質の高い教師の確保特別部会(第12回) 議事録

1.日時

令和6年4月19日(金曜日)16時00分~18時00分

2.場所

文部科学省会議室(対面・WEB 会議併用)(東京都千代田区霞が関3-2-2)

3.議題

  1. 教師を取り巻く環境整備について
  2. その他

4.議事録

【貞広部会長】  皆様、こんにちは。定刻となりましたので、ただいまから第12回中央教育審議会 初等中等教育分科会 質の高い教師の確保特別部会を開催いたします。
 皆様、お忙しい中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。
 本日の会議もウェブ会議と対面を組み合わせたハイブリッド形式にて開催させていただきます。会議を円滑に行う観点から、大変恐れ入りますが、委員の皆様におかれましては、御発言時以外はマイクをミュートにしていただくようお願いいたします。カメラにつきましては、御発言時以外を含め、会議中はオンにしていただきますようお願いいたします。また、本日は、報道関係者と一般の方向けに、本特別部会をユーチューブにて配信しており、ユーチューブでの傍聴者から、録音及び録画の希望がございましたので御承知おきください。
 それでは、事務局より配付資料の確認をお願いいたします。
【堀家財務課長補佐】  事務局でございます。本日の配付資料は、お手元の議事次第の4、配付資料にありますとおり、資料1及び参考資料1から参考資料3までとなっております。御確認いただきまして、過不足等ございましたら、事務局までお申しつけください。
【貞広部会長】  ありがとうございます。
 それでは、早速でございますが、議題1といたしまして、「審議のまとめ(素案)について」に入ります。本特別部会では、昨年5月の文部科学大臣からの諮問を受け、学校における働き方改革、学校の指導・運営体制の充実、教師の処遇改善について、前回まで合計11回にわたり議論をいただいてきております。
 本日は、これまでの議論を踏まえ、「審議のまとめ」(素案)を作成いたしましたので、皆様に御議論いただきたいと考えております。
 それでは、資料1に基づきまして、事務局より素案の内容について御説明をお願いいたします。その際、参考資料2-1についても簡単に御説明をお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。
【安井財務課長】  失礼いたします。財務課長の安井でございます。
 それでは、事務局から、これまでの御議論をまとめました「審議のまとめ」(素案)について御説明させていただきます。委員の皆様の御審議の時間もございますので、できるだけ簡潔に御説明させていただきたいと思います。
 今回の「審議のまとめ」(素案)でございますが、全体で6章構成となってございます。まず4ページでございますが、第1章、我が国の学校教育と教師を取り巻く環境の現状ということで、第1章におきましては、学校教育、教師を取り巻く環境についての課題意識について整理したところでございます。知・徳・体にわたる日本の全人的な教育が国際的にも評価されているところでございますし、PISAにも見られますように、世界トップレベルの学力を教師の献身的努力に支えられて達成してきたということが成果としても指摘されているところでございます。
 一方、5ページの下のほうでございますけれども、こういった成果に基づきまして、日本の学校教育は、更なる高みを目指しているというところでございまして、個別最適な学びや協働的な学びの充実ということ、こういった新たな学びの実現による教育の充実を目指しているところでございますが、より高度な教師の指導力を必要とするものでございまして、教師に優れた人材を確保し続ける環境整備が必要不可欠であると整理してございます。
 少し資料を飛びまして、8ページ、9ページでございますが、8ページ中ほどでございますけれども、一方で、こういった現在の教師を取り巻く環境につきましては、なお厳しい状況にあるということでございまして、多くの教師が時間外在校等時間が依然として長い状況もある。また、9ページでございますが、教師不足の憂慮すべき状況ということについても御指摘をいただいているところでございまして、教師を取り巻く環境整備によりまして、教職の魅力を向上していくことが急務であるというところでございまして、10ページでございますが、教師を取り巻く環境整備を抜本的に改革する必要があると結んでいるところでございます。
 第2章につきましては、教師を取り巻く環境整備の基本的な考え方についてまとめているところでございます。まず11ページでございますけれども、これまでの中教審の御議論も踏まえまして、学びに関する高度専門職としての教師像ということについて整理してございます。また、資料を進みまして、13ページでございますけれども、一連の教師を取り巻く環境整備の目的ということで、これまでも指摘をいただいておりました教師を取り巻く環境整備の最終的な目的については、学校教育の質の向上を通した子供たちへのよりよい教育の実現であるということを明確に記して確認してございます。長時間勤務の是正を図りまして、教師の健康を守るということはもとより、教師の意欲と能力が最大限発揮できる勤務環境を整備して、その高い専門性を大いに発揮できるようにするということによりまして、子供たちに対してよりよい教育を行うということでございます。
 また、14ページにございますけれども、教師に質の高い人材を確保するということのために、抜本的に教職の魅力を向上させることが必要であるというところでございます。
 そして、3、教師を取り巻く環境整備の基本的な方向性ということでありますが、こういった目的を実現していくために、学校における働き方改革の更なる加速化、教師の処遇改善、学校の指導・運営体制の充実を一体的・総合的に推進する必要があるということでございます。
 また、こういった取組を進めていく上で、改めて教育に関わる全ての者の総力を結集して取り組む必要があるということで、これまでも指摘をいただいてございました、国、都道府県、市町村、各学校など、それぞれの主体が自分事として、その権限と責任に基づき、主体的に取り組む。また、保護者や地域住民、企業など、社会全体が理解をいただき、連携しながら、一丸となって課題に対応していくことが重要であるという御指摘を整理しているところでございます。
 資料を進めまして、16ページ以降が、第3章、学校における働き方改革の更なる加速化というところでございます。16ページにおきまして、これまでの働き方改革の取組についても整理してございます。平成31年の中教審の御議論を踏まえまして、学校・教師が担う業務に係る3分類の策定等も行われたところでございますし、令和元年には給特法の改正がなされまして、業務量の適切な管理等に関する指針の制定もされたところでございます。
 また、17ページでございますけれども、これまで国におきましても教職員定数の改善、部活動の見直し等によります働き方改革の取組も行われてきたというところでございます。
 続きまして、18ページに移りますが、こういった一連の取組によりまして、令和4年度の勤務実態調査と令和4年度の勤務実態調査の比較によりまして、6年間で時間外の在校等時間が約3割減少したというような成果も見られたというところでございますが、なお厳しい状況は続いているというところでございました。
 また、本特別部会におきましても、こういった成果が見られる一方で、教育委員会、学校における取組状況の差が見られるという課題も残っているという御指摘をいただいていたところでございまして、こういった課題をしっかりと前に進めていくことが必要であるところでございます。また、学校における働き方改革の更なる加速化ということに向けましては、学校・教師が担う業務に係る3分類の徹底ということで、昨年の緊急提言でもお示しをいただきましたが、それぞれの主体がさらに取組を推進すべき対応策の例ということもまとめていただいたところでございますので、こちらの取組の徹底を図る必要ということがございます。
 また、20ページに資料を進めますけれども、昨年の緊急提言でも標準授業時数を大幅に上回って教育課程を編成している学校につきましては、見直すことを前提に点検を行うというような御指摘もいただいていたところでございます。こういった取組の実効性を高めるということのために、資料21ページでございますが、学校における働き方改革の実効性の向上の取組が必要でございます。
 資料22ページになりますけれども、働き方改革の実効性を向上させる観点から、教育委員会をはじめとする関係者の方々の当事者意識を高めるために、全ての服務監督教育委員会におけます取組状況の見える化やPDCAサイクルの構築が不可欠であるという御指摘をいただいてございました。具体的には、それぞれの教育委員会におけます業務量の現状でございますとか、その改善に向けた取組の進捗状況を公表することによりまして、こういった取組の実効性をしっかりと向上させていく必要性の御指摘をいただいてございました。
