDGsとかを解決していくためにも、宇宙というのはインフラとしては非常に重要であって、それを実現していくための手段としての輸送システムというのをやっぱり進化しなければいけないのだというのを、やっぱりちゃんと力強くはっきり書いておかないと、足の長い研究開発というのがやっぱり影響を受けちゃうかなというふうに感じました。というのが1点目です。
 2点目は、先ほど御紹介いただいたロードマップの方で、これは逆に御質問に近いのですけれども、これはロードマップというのが上位にあって、技術ロードマップというのは下位にあってというお話で。以前、革新的将来宇宙輸送システムに関しては、システムによって領域形態技術が違って、その結果として産学官の役割も在り方も異なるから、それをいろいろ考えなきゃいけないよねというのが、確か別途どこかの項目に書かれていたと思うのですけれども、例えばそれこそ稲川さんがやってらっしゃる小型ロケットとか、スペースワンがやっている小型ロケットとか、SPACE WALKERさんとかPDエアロスペースさんがやっているような有人機の取組とか、まだまだステージとしては商業化に向けては時間がかかるとは思うのですが、こういった民間が自助努力で始めて、いろいろな取組も常に日本では足元で起きていて、いろんな大手企業さんもそういうのに興味を示している方も増えていると思うのですけれども、こういった民間主体の取組というのは、今、ロードマップの中ではそもそもスコープに入るのか入らないのか、どういうような位置付けになるのかなというのがちょっと分からなくて。変な話なのですけど、民間事業者の技術展開のロードマップを国が書くというのも、何か変だろうなという気もします。その辺り、どういうふうに取り扱われるイメージなのかというのをお教えいただければと思います。
 以上です。
 
【遠藤主査】石田委員から2番目の点について、恐らく民間事業者も含むのだと私は理解していたのですが、原田さん、どうでしょうか。
 
【原田企画官(事務局)】文科省原田です。ありがとうございます。
 基本的には、革新的将来宇宙輸送システムに向けたパスの中、ここに多分複数の選択肢とか、あるいは領域というものがあるというふうに思っております。恐らく幾つかあるシステムあるいは低軌道とか、あるいは更に上の高軌道とかいうのを想定されるのかもしれませんけれども、そこの領域に行く過程の中で、御協力いただけるところとか、連携できるところというのは、多分民間事業者さんがやっているところと、そういったものというところをうまく、協力いただけるところは民間の知見を協力することもありますし、逆に民間事業者さんが必要な取組とか技術といったものに関しては、革新的将来宇宙輸送システムに向けた研究開発の取組からうまく技術を移転していくと、お渡しするといったやり方もできるのだろうというふうに思っていまして。
 ということで、ロードマップ全体としては、多分、ロードマップの概念は正におっしゃるとおりなのですけれども、主査のおっしゃるとおり、ある程度幅広いレンジを取りつつ、ただ他方で、多分官民の分担というのがあるので、ある程度コアの部分、リスクの高い部分が基盤的な研究開発部分は国が中心としてやりますといった、そこのコアは示しつつ、例えばそこで民間が主に担う部分というものに関して言うと、そこは民間が御協力いただくとか、あるいは民間に対して、うまく国が担うべき部分のところを裨益(ひえき)させていくといいますか、波及効果としていろんなものをお渡ししていくといった形でロードマップを作っていくのかなというふうに、今、イメージとしては思っています。
 そして、また、広いビッグピクチャーの中で、当然国として担うべき部分もあれば、民間が担うべき部分が多分入ってくるとは思って。
当然、民間がやる部分は、それは国が勝手に描くのではなくて、それは正に官民共創というような形でやろうというふうに思っていますので、そこは産学官の形で話し合うことによって、そういった、ある意味今回の一つの共創体制というのも、ある意味オールジャパンで、日本の中でいろんな人たちがいろんなことをバラバラにやるというのもいいのですけれども、他方で我々もそんなに日本全体としてたくさんのリソースがあるわけではないので、ある程度ここでするなとは言いませんけれども、オールジャパン体制の中で、しっかりそうやって一つのビッグピクチャーを描きつつ、当然そのビッグピクチャーの中では、民間は民間がやりたいことをやれるし、国がやれるべきところは国が抑えるという形で進めていくのかななどというふうに、今は我々としてはイメージを持っているところでございます。
 