 また、23ページでございますけれども、在校等時間に係る目標を掲げるということの重要性ということもございます。また、時間の設定の目標に加えまして、教師のやりがいですとか、働き方改革の多面的な目的を踏まえた目標の設定ということも重要ではないかという御指摘もいただいておりました。また、在校等時間の目標の目安といたしましては、時間外在校等時間が月80時間を超える教師をゼロにするということを最優先で目指す必要があるのではないかということでございます。また、上限指針では、時間外在校等時間の上限が月45時間以内という設定をされてございますけれども、こうした全ての教師が月45時間以内となることを目標といたしまして、取組を一体的に進めていくということが必要でございますし、将来的には、教師の平均の時間外在校等時間が月20時間程度に縮減されることも目指すべきということでございます。
 24ページになりますけれども、こういった取組を進めていく上で、校長等の管理職の役割の重要性についてもこれまで御指摘をいただいていたところでございます。こういった取組によりしっかりと管理職の方々に御活躍をいただくということのために、一番下の段落でございますが、国が、法律に基づいて定めます校長及び教員としての資質の向上に関する指標の策定に関する指針、この中に、学校の働き方改革に向けたマネジメントの重要性をより明確に示すと。また、そうしたことに基づきまして、それぞれの任命権者が作成する指標ですとか、具体的な研修にしっかりと反映していくということも御指摘をいただいていたところでございまして、教職員支援機構とも連携しながら、25ページでございますが、管理職に対する研修におきまして、こういったマネジメント能力の習得についての研修の充実ということを図っていく必要性も御指摘をいただいてございました。
 また、(2)でございますけれども、学校における働き方改革を進めていく上で、保護者、地域住民、首長部局等の理解、連携ということも不可欠であるという御議論がございました。こういったことから、学校における働き方改革について、学校運営協議会の場で積極的に議題として取り扱って協働を推進していく。また、自治体におきましても、総合教育会議で積極的に議論をいただくということの必要性の御指摘でございました。また、保護者、地域住民からの過剰な要求等につきまして、学校で解決が難しい事案について、行政の責任で対応するということ、あるいはスクールロイヤーの活用といったことについても必要性の御指摘をいただいていたところでございます。
 続きまして、4、教師の健康、福祉の確保に向けた取組の充実ということでございます。教師のメンタルヘルス対策の重要性、なかんずく、27ページでございますが、近年、20代の教師の精神疾患の休職者の増加が著しいという中で、若手教師への支援体制の充実の必要性でございます。また、労働安全衛生管理体制につきまして、学校におけるしっかりとした体制整備に向けた取組を行っていく必要性についても御指摘をいただいていたところでございます。
 28ページでございますが、そうした中で、いわゆる勤務間インターバルの取組についても御議論をいただきました。こういった取組によりまして、学校の特殊性も留意しつつ、学校における業務の在り方、休養の重要性、こういったことの意識向上ということにも効果があるという御指摘もいただいておりましたので、学校における勤務間インターバルの取組を進めるということについて、大きな意義があると整理してございます。
 また、柔軟な働き方の推進というところでございますが、早出遅出勤務、フレックスタイム制度、また、30ページ、テレワーク、こういったことにつきましても学校における勤務の特性にも留意しながら積極的に活用を図っていく必要があるというところでございます。
 31ページ以降が、学校の指導・運営体制の充実というところでございます。
 資料32ページでございますけれども、まず冒頭、今後の教職員指導体制の充実に当たりましては、新たな学びの実装化を通じた教育の質の向上ということとともに、教師を取り巻く環境を改善するということのための持続可能な教職員指導体制の構築を指導・運営体制の整備の考え方として整理してございます。
 具体的な対策といたしましては、まず小学校におきましては、これまで高学年の教科担任制の充実を図ってきたところでございますけれども、今後、中学年におきましても、新しい教科の導入が始まるという指導の専門性が求められるところでもございますし、また、33ページにわたりますが、事業の標準授業時数につきましても、高学年と並ぶような時数も設定されているということから、小学校中学年につきましても、教科担任制の推進を図っていく必要があるということでございます。
 また、34ページでございますが、若手教師への支援の在り方ということでございます。現在増加しております若手教師でございますけれども、非常に若手教師は在校等時間が長い、あるいは精神疾患等による休職率も高いということも指摘されております。こういった状況を踏まえて、しっかりとした円滑な、教師としての職能成長が図れるように、組織としてしっかりと支援していく必要があるというところでございます。
 そのために新卒の1年目の教師につきましては、例えば学級担任ではなく、教科担任として、学級副担任の担当をしたり、また、学級担任を行われる場合でも持ち授業時数の軽減を図ったりするという取組への御指摘ございまして、こういったことを推進していくための教科担任制の充実に向けた定数の改善の必要があるのではないかと、こういうことで御指摘をいただいてございます。また、こういった若手教師と年齢が近い中堅の教師等に相談ができるような学校の体制整備も重要であるというところでございます。
 続いて35ページでございますけれども、学校の組織的な教育力を高めていくことのために、今後の教職員の体制整備ということでございますが、現在、不登校児童生徒が過去最高を更新しているという状況の中で、生徒指導の体制整備ということも非常に重要な状況でございます。学びの多様化学校における教職員の配置の充実、また、中学校における不登校出現率の高さということを踏まえて、生徒指導担当教師を全中学校に配置していくという必要性でございます。また、養護教諭、栄養教諭につきましても、これまでの取組を踏まえまして、充実の必要性の御指摘をいただいてございます。
 また、36ページでございますが、教職員配置の在り方につきましても、地域、学校、子供の実態を踏まえた柔軟な学級編制や教職員配置についても取組の必要性、御指摘をいただいてございまして、教育委員会が、支援が必要な学校に対して、教職員配置、支援スタッフ等の配置の改善にしっかりと取り組むということの必要性も御指摘いただいてございました。
 また、現在、小学校の35人学級につきまして、法改正に基づいて推進しているところでございますが、小学校における効果検証を踏まえつつ、中学校も含め、学校の望ましい教育環境、指導体制を構築していく必要があるというところでございます。
 また、37ページでございますが、高等学校における、高校改革の実施状況も踏まえた教職員配置の検討も必要でございます。また、特別支援教育の体制につきましてもしっかりと検討、充実を図る必要があるというところでございます。
 また、38ページでございますが、中ほどでございますけれども、学校の組織的・機動的なマネジメント体制の構築に向けて、若手教師へのサポート機能でございますとか、学校内外との連携・機能を充実させるため、新たな職を創設して、学校の組織体制を充実させていく必要ということについても御指摘をいただいてございました。
 また、39ページでございますが、副校長、教頭の配置の充実でございます。また、事務職員につきましても、教師との連携の下、学校運営により積極的に参画することが期待されているということでございまして、こうした役割を果たしていくための事務職員の配置の充実ということでございます。
 また、39ページ、40ページにおきましては、教員業務支援員、副校長・教頭マネジメント支援員、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、部活動指導員の配置充実ということについても御議論いただいた内容を整理してございます。
 また、41ページにおきましては、多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成ということでございまして、教職課程における多様な専門性を有する教師の養成や、多様な専門性や背景を持つ人材を教師として取り入れるということについての必要性ということについても整理してございます。
 また、資料45ページ以降が第5章、教師の処遇改善ということでございます。
 資料46ページでございますが、講師の処遇改善の必要性ということについては、人材育成という複雑困難な職務を担っている教師の職務の重要性を踏まえ、教師の処遇改善を図る必要があるという御指摘を報告いただいてございました。また、その際に、人材確保法の優遇分が現在僅かになっている状況でございますとか、近年の教師不足への対応としての教職の魅力向上の必要性を踏まえて、教師の処遇改善を図る必要があるという御指摘をいただいていたところでございます。また、教師の処遇改善の在り方を検討するに当たりましては、教師の職務の在り方に関する検討というのが必要であるということで御議論をいただいてございました。
 47ページになりますけれども、専門的な知識技能が求められる高度専門職であるという教師の職務を踏まえた上で、教師がこの専門性を最大限に発揮して、教育課題に対応していくための職務、業務遂行の在り方がどのようであるべきかという御議論をいただいてございました。
 そうした御議論の中で、教師が日々変化する目の前の子供たちに臨機応変に対応していくということのためには、どのような業務をどのようにどの程度まで行うかという業務遂行について、一般行政職等のように管理職の職務命令によるのではなく、一人一人の子供たちへの教育的見地から、教師自身の自発性・創造性に委ねるべき部分が大きいという御指摘をいただいてございました。
 教師の自主的で自律的な判断に基づく業務と、管理職の指揮命令に基づく業務が混然一体となっており、これを正確に峻別することも困難であると。また、授業準備や教材研究等の教師の業務がどこまでが職務であるかということを精緻に切り分けて考えることも困難であるということを御指摘いただいてございまして、一般行政職等と同様の時間外勤務命令を前提とした勤務時間管理を行うことが適当ではないのではないかという御指摘もいただいていたところでございまして、48ページでございますが、こうした教師の職務の在り方ということを踏まえた上で、勤務時間の内外を包括的に評価し、その処遇として、教職調整額を本給相当として支給するという仕組みは、現在においても合理性を有しているのではないかという御指摘でございました。
 また、時間外勤務手当についての考え方につきましては、使用者側にコスト意識が高まる可能性があるという一方で、校長等が教師の業務内容について細かく精査、関与するようなことによるプラス面とマイナス面の両方があるとの指摘をいただいていたところでございまして、多くの御意見といたしまして、時間外勤務手当を支給すべきとの御指摘につきましては、教師の職務等の特殊性を踏まえると、一般行政職等と同様な時間外勤務命令を前提とした勤務時間管理を行うことは適当ではないということでございました。
 また、県費負担教職員制度の下で、民間企業と同様な形での時間外勤務命令に関する抑制のインセンティブが機能するのかどうかという御指摘もございまして、こういったことから処遇改善と併せて、様々な他の政策と一体的な改革によりまして、時間外在校等時間の縮減はしっかりと図る必要があるというところでございます。
 49ページでございますが、具体的には、PDCAサイクルを通じた学校における働き方改革の推進ということにつきまして、働き方改革の現状、改革の進捗状況の公表などによりまして、全ての服務監査教育委員会が着実に行う仕組みの検討ということでございますとか、学校の指導・運営体制の充実により、時間外在校時間の縮減を目指すということでございます。
 また、49ページ、一番下でございますが、処遇改善の在り方につきまして、人材確保法の趣旨を踏まえ、人材確保法による給与改善後の教師の優遇分の水準、こちらを回復すべきだという多くの御意見をいただいていたところでございます。そうしたことのために、その他の処遇改善策と併せまして、教職調整額の率については、少なくとも10%以上とすることが必要であるというところでございます。
 また、職務や勤務の状況に応じた処遇の在り方についての御議論をいただいてございました。先ほど申し上げた、新たな職に対応した級の創設ということにつきましても、現行の教諭(2級)と主幹教諭(特2級)の間に給料表上、新たな級を創設する必要があるというところでございます。
 また、51ページの(3)でございますが、学級担任につきましては、その職務の重要性、負荷を踏まえて、義務教育等教員特別手当について、学級担任について加算する必要があるということ。また、(4)でございますが、教諭の処遇改善と併せまして、管理職の処遇改善につきましても必要性の御指摘をいただいてございます。
 また、最後、6章でございますが、教師を取り巻く環境整備の着実な実施とフォローアップということでございます。一番下のところでございますが、今後の検討が期待される事項といたしまして、本特別部会以外の中教審の場におきまして、次期学習指導要領における新たな学び、あるいは標準授業時数の在り方でございますとか、教師の質の確保に向けた、教員免許や教員養成の在り方等について、さらに専門的な検討を行うことが期待されているところでございます。
 「審議のまとめ(素案)について」、以上でございます。
 併せて、参考資料について簡単に御説明させていただきます。4月9日に、財務省の財政制度等審議会におきまして教職員の処遇改善に関する議論もございまして、そこで配付された資料が参考資料2-2でございます。この中で、教師の処遇改善につきまして指摘がされているところがございますので、文部科学省としての見解をまとめたものが資料2-1でございます。
 まず1ページ目でございます。財政審では、教員の採用倍率が低下しており、人材確保のために給与を上げるべきとの意見もあるが、他方、新卒の採用試験受験者は、20年前と比べれば、5,000人増加している、また、学生が教員を目指す志望動機は、子供が好き、教えるのが楽しいというものが多く、採用倍率の低下、教職の人気低下によるものではないのではないかという指摘がございました。
 これについては、小学校の免許状が取得可能な教員養成課程が近年増加してございまして、資料にございますように、この20年間で、小学校免許取得可能な養成課程の定員が1.4万人増加している背景がございます。一方で、その人数ほど実際の採用試験を受験いただいている新卒の方は増加していないという状況でございます。
 また、学生が教職の希望や教員免許の取得を取りやめた理由として、休日出勤や長時間労働のイメージ、職務に対して対応が十分でない、職場環境や勤務実態への不安といった理由も指摘されているという調査データもあるところでございます。
 また、2ページでございます。財政審からの指摘として、教員の給与が人事院勧告を踏まえて近年、大幅に改善しているというような指摘がございました。こちらは民間の大幅な賃金増を踏まえまして、公務員全体として上げられたものでございまして、教師独自の処遇改善ではないという状況でございます。
 また、教員給与につきまして、一般行政職よりも高いという御指摘でございますが、教師の職務の重要性や、また、厳しい勤務状況を踏まえれば、現在の給与水準が十分に優遇されているとは言い難く、処遇改善が必要だという考えでございます。
 また、3ページでございますが、教員に特有な手当を併せますと、平均すれば給料の9%相当が既に支給されている。本給以外に給料の9%相当が既に支給されているという御指摘がありました。これは教員特有の手当につきましては、それぞれの職務ですとか、勤務条件等の特殊性を踏まえて措置されているものでございまして、残業時間の見合いとして整理することは適切ではないと考えてございます。
 一例として、左下のところでございますが、人材確保法を踏まえた義務特手当でございますとか、あるいは教務主任等の職責に応じた、いわゆる主任手当といったことが支給されているというところでございます。
 また、4ページでございますが、教員の処遇改善を行う場合の安定的な財源の確保という論点につきまして、この中で児童生徒の減少を踏まえて、教育環境を悪化させずに、加配定数の合理化ができるのではないかという指摘でございますが、加配定数につきましては、少子化の中にあっても増加し続けている教育課題、不登校をはじめとした教育課題に対応するために措置しているところでございまして、児童生徒数の減少に応じた機械的な減少を行いますと、こういった課題への対応が困難になるというところでございますし、また、教師の厳しい勤務実態の改善ということが困難になるというところで考えてございます。
 以上でございます。
【貞広部会長】  ありがとうございました。
 それでは、ただいま御説明いただきました素案につきまして、委員の皆様から御意見をいただきたいと存じます。御意見のある方は、手を挙げるボタンを押していただきますようお願いいたします。もう既にボタンが、手が挙がっているようでございますけれども、こちらから順次指名させていただきます。