【石田委員】基本計画の議論の中でも、やっぱり国が、おっしゃるとおり主体的に研究開発していくところと、民間が主体的にやっていくところ、ただでさえ資本が少ない日本の中でダブルエフォートしていくのは余り良くないよねという議論がずっとあったような気がしていて。そういう意味では、ロードマップにあるものの中で、国が主体的に技術開発をするものはJAXAさんが事務局をされるというその方で、技術ロードマップに落とし込んでいくというのが当然あってしかるべきだと思う一方で、民間の活力を活用して、調達すべきは調達するというような領域があるのであれば、それはむしろ技術ロードマップに落ちるものではなくて、サービス要求仕様に落ちるようなものかなと思っていたので。技術に落ちるものと、民間に対してお客さんとして要求に落ちるものと、その辺りが分かれてくるのかなと思ったので、そこの柔軟性というのがこのロードマップの検討の中で織り込んでいただけると、官民のダブルエフォートみたいな議論とかがなくなって良いかなというふうに思いました。
 以上です。
 
【遠藤主査】恐らく、私も意見を述べさせていただきますと、このロードマップというのが、いわゆる技術ロードマップではなく、文科省で今策定されようとしている国としてのロードマップという観点なのですが、やはり20年間のスパンで考えるとなると、当然民間が主体でやるようなところをいかに加速していくのか、いわゆるPPP的な仕組みがどこかで取り入れられるというようなことも、ロードマップの中では今言われたビッグピクチャーというような意味では、そういうことも含めて国として議論をしていき、そのものがみんなに分かるようにしていただくと大変良いかと、皆さんの意欲が湧いてくるかと思います。
 
【石田委員】とても同意します。
 
【遠藤主査】その他、御意見ございますでしょうか。
 それでは、ちょっと早いのですが、本日の今まで御意見を頂いたことを踏まえて、事務局にて最終の小委員会の提言として見直しをしていただきます。そういうことで、あとはメールベースということにさせていただきたいと思いますが、本小委員会の中間取りまとめとさせていただいて、最終的な調整については私遠藤に御一任いただくということでお願いしたいと思っております。そういう進め方でよろしゅうございますか。
 
【山崎委員】はい、賛同いたします。
 
【遠藤主査】ありがとうございます。お声は山崎さんだけでした。
 
【野口委員】野口も賛同します。
 
【遠藤主査】皆さんの御賛同を頂いたということにさせていただきます。
 この中間まとめにつきましては、事務局からも後ほど御説明があると思いますが、5月19日に開催予定の宇宙開発利用部会に、親部会ということでございますので、私と事務局から報告をさせていただいて、了承を得た上で確定とさせていただこうと思っております。部会からのまた御意見等がありましたら、これを皆さんにもフィードバック、御確認をしていただこうと思っております。今後、何かこの提言について、今後のロードマップの策定とか、今日JAXAからはJAXAの取組についての御説明を頂いたのですが、その他今後については、今後の進め方のところを先に事務局から御説明を頂いてから、もう一度御意見賜った方がよろしいですね。原田企画官、今後の予定について先に御説明いただけますか。
 
【原田企画官(事務局)】はい、承知いたしました。
 それでは資料の、参考という資料があろうかと思いますけれども、今、画面の方に映させていただいておりますが、御覧をいただければというふうに思います。
 本日、小委員会という形で、中間取りまとめという形で、1月から4か月間という短期間で、なおかつ感染症の件もあって、ほぼほぼ短い時間になってしまったのですが、いろいろいただきましてありがとうございます。
 来週、宇宙開発利用部会がございまして、こちらは親部会という形で、審議会の方の構造上、こちらの方に議決権がございまして、部会の方に御報告をさせていただいて、科学技術・学術審議会としての一つの提言として御了承いただくということになります。
 また、この後なのですけれども、途中、山崎委員からも御指摘ございましたけれども、現在、宇宙基本計画の行程表などの議論も進められておりますので、一応、来週あるいは再来週にある宇宙政策委員会で、この輸送系関連は宇宙産業・科学技術基盤部会になりますので、こちらの方にこの提言の内容を報告させていただくといったことで、既に宇宙基本計画本文につきましても、前回御報告差し上げましたとおり、本小委員会で頂いた御議論については既に反映されているところではございますけれども、行程表につきましても今回更にその後付け加えさせていただいたところにつきまして、行程表の中に反映をさせていただくといったことを考えています。
 また7月、8月ぐらいにございますが、恐らく令和3年度概算要求といったところで、この将来宇宙輸送系に関する動きに関しまして、恐らく御報告をさせていただくことになるというふうに考えています。
 さらにロードマップの議論は今年の秋にも着手するといった形で、ロードマップの視点に記載をさせていただいておりますけれども、そこで検討チームなどにつきましても、検討の予定であるとか状況といったものを適宜小委員会に報告をさせていただこうかと思いますし、また来年度のロードマップに関しましては、さらに令和4年度の概算要求といったことに関しまして、小委員会に適宜報告をさせていただこうかというふうに考えております。他方で、各種事情とか、皆さまの御都合等もございますので、場合によってはオンラインの開催であるとか、あるいは書面審議といった、そういった手法も取りながら報告を、あるいは御議論いただくといったことも想定をさせていただいているところでございます。
 私からは以上でございます。
 