 なお、毎回同じことで大変恐縮ではございますが、本日はこれまでの議論のまとめを議題としていることもございますので、ぜひ全ての委員の皆様から少なくとも1回は御発言をしっかりといただけるようにと考えております。そのために御発言はお一人当たり3分以内としていただきますようお願い申し上げます。また、御発言の際は大きな声で明瞭にお話しいただきますよう、お願い申し上げます。御協力のほどお願い申し上げます。
 それでは、戸ヶ﨑委員、お願いいたします。
【戸ヶ﨑委員】  まずは、広範な意見をまとめていただき感謝申し上げます。まとめについては、時間の関係で大きく4つ意見を述べさせていただきます。
 まず1つ目について、順序は前後しますが、34ページにある生徒指導等を専任で担当する教師の配置充実が盛り込まれていることは重要ですが、生徒指導上の課題は不登校のみではありません。いじめの重大事態の増加や児童生徒の自殺、虐待通告件数の増加など、子供たちを取り巻く課題は多様です。学校が安心できる魅力ある場、誰一人取り残されない学びの場となることが必要で、その担当教師を配置する必要性は、不登校のみならず、様々な課題への対応の必要性の観点からも論じるように追記を検討していただけたらと思っています。
 2つ目について、これは本文中に記載はありませんが、6ページに通級による指導を受けている児童生徒数は、平成5年から令和3年にかけて、約14.8倍とあります。学校現場では正直大変な苦労をしています。通級指導教室の担当者は、個別指導といった児童生徒への直接的な指導のほかに、保護者との教育相談や対象児童生徒の在籍学級担任との情報交換など、業務は多岐にわたっております。現在の通級指導の子供13人に教師1人の基礎定数を改善し、教師1人の子供の人数が1桁へと思い切った定数改善の検討も今後お願いしたいと思います。そのような改善が図られれば、よりニーズに応じた丁寧できめの細かい指導・支援を行うことができるようになります。
 3つ目は、学級担任の処遇改善についてです。何度も申し上げておりますが、学級担任の成り手不足は大変深刻です。保護者対応など個人戦ではなくて団体戦でと頭では分かっていても、保護者対応などで「責任放棄やたらい回し」を担任が強く指摘され、チーム対応が困難な場合が多くあるのが現実です。これは一律支給されている義務教育等教員特別手当について、ぜひこれを学級担任に手厚く処遇する必要があると考えます。
 4つ目は、労務管理についてです。管理職による勤務状況の把握や業務量の調整などに努めることは当然ですが、日々、子供たちに接している教師が、一人一人に寄り添った指導を行う上では、教師の裁量性や創造性が尊重されなければならず、管理職が個別具体的にどのような業務をどの程度まで行うかを命令したり、時間調整等をしたりすることは、およそ現場には馴染まないと考えます。管理職の成り手不足も深刻になっています。このため、教職調整額のような柔軟な条件により、職務の特殊性に合わせた働き方改革が可能になり、個々の教師が最大級のパフォーマンスを発揮できる環境になると考えます。その上で、十分な処遇改善が図られるとともに、先ほども述べたような学校の実態に即した長時間勤務を是正するため、業務量や働き方改革の取組についての公表など、実効性のある仕組みを設けるべきだと考えます。
 最後に、牧歌的な話になりますが、教師の魅力について一つ、ある本の記述を抜粋して御紹介したいと思います。有名な大村はまさんの『灯し続けることば』からの引用です。
私が教師になった頃、教師というのは今よりもずっと尊敬される職業でした。それが、今はだいぶ変わってきているようです。私は、教師は本来、尊敬されていい職業だと思っています。教室ではいつも一人です。会社のように監督されたり、指示を仰いだりということは、ほとんどありません。しかも相手は自分よりも幼い、若い、弱い人ばかりです。しかっても子どもは文句を言いません。子どもが喜んだ顔をしたからといって、手放しでうれしがっているわけにもいきません。教室というのは、そういうこわい世界です。子どものように惑わされず、自分の指導が本当に正しいか、子どもに力をつけているか、それを見きわめ、自分で全部責任をとっていく存在なのです。ですから、大いに尊敬されていい職業だと思うのです。しかし、このような覚悟がないと、優しければいい、子どもが好きだからいいというような、どうも甘えた考え方が強くなってしまうようです。
 この審議のまとめが、大村先生の述べるような教職の魅力と責任を伝えるとともに、教職調整額など処遇改善の前進とともに、今後も負担軽減策を強力に進め、教師を取り巻く環境整備につなげていくといった趣旨を「おわりに」などに追記していただくことも御検討いただければと思います。
【貞広部会長】  ありがとうございます。戸ヶ崎委員、素案の具体的な修正というのは、1点目に御指摘いただいたことと、今のような記述を最後にメッセージ性も込めて追記するという、このお二つでよろしいでしょうか。
【戸ヶ﨑委員】  1点目と2点目もそうですね。
【貞広部会長】  分かりました。ありがとうございます。
【戸ヶ﨑委員】  それから最後ですね。
【貞広部会長】  はい。ありがとうございます。
 では、荒瀬委員、お願いいたします。
【荒瀬部会長代理】  教職員支援機構の荒瀬でございます。まず一つ考えましたのは、我が国の教師の職務の内容であるとか、在り方であるとか、こういったことについては、53ページのところで、この特別部会だけでなくて、他の部会等でも議論を続けていくことが必要だということですけれども、これは本当に大事なことだと思います。それがまず1点目です。
 2点目としましては、戸ヶ﨑委員もおっしゃったように、「おわりに」といったところを新たに設けて、そこにいろいろと、あまりたくさんあると「おわりに」にならないのでありますけれども、令和4年答申の重要な点について改めて「おわりに」という中でまとめて、それは大変インパクトがあると思っておりますので、ぜひそういったところで書き記していただきたいなと思うことが大きく3つあります。
 一つは、日本型学校教育の構築を目指してという、令和3年答申にありましたけれども、何よりも教師は、子供一人一人の成長を見詰めて支える伴走者であるという、こういうようなすばらしい職業であるということをしっかりと書いていただくということ。今回のこの改革が、そのためのものであると、子供たちの学びを豊かにしていくためには、教師の処遇改善も含め、働き方改革をしていかなければならないんだという、この点の協調が必要かと思います。
 また、2点目といたしましては、全国高等学校長協会の会長でいらっしゃる石崎先生が、今期第1回の中教審総会でも述べられたことでありますけれども、教育へのリスペクト、これは教師だけということではなくて、教育という人が学び合い、成長していく、その過程を支える営みであるという、この教育について、自分たち一人一人が何ができるのかということを考えることが必要ではないかと思っております。それが子供たち一人一人の将来、そして、我が国の未来に向けて大変重要な点なのだということを強調していただけないかなと思っています。
 最後、3点目でありますけれども、我が国の教育を、今申しましたような豊かなものにしていくためには、高度専門職としての教師の資質の向上とともに、学ぶ時間の確保といったことを考えても、量、数の確保ということが非常に重要であると思っております。その点についても書いていただきたいと思いますし、この実現のためには、保護者、地域住民の力、広く国民の皆様の御理解が必要不可欠であると思いますので、そういったことも触れていただきたいと思っています。
 本当の最後でありますけれども、よくまとめていただいてありがとうございました。事務局と貞広部会長に心から感謝申し上げます。
 以上でございます。
【貞広部会長】  ありがとうございます。それぞれ御指摘の3点は、本文中にもそれぞれ散りばめられて書かれているんですけれども、言葉の選び方も、社会の方々、それぞれが自分事としてとか、また、印象的に受け止めてくれるような言葉選びにして、ぜひ「おわりに」をメッセージにということでございました。ありがとうございます。
 では、会場から橋本委員、お願いいたします。
【橋本委員】  橋本です。これまでの議論をしっかりとおまとめいただいて、部会長及び事務局の皆様に感謝申し上げたいと思います。私、何度かこの場でも申し上げてきました……。
【貞広部会長】  橋本委員、ちょっとお待ちください。ミュートが。
【橋本委員】  すみません。住友生命の橋本です。これまでの議論を具体的にまとめていただいて、部会長及び事務局の皆さんに感謝申し上げます。
 何度か申し上げてきたDXでの業務の効率化や管理職のリーダーシップ、あるいは働き方改革の見える化やPDCAサイクルについてもしっかり盛り込まれており、全体として私は違和感を持っておりません。あえて申し上げるとすれば、前回の特別部会で、管理職の方のやる気とモチベーションにつながる制度設計をぜひこの機会にということを申し上げましたが、民間企業のような人事評価制度にビルトインすることはなかなか難しく、若干インパクトに欠けるという気もしますが、働き方改革の取組状況の見える化とPDCAサイクルの構築ということがしっかり盛り込まれておられますので、これをぜひ実効ある制度として機能していくように運営いただきたいなと思います。
 この見える化とPDCAサイクルの構築が管理職の方々にいい意味でプレッシャーになればいいかなと思います。やらされ感というのは、どうしても働き方改革には伴う副作用ですけども、それが逆にやる気とモチベーションにつながるような前向きな仕組みといいますか、そして、取組状況が遅れているところに対して励ましといいますか、いい例をしっかり見せることによってフォローアップをしていくといった仕組みもこれから大事なことだなと思っています。
 あと、働き方改革というのは、不断の取組がこれからも必要で、これまでも懸命にやってきたわけですけれども、実態調査の中では全然改善が進んでないところもありますし、また、地域や学校によっても非常に差があるということについては認めざるを得ないと思います。DXなど一つ取り上げても非常に差があると思います。今やるべきこと、あるべき姿というものをしっかり明確に示して、進んでいるところも進んでいないところもさらに一歩も二歩も踏み込んで取り組んでいただく必要があるということを関係者に認識をいただくということが重要かなと思います。
 働き方改革を進めた先に、教師にとってよりよい勤務環境が実現できる。そして、教師が子供さんと向き合う時間がしっかりと確保できる。そうして、教育の質が上がっていくという、こういう前向きなメッセージが伝わっていくような形のものになってほしいなと思います。冒頭の第1章の現状認識に書かれておられますけども、現場の大変厳しい状況にもかかわらず、先生方の献身的な努力によって、世界トップレベルの学力をまだ日本は維持していること、これは世界に誇るべきだと私は思います。
 ただ、このまま先生方の献身的な努力に頼るのみで、この厳しい現状を放置するわけにはいかないと思います。メディアでは、とかく教育調整額が話題になっていますけども、今回のこの案では、学級担任手当の加算であるとか、あるいは教科担任制の拡大であるとか、若手教員への支援など、教師の処遇と勤務環境を改善するための様々な施策が盛り込まれていますので、ぜひとも教育調整額だけではなくて、こういった様々な施策についてアピールしていただけたらと思います。
 そして、これから財政当局との折衝が高いハードルとしてあると思うんですけども、人材しか資源がない日本において、教師の勤務環境や処遇を改善して、質の高い教師を確保するという改革を、今この段階でやらないと日本の未来はないんだということをぜひ強く主張いただいて、必要な財源を確保できるように御尽力いただければと思います。
 経済界といたしましても、41ページ以降に書かれておられるような企業人材の教育現場での活動促進などもぜひ進めて、教育界との連携を深め、オールジャパンで改革を進めていきたいと考えているところでございます。
 私からは以上でございます。
【貞広部会長】  ありがとうございます。文科省の御担当者に対してのお願いとエールも含めていただきましたけれども、管理職のやる気とモチベーションが上がるような仕掛けについては、それぞれの地域で知恵を絞っていって、それが横展開していくということも期待したいところでございますし、また、新たに御指摘いただいた点としては見える化することを懲罰的な捉えではなくて、むしろ困っているところをより支援していくという形で使っていく必要があるという御指摘もいただきました。どうもありがとうございます。
 では、オンラインから、吉田委員、お願いいたします。
【吉田委員】  ありがとうございます。本日は遅参、それからまた、途中退席ということで大変失礼いたしますが、まず、貞広先生をはじめ、まとめに当たられた皆様方に心から敬意を表したいと思います。私自身、これを拝読させていただきまして、今、橋本委員さんからもお話がございましたけども、まさに教育という国家の一番根幹を背負うというか、担うというか、つかさどるというか、我が国においては、人材を育成するというのが資源のない日本にとって一番大事なことでございまして、その根幹の教育を担う先生方、それがしっかりとまた良い人材が確保されて、そして、処遇、また、勤務の状況等、改善に向けてやっていかなきゃならないという大きな事業を皆様方とともに私も関わらせていただいたことに本当に感謝申し上げたいと思います。
 その上で、先生方の勤務あるいは処遇改善については、もうここに書いてあるとおりだと思うんですけど、私は特に3ですね。学校における働き方の実効性の向上というところにおいて、見える化ということ、あるいは、保護者や地域住民、首長部局との連携・協働ということで、2点ばかりお話をさせていただきます。
 1点は、先ほどから見える化というものが懲罰的なものになってはいけないと。本当にそのとおりだと私は思っておりまして、この見える化が、ともすると、地域であるとか、学校に関係する方々にとっては、ぜひ学校というのは見える化してほしいし、透明であってほしいと思うし、また、働く先生方にとっても、自分たちの学校がどういう状況に、全国の中において置かれているんだろうということを見て、それで自分たちの改革に役立てるための見える化であってほしい。これは絶対大事なんですね。ともすると、この見える化がおかしな方向に進んでしまう。地域の方から何か学校に対して、ある意味、関係者から、学校にいろんな問合せがあって、それに学校が対応するというのは当然だと思うんですけど、全国の全く見ず知らずの方から、あなたの学校、おたくの学校というのは、働き方改革、なっていないじゃないかという電話だとかネットの問合せが来てしまうような、そんな時代でございます。果たしてそういったところまでに対応すべきなのか。私は否だと思うんですね。やっぱり見える化というのは、そこに働く先生たちが最終的には自ら、管理職も含めて、自分たちの働き方をどうしていこうかということを考えて工夫していくためのツールであるべきではないかなと考えておりますので、公表というものをどうやって公表するのか、どこまで公表するのか、何を公表するのか、これをぜひ深掘りした議論がさらに必要ではないかなということを指摘させていただきたいと思います。全く見ず知らずの方への対応で先生方が疲弊してしまうようでは本末転倒であるということだけは申し上げておきたいと思います。
 2点目でございますけども、今度は第三者を、学校のいろんな問題に対して、第三者の目を入れていくことの必要性ということ、これは実は先生方もそういうものなんだという認識を持っていただくことが必要ではないかなと。具体的に言いますと、法的なスクールロイヤーという言葉がここに出てきておりますけども、現実は都道府県単位のスクールロイヤーが一般の基礎自治体における小中学校の問題までなかなか携われないという現状が私はあろうかと思います。いろいろと改善はされておりますけども、現実は、例えば基礎自治体の顧問弁護士であるとか、そういった方々に学校のいろんな問題を相談するということは現実であるし、あってしかるべきだと私は思っているんですね。大事なものはやっぱり首長部局と教育委員会部局がしっかり連携して、先生方がある意味、気軽にというか、問題については、そういう第三者の目を入れて解決していこうということができる体制づくりと言うんでしょうか。なかなか弁護士に相談しようと思っても、できないという状況がないように、この点は、もし自治体の顧問弁護士等を使うのであれば、生かしていくのであれば、そういった顧問弁護士をしっかり配置していく、いろんな先生方に相談しやすい環境をつくる、予算がかかるのであれば、これはやはりしっかりと予算措置を国としてもしっかり考えていただくということが大事かなと思っています。
 そしてもう一つは、先生方の意識として、どうしても学校は、教育ということを考えますと、なかなか第三者を入れずに当事者同士で解決してしまおうとする傾向があって、それがかえって問題をこじらせてしまうとか、非常に問題のある保護者から、先生方が非常に窮地に立たされてしまう状況に陥ってしまうような場面でも、当事者同士で物事を解決しようとすると起きやすいということはあえて指摘させていただきます。第三者を入れることによって、しっかり問題を解決に導くことができるんだと、第三者を気軽に入れられるんだという、そういう風土をやはり学校の中にもしっかりと根づかせていくためには、管理職の方々をはじめ、その法的な相談というのをやりやすい体制づくり、また、やっていいんだという意識改革、こういったことも大事ではないかということを指摘させていただきます。