【遠藤主査】ありがとうございました。
 今後の予定を、今、説明いただきましたけれども、これを踏まえて、今後の進め方等について御意見等ございましたらお願いしたいと思います。
 特にないようでしたら、私から一言、文科省さんにお願いしたいのは、今の今後の予定で、議論の中でもございましたけれども、令和3年度の概算要求で、今まで議論したこの将来宇宙輸送システム研究開発を進めるに当たって、やはりこの予算というのが大きな最初の関門になるのではないかと思います。こういうコロナの状況の中で、大変文科省さんはプレッシャーの強い中で、予算の概算要求をされることになります。是非負けないで、頑張っていただきたいと思います。
 それでは最後に事務局から連絡事項がございましたらお願いいたします。
 
【原田企画官(事務局)】ありがとうございます。私の方から申し上げるのもあれなのですけれども、もし可能であれば、今後共創体制の構築といったところをいろいろ進めていきたいといったときに、新しいプレイヤーの方といったものに参画をしていただかなきゃいけないのではないかというふうに考えています。特に今いろいろ、石田委員とかもおっしゃっていたように、どうしても産業構造が多分この1年とか2年ぐらいで大きく変革していく中で、人の動きとか、あるいは産業構造が変わっていく中で、一応ロードマップの視点の中にも、宇宙産業をしていきたいという我々の思いの中で、いかに他産業とか他分野の方を今回の動きにインクルーブしていくかといったところに関して、もし委員の先生方からこういった取組とかアイデアというのがあれば、今後でも構いませんけれども、引き続きサジェスチョンなど、御助言などを頂ければと思っています。
 例えばファンドであるとか、金融であるとか、あるいは他産業であるような、例えば大手のいわゆる電気・電子産業であるとか、あるいは自動車産業といった動きにいかに関心を持っていただいてこれは当然、我々なり、文科省なり、あるいはJAXAに与えられた提言を受けまして、我々に与えられた宿題というふうに認識してはいるのですけれども、今回宇宙を中心に、いろいろこの業界だけではないことにもそれなりに知見のある方に委員になっていただいたこともございますので、もしそういったサジェスチョンがあれば頂ければなというふうに思っているところでございます。
 
【遠藤主査】今、原田企画官からお願いがありました。皆さんも是非何か良いアイデアがございましたら、原田さんにお伝えいただくようお願いいたします。
 
【神武委員】慶應の神武ですけれども、よろしいですか。
 
【遠藤主査】はい、どうぞ。
 
【神武委員】今の件に関係するのですが、やっぱりこのコロナウイルスの影響で人の動きが変わっていく中で、やはり世の中がどう変わっていくかということに対して、宇宙開発がどう貢献できるかというような主題ですとか、そういうことをよく、最近やはり聞かれまして。一義的には、例えばリモートセンシングの衛星データで経済活動が変化すると大気汚染が変わるとか、人の位置が変わるみたいなことがあると思うのですが、その流れの中でロケットがどう位置付けられるかというようなところはもっと発信していくべきだと思っていまして、ほとんどの方がそこに余り、ロケットを作るというところに考えが及ばないわけですが、しかしながらロケットが自立的にいつでも打ち上げられるということがあってこその、全宇宙開発の大事なところなので、そういうことをやっていくべきと思っておりまして。
 一つ思うのは、我々の大学とかでもそうなのですが、最近オンラインのセミナー、説明会がとても盛況で。やっぱり物理的に来るというのに比べると参入障壁が非常に低いのか、参加者がリアルにやるときの3倍4倍普通に来ますので、そういう意味ではもう少しライトに、宇宙開発、特にロケットについて発信できるような仕組みを作っていく、簡単なやり方であれば、やはりこの、今、皆さんで使われているようなウェブですとか、ウェビナーですね、ウェブを使ったセミナーみたいなものを、ライトにJAXAのロケット開発者が語るというような話でも興味を持ってもらえるので、そういうことをやるというのは、地道な活動としては非常にやりやすいかなと思っています。
意見です。以上です。
 