 最後になりましたけども、教員の処遇改善、これまで私もいろいろ述べてまいりましたし、多くの先生方から、やはり先生という立場というのは聖職であるという、そういう立場からの御発言が大変多かったと思いますし、私はそれに全面的に賛同しているものでございます。何とか教師の処遇を改善して、多くの有為な方々が教員になっていただけるような社会づくり、これを国を挙げてやっていくべきであろうと。市長会としても、また、一首長としても、大いにこれについては応援していこうということを申し上げて、発言とさせていただきます。
 以上でございます。
【貞広部会長】  ありがとうございます。
 次に、挙手いただいている順番が前後してしまって大変失礼いたしました。秋田委員、お願いいたします。
【秋田委員】  ありがとうございます。学習院大学の秋田です。これまでにこの報告書を的確な形で丁寧に取りまとめていただきました事務局や貞広部会長、委員長をはじめ、皆様に感謝申し上げたいと思います。この意味で、大きな、個別の修正というのではなく、先ほど戸ヶ﨑委員、荒瀬委員も言われましたが、私は、「はじめに」があるのとセットで「おわりに」という文章がつけられるべきであると思います。これは財務省ではなく、社会全般に向けて、皆さんにこの報告書が何のメッセージを出しているのかということを伝える上で重要だと思うからです。
 今回の報告書は、様々なことが書かれていて、かなり盛りだくさんなのです。けれども、この報告書の目的として書かれている三位一体の改革、やはりここにおいて働き方改革とそれから処遇の改善と、そして、学校の指導・運営体制の充実ということが、それぞれが例えばこれまでとは違った形で、働き方改革も時間の問題だけではなく、質の見直し、高度専門職として仕事をするということにおいて必要なものは何かということの検討がなされました。また、処遇の改善というのも、単純に賃金を上げるという問題だけではなくて、やはり高度専門職にふさわしく、働き続け、生涯学び続ける専門家であるからこそ、その指導をお互いにやっていく。そういう専門家の級を新たに設けるとか、そうしたことも高度の専門性が必要だというところにつながっています。それから、3つ目の学校の指導・運営体制の充実ということが、個々の教師だけではなく、チーム学校として、やはり高度な専門職と同時に、それを支援する多様な職種の連携強化ということをうたっているものだというようなことが明確に書かれる必要があるのではないかと考えます。もう一度、本文中には書かれているんだけれども、それがもう一度まとめのところで見えるようになることが必要であると思います。そして、それが何のためかというところで言えば、この中にも書かれていますが、子供たちの教育の充実のためだというところです。
 2点目として、私は、「子供たちのよりよい教育の実現」という言葉の前に、「全ての子供たちの」と、「全て」をつけていただきたいと考えております。これは昨年度、こども基本法が成立し、やはり全ての子供の学ぶ権利の保障というものが国でも改めて言われています。そして、少子化の中で、今まさに分岐点において、こうした子供たちの資質向上を保障していく学びと、子供たちの資質・能力の育成を保障していく。その専門家が教師であるからこそ、今ここでやらなければ間に合わないのだと、喫緊の課題としてあるのはなぜかということを述べていただくことが重要なのではないかと思っています。
 そして、多様な子供たちが生まれているからこそ、教師は、様々な課題も抱えていますが、そうした子供たち、全ての子供たちを一人で丸抱えではなくて、連携していくための体制をつくっていくのだということを、やはり明示していただき、そして、これは単純に教師や国の人にお任せではなく、一人一人の教師や学校、そして、保護者も皆で考えていく必要があることだというようなメッセージを「おわりに」のところでつけていただけないかということであります。
 また、最後に大変細かいことですけれども、ここで栄養教諭や、それから、養護教諭の議論が出されました。私の関わっている領域で言えば、司書教諭や学校司書という人たちが、先生方の、子供たちが扱う教材としての図書の支援なども行っています。ぜひこうした司書教諭に関しても言葉として入れていただくことが教育の充実のための支え手でありますので、落とすことなく入れていただきたいと思うところであります。
 私のほうからは、以上、3点になります。ありがとうございました。
【貞広部会長】  ありがとうございました。戸ヶ﨑委員、荒瀬委員とも重なる、そうですね。「はじめに」があったら、「おわりに」があったほうがそもそもよかったかもしれません。また、「全ての子供」という、本当にこれは必要な言葉だと思いますので、ぜひ入れていただくということと、司書教諭の件は事務局のほうで引き取って、御検討いただければと思います。ありがとうございます。
 それでは、続きまして、西村委員、お願いいたします。
【西村委員】  成蹊大学の西村です。素案の取りまとめに御苦労いただいた皆様に感謝いたします。その上で気になった点について、3点、意見を述べさせていただきます。
 まず、第1章の構成ですが、1から読むと危機感が伝わりにくいのではないかと思います。日本の教育の現状は国際的に見ても高い水準にあると言えるが、時代の要請に応じてさらなる高みを目指すため、教員として優れた人材の確保が引き続き必要であると読めてしまうからです。今の教育現場はより高いレベルを目指すというような余裕のある状況ではなく、様々な要求に押し潰されそうになって悲鳴を上げている、ところによっては一部破綻している。だからこそ緊急に対策を講じなければならないという御意見が、この部会でたくさん出されてきたと思いますので、そうした教育現場の危機的状況、1章の3の内容が前面に出てくるような構成にしたほうがよいのではないかと思います。
 資料2-1の御説明を伺っていると、教師が大変だと言っても、ほかの公務員も大変なんだなどと言われてしまいかねないので、教育現場が直面している危機的状況についての説明を前面に出して、こんなに苦しい状況でも高い教育水準実現のために尽力してきた、だけどもう限界に来ている、というような構成にしたほうが、盛り込む内容が同じでも印象が随分違ってきて、処遇改善への理解も得やすくなるのではないかと思います。
 2点目ですが、こうした盛りだくさんの報告書が広く理解されるためには分かりやすいポンチ絵をつくることがとても重要だと思います。分かりやすいポンチ絵があれば、首長さんや議員さんたちに問題点と改善策の対応関係についてポイントをしっかり訴えることができ、条例改正などの政策につながりやすくなりますし、現場で奮闘している忙しい教員や保護者にも情報共有されることで改革がスムーズになる面もあると思います。
 報告書に盛り込まれた改善策がばらばらではなく、パッケージとして取り組まれ、構造的な改革につながることを企図したものであるというメッセージとともに、短期間で取り組む内容が多いのであれば、そのこともきちんとアピールして、文科省の本気度を伝えるべきだと思います。
 3点目は、細かいことですが、50ページの3の(1)の2つ目の丸のところに、人事評価の適正な実施・活用で、頑張る教師を応援するとありますが、これがうまくいくかどうかは、現時点では校長の資質にかかっていると思います。だからこそマネジメント能力向上のサポートが必要なのですが、それがうまくいかないと、人事評価の活用は校長によるパワハラの道具になりかねず、頑張っている教員のモチベを下げるリスクもあるのではないかと懸念しています。評価者研修はもちろんのこと、二次評価者を設定して甘辛調整をするとか、評価結果に不服がある場合に苦情を言える第三者的機関をつくるとか、適正な実施・活用のためにきちんとした制度設計が全ての自治体で行われるよう、併せてお願いしたいと思います。
 以上です。
【貞広部会長】  ありがとうございます。それぞれ大変重要な点だったと思います。読み手を誰に設定して書くかということによっても構成が違ってくるかと思いますので、検討いただければと思います。また、2つ目のポンチ絵については、文科省さんは、必ず概要版をつけられますけれども、今、西村委員がおっしゃったのは、いわゆる概要版というよりももっと構造が分かるような図解というようなお話だったんですよね、西村委員。
【西村委員】  はい。そうです。
【貞広部会長】  概要版と併せて、視覚的に訴えるようなものもしっかりとつくっていただければということでございました。ありがとうございます。
 では、続きまして、オンラインから、鍵本委員、お願いいたします。
【鍵本委員】  鍵本でございます。これまでの部会で出されました様々な意見をうまく整理していただいて、今回の審議のまとめの中に的確に盛り込んでいただいておりまして、事務局の皆様の御苦労に本当に感謝を申し上げます。
 私からは、本県でこれまでの期間、働き方改革を進めていく中で、学校現場の先生方とのやり取りの中で多かった声を基にお話をさせていただきたいと思います。今回の審議のまとめでも、第3章から第5章まで、先ほどもお話がありましたが、働き方改革の加速化、学校の指導・運営体制の充実、教師の処遇改善の3点について書かれてありますけれども、これまでの議論の中でも繰り返して言われてきたように、この3つのことを一体的、総合的に推進していくことが何より重要だと考えております。
 そして、このことに関連しまして、学校現場の先生方から多かった声は、「処遇を改善していただけるのはありがたいし、それによって教師を目指す人も増えるだろう。けれども、今の学校現場の状況を考えて早急に取り組まなくてはならないのは、働き方改革を進めて仕事を減らすか、人を増やして仕事に余裕を生み出すかすることであり、子供たちへの質の高い教育を維持していくためにもこのことに真っ先に取り組んでほしい。」ということであります。3つのことはいずれも重要なのですが、学校現場の先生たちが最優先で求めているのは、子供たちとじっくり関わるための余裕や、新しいことを学び続けていくための余裕を持って仕事ができる環境であります。そして、学校現場の先生方と、こういう話になった時に、私が繰り返し申し上げてきたのは、この審議のまとめにも、第2章の14ページの一番下の丸の部分に書かれてありますように、働き方改革を国、都道府県、市町村、各学校といった各主体が、自分事としてその権限と責任に基づいて、主体的に取り組まなくてはならないということであります。
 そのためには、第6章に書かれてありますように、学校は学校で、市町村は市町村で、都道府県は都道府県で、国は国で、学校の仕事を効率化し、その質を確保しながら、仕事の総量を減らしていくために、あるいは、人を増やして、それを効率的に活用していくために、自分たちは何ができるのかについて、それぞれの主体で具体的に考え、PDCAサイクルを回しながら、その取組の結果を見える化して、その進捗状況を管理していくことが、ぜひとも必要であり、そのことによって初めて、それぞれの主体にとって自分事になると思っております。
 文部科学省におかれましては、今回の議論が一時のものに終わってしまうことがないよう、今回の審議のまとめにも示されている3分類に基づく業務の適正化の徹底でありますとか、あるいは校務のDXの加速化などの取組が一層進むように、各主体に対して周知徹底を図りますとともに、家庭や地域ともこの内容が共有されますように、継続的な広報、周知に努めていただきたいと思います。
 また、任命権者であり、給与負担者であります、都道府県教育委員会は、服務監督権者である市町村教育委員会や、その管理下にあります各学校と緊密に連携を図りながら、同じ方向を向いて、協力して、働き方改革を進めていくことが極めて重要であり、このことについてもしっかりと強調していただけるとありがたいと思っております。
 これまで業務負担の軽減についてお話をさせていただきましたけれども、最後に、処遇の改善の点についても申し上げますと、これまでの議論では、職責を踏まえた処遇の改善ということについて熱心な御意見があり、その点とても重要であると私も思います。これまでの議論の中でも述べさせていただきましたけれども、その中でも学級担任を持つかどうかということが、教員の職務の負荷に大きく影響を与え、在校等時間も長くなる傾向があるなど、同じ教員であっても担当する業務によって負荷は異なります。例えば、担任を持つ教員に対しては、その義務教育等教員特別手当の支給額をさらに増やすなどして、学級担任に対して、その職責を踏まえた処遇になるようぜひ進めていただきたいと思います。学校の先生方が高度専門職として誇りを持って働ける環境を、処遇の面からも整えていくということも重要な視点であり、改善により先生方のモチベーションにもプラスに働くものと思います。この点につきましてもどうぞよろしくお願いいたします。
 私からは以上でございます。
【貞広部会長】  ありがとうございます。学級担任のことについては、戸ヶ﨑委員からも再度御指摘をいただいたところでございますので、強調していただけるようにと思います。
 では、続きまして、会場から、藤原委員、お願いいたします。
【藤原委員】  ありがとうございます。国立教育政策研究所の藤原でございます。幾つか申し上げたいと思います。
 1点目は、素案の全体的な受け止めについてございます。超過勤務を抑制し、質の高い専門職たる教師を確保すべく、教職員定数の改善、支援スタッフの配置拡充、処遇改善、勤務間インターバルなど、意義ある取組を織り込んだ一体的な改革案を御提示されたことに感謝申し上げたいと思います。国民の理解と支援を得つつ、予算上、財政上の措置をぜひ講じていただきたいと思います。
 2点目は、変化を起こし得るという当事者の自信についてでございます。教師を取り巻く環境整備において、全ての当事者の総力が必要であり、また、まずは取り組むことを優先し、柔軟かつ機動的に見直しを進めていくという指摘は極めて重要だと私も受け止めております。また、今回、教職員と保護者、地域住民との信頼に基づいた対等な関係性ということに言及されたことは、私は非常にうれしく思っております。教師だからといって、理不尽な扱いについて我慢することはない。そういうメッセージもこの言葉には込められているんだろうと思っております。こうした各アクターの取組によりまして、多くの先生が教師を取り巻く環境が変わってきたという実感に加えて、自ら変えられたという自信を持てるようにすること、これが重要だと私は思っております。変えられたというところもぜひ盛り込んでいただければと思います。
 3点目でございますけども、学校の指導・運営体制の充実についてございます。37ページに、戸ヶ﨑委員からも御指摘ありましたけども、通級による指導について記載がございますけれども、平成29年に義務標準法が改正され、10年で計画的に環境整備が進んでおります。その状況も踏まえ、その在り方について、今後検討する必要があるのであろうと私は考えております。これについてもぜひ御検討をお願いしたいと思います。
 4点目は、学校事務の合理化、デジタル化の推進についてでございます。現在、自治体においてデジタル化というものが進展しておりますが、学校事務の合理化、デジタル化についてはまだまだ改善の余地が残されております。教育委員会による学校事務の合理化、デジタル化を推進する必要性について言及していただければと思っております。
 5点目は、高度専門職としての教師についてございます。今回の素案というのが、高度専門職としての教師という前提で書かれているところについて評価したいと思います。やっぱり専門職というのは、高度な知識というのを保持し続けて、一定の自律性を持って業務を遂行する職のことでございます。こうしたことから教師の自律的な学びや試行錯誤を応援するような、そして、学び合う学習組織を創造する管理職のリーダーシップについて言及しなければと思っております。
 最後になりますが、チームとして、学校という観点から、教員以外の学校職員も、全ての学校職員が子供のウエルビーイングに貢献し得ること、また、全てのスタッフの働きがいと働きやすさというものを配慮する必要があるということ、これについても言及していただいて、全ての職員が疎外感を抱くことのないよう御配慮いただければと思っております。
 以上でございます。
【貞広部会長】  ありがとうございます。
 では、続きまして、こちらも会場から、妹尾委員、お願いいたします。
【妹尾委員】  ありがとうございます。私からは、参考資料3というのが最後にありますけれども、もちろん要所要所だけお話しさせていただこうと思います。ペーパーに落としていないものも追加しながらお話しさせていただきます。
 取りまとめありがとうございます。ただ、現時点では素案ですので、全然、今回、今日が最終回ではないはずなので、よりバージョンアップできるところ、あるいは、一部、軌道修正したほうがいいと思うところをアイデア出しをしたいなと思います。全体を通じてというところは読んでいただければと思いますけれども、1ページ目の真ん中から下のほう、「追加してほしいのは」と書いていますが、やはり睡眠確保の重要性についてもう少し強調したほうがいいのではないかなと思います。
 それから、ここに書いていないことですけれども、やはり先生方のお話を聞いていますと、やはり、どんどん、忙しいので、こなす、こなすという感じになっているんですよね。指導書をさっと読んで、それでもう授業に臨まざるを得ないみたいな声も聞きまして、主体的で深い授業準備に全然なっていないみたいなところがあるわけですから、その辺りも含めて、やはり授業準備時間と学ぶ時間をきっちり勤務時間の中に入れられるような体制づくりというのを強調したいなと思います。
 1ページ目、あとは読んでいただければと思います。
 2ページ目に行きます。2ページ目の真ん中の辺りですけれども、今回、「見える化」、「見える化」というのがよく出てくるんですけれども、今起こっていることは、むしろ「見えない化」が起こっているという現状認識をもっと深く考えるべきだと思います。教員勤務実態調査で改善傾向があるものの、自宅持ち帰りも含めると、まだまだ長時間勤務の方は多いですし、しかも、その自宅持ち帰りが、ほとんどの自治体ではモニタリングからは外されているという問題があります。しっかりテレワーク等も可能にして、在校等時間のモニタリングに含めていくということをぜひ改めて入れていただきたいなと思います。