【遠藤主査】ありがとうございます。その他、何かございますか。
 それでは事務局から、これでそろそろ議論も尽きたと思いますので、最後に何かございますか。
 
【原田企画官(事務局)】それでは、事務局からの連絡事項という形で。ありがとうございます。また何かございましたら、引き続き頂ければと思います。
 本日の会議資料と議事録につきましては、運営規則に基づきまして公開されるものとしまして、既に本日の資料につきましてはホームページの方に掲載をさせていただいています。議事録につきましては、こちらの方も公開とさせていただきますので、委員の皆さまに御確認いただいた後に、当省のホームページに掲載をさせていただくこととなります。
 事務局からは以上でございます。
 
【遠藤主査】ありがとうございます。
 以上で本日の議事は終わりということにしたいと思いますが、今年の1月から短期間、コロナということもある中で、精力的に皆さんに御議論いただきましてありがとうございます。ただ、期間が短かったということもあり、具体的な将来宇宙輸送システムの具体的な支出構想とか、そういうところまではとても議論ができるところではなかったので、委員の先生の中にはちょっと物足りなさを感じておられる方もいらっしゃると思うのですけれども、それについては今後文科省において進めていただけるということですので、それをウォッチしながら、この小委員会においても意見を出していければなと思います。
 それでは、一通りこの中間まとめという区切りでございますので、文科省から御挨拶を頂ければと思うのですが、生川局長はいらっしゃいますか。
 
【生川局長(事務局)】文部科学省研究開発局長の生川でございます。
 
【遠藤主査】よろしくお願いします。
 
【生川局長(事務局)】よろしくお願いします。どうもありがとうございます。今、主査の方からお話しいただきましたように、本日でこの小委員会での御審議も一つの区切りとなりますので、事務局を代表して一言御挨拶を申し上げたいというふうに思います。
 委員の皆さまには、本日までこの今日まとめていただきました提言の中間取りまとめに向けて、非常に御熱心に御議論いただいたところであります。本年1月から今日まで全部で6回開会をさせていただいて、途中新型コロナウイルス感染症の影響もあって、なかなか対面での議論も難しいという中、遠藤主査を中心として皆さまに御尽力いただいたことに改めて感謝を申し上げたいと思います。
 本提言の内容の一部につきましては、既に検討過程で内閣府に報告をさせていただいて、次期宇宙基本計画にも反映をされているというところでありますけれども、先ほど事務局から説明をさせていただいたとおり、今後改めて宇宙開発両部会及び内閣府の宇宙産業・科学技術基盤部会にも報告をさせていただき、今後基本計画の行程表を作っていくという段階に入っているところでありますけれども、これにもしっかりと盛り込まれるようにしてまいりたいというふうに考えております。
 また、御提言を頂いた産学官の共創体制による革新的将来宇宙輸送システム技術の研究開発。これは遠藤主査からも予算要求をしっかり頑張れというエールを頂いたというところでございますけれども、必要な予算をしっかり確保していくために、我々としても努力をしてまいりたいというふうに考えております。
 秋以降には、いよいよロードマップの検討チームというのを立ち上げて、この提言も踏まえて具体的なロードマップの策定を進めてまいりたいと考えております。
この小委員会にもその進捗状況を別途御報告させていただきたいというふうに考えております。委員の皆さまには引き続き御指導いただければ有り難いというふうに考えております。
 改めまして、本日までの短い期間ではございましたけれども、かなり精力的に御議論いただいたことにつきましてお礼を申し上げまして、簡単ではございますが御挨拶に代えさせていただきます。本当にありがとうございました。
 
【遠藤主査】生川局長、ありがとうございます。
 それでは、これをもちまして小委員会閉会とさせていただきます。これまでの御審議誠にありがとうございました。

―― 了 ――

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