 次の下のほうですけれども、「時間外20時間程度を目指す」と書いてあるのは、一つの意気込みとしては理解できますし、現実的な部分もあるかとは思っておりますが、こう書くことに私は反対です。というのは、ここに書いてありますように、20時間程度ならいいでしょうと思われる方もいらっしゃいますし、あるいは、この部会では全くと言っていいほど出てきませんが、労基法は1日8時間以内、あるいは給特法も極めて時間外勤務を限定的にしているというような趣旨を生かすならば、本来は勤務時間の中で授業準備等をしっかりできる体制を、もう全力挙げてつくっていくぞというぐらいを書いたほうがいいことでありまして、この20時間というのはあまり書かないほうがむしろいいのではないかなと思っております。
 次に、3ページ目でありますけれども、「保護者との関係づくりでは」と2つ目のポツで書いておりますが、これはあくまでも例ですけれども、勤務時間の中で面談は行うとか、面談や電話は30分以内あるいは20分以内とか、やはり一定の方向性をもっと強く、国とか教育委員会のほうで打ち出さないと、なかなかこれは手離れしないというところなので、今回の取りまとめ案全体を通じて、例えば、こういった部分だけでも随分、教師の負担が軽減されるよということになれば、随分希望が持てる内容だと思いますので、この辺りもぜひ踏み込んだ記述を検討していただきたいと思っております。
 それから、下のほう、休憩時間の確保がほとんどできておりませんので、この言及はすごく大事だと思いますけれども、かと言って、サポートスタッフに給食を任せられるかというと、ほとんどの方が任せられないと、先生方も校長もおっしゃると思います。やはりフランスのように、こういう生徒指導の専門のスタッフをもっと配置するだとか、つくるだとか、そういうことも含めて検討していただきたいと思っております。
 3ページ目、勤務間インターバルですけれども、これは推奨する程度ではなくても、導入を強く求めるという程度のほうがよりいいかなと思います。理由は、こちらに書いたとおりでありまして、やはり健康確保がとても大事だということであります。あるいは、3ページ目の下から4ページ目のところは読んでいただければと思いますけれども、翌日に急に取れなくても、もう少し柔軟に措置することで、別にできることはあるかなと思いますので、ぜひ御検討いただきたいと思います。
 4ページ目の指導・運営体制ですけれども、これは文科省さんが書かれてあることに疑問なところがあるので、これはぜひ御検討いただいて、私の誤解があればまた指摘していただきたいですけれども。現状は、標準法ができたときと違いまして、できたときは、小学校でも1日4時間程度の授業だったという想定だったと思いますけれども、小学校では、26コマ以上を持っている人が約4割もいるという現状でありますので、やはりここで、勤務時間の中で授業準備をなかなかできないという話があります。しかも、昔と違って、チョーク・アンド・トークの、あるいは指導書どおりの授業では駄目ということになりますので、質の高い授業をするのであれば、この持ちコマ数の減というのはより重要視していただきたいなと思っているところです。
 次の5ページ目に行きます。処遇改善についてですけれども、これはいろいろ切り分けるのが難しいとおっしゃるところは分かる部分もある一方で、時間外に保護者対応をしているとかいうのは、しっかりマネジメントしていける話です。給特法が――ごめんなさい、言い間違えました。管理職の管理意識だとかを低めるような記述はやめていただきたいなと思っております。教師は、臨機応変さが求められるので、なかなか民間とか、普通の公務員のような時間外勤務の処置が難しいねというのは、そういう側面もあるかもしれませんが、むしろ臨機応変ならば、もっと健康確保をしっかりしていかないといけないというところもあると思いますので、この辺りもぜひ御検討いただきたいというところです。
 調整額10%以上については、誰もコメントされていませんけれども、果たしてこれで人材獲得上、プラスなのかどうかというのはまだ分からないというところですし、当時、4%、8時間の時間外を一つ参考にしたということであれば、今、少なくとも40時間はあるということであれば、20%あってもいいというような考え方もできるわけですから、この辺りも、もちろん言えば切りがないですけれども、考えていく必要があるかなと思います。
 次の6ページ目です。担任手当増については、私は反対の立場です。こちらに書いてあるとおりで、むしろ担任に依存し過ぎない、チーム担任制なども含めて考えていく必要があるので、むしろ担任の先生、頑張ってねということで、副担任の先生がちょっと遠慮されるとか、担任の先生が手当をもらっているんだからいいでしょうみたいな感じになってはいけないので、この副作用も含めてよく考えていただいて、本当にこれが必要なのかどうか考えていただければと思います。
 最後に、残された課題というところですけれども、大きく2つ。1つは、非正規雇用の先生方への支援策とか処遇改善ですとかということをぜひ重視していただきたいということです。繰り返しは申し上げませんけれども、今回のこの案で一番怖いのは、人件費が限られている中で、正規職は多少上がったとしても、非正規の方がすごく増えたり、あるいは処遇が低く押さえられたままですと、どんどん欠員補充がまたできなくなるという、どんどん悪循環に学校はなっていきますので、その辺りの危機感も私は持っております。もう1つ大きなところは、詳しくは申し上げませんけれども、労務管理が本当に機能しづらい制度的な問題。これは給特法を維持する場合は、ずっとこれが続いてしまいますので、もちろん在庫等時間のモニタリングで一部改善できるところは出てきてはいますけれども、この辺りもよく考えていただきたいと思っております。具体的には7ページ目に、対策も含めて書きましたので、繰り返しのところは申し上げません。
 最後に、労働基準監督の在り方について書いておりますけれども、これは県費教職員の多くの場合は、人事委員会を設置していないところは、労働基準監督は、市町村長になります。それではなかなかお忙しいので機能しないだろうとやはり思いますので、これは、私立は御案内のとおり、労基署の指導が入ってすごく改善しているという例もある中で、本当にこのままでいいのかということはぜひ検討いただきたいと思っております。
 すみません。長くなりましたけど、以上です。
【貞広部会長】  ありがとうございます。
 後ほどですけれども、事務局からもし応答があればということでお戻ししたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 では、続きまして、会場から、青木委員、お願いいたします。
【青木委員】  東北大学の青木でございます。これまでの審議を踏まえまして、すばらしいおまとめをいただきました貞広部会長、それから、担当課の事務局の皆様、もちろん審議開始以降、これまで担当課にいらっしゃった皆様にもお礼を申し上げたいと思います。その上で幾つか、若干修正をお願いするコメントを含めて、コメントを差し上げたいと思います。
 まず、私も「おわりに」は必要だと考えます。具体的に追記していただきたいことは、制度の社会実装を強く推し進める主体としての文部科学省ということを書いていただければと思います。給特法を立法したときには、何かあったら指導しますという局長答弁はあったんですけれども、やはり今や裁量性のある仕事に関わるいろいろな論点というのが出てきましたので、伴走支援、言ってみれば、しつこくずっと国から地方自治体に向けて伴走支援をするということが一つ大事ですし、教育委員会制度が変わりましたので、市長の首長の関与をどう巻き込んでいくかということも文部科学省には問われていくのではないかと思います。
 2点目です。検証に関わってですが、具体的には、26ページで、休職者に関わる記述がありますが、やはり休職者がこれだけ増えているということを個別のケースに立ち戻って検証する必要があるのでないかと。分析上のいろいろな制約があるかもしれませんが、そういうようなことが必要ではないかなと思いますし、書き込めるのであれば書き込んでいただければと思います。
 また、53ページにも今後の検証の方向性が書かれていますが、これはもう修正してくださいというコメントにならないかもしれませんが、可能な範囲でお受け止めいただきたいんですけども、やはり昨今はタイムカードや電子的な記録で、在校等時間が分かるようになっています。教員の在校等時間のデータの特徴点は、長いほうにロングテールなデータです。最小値がマイナスにはならずにゼロになるわけですので。これは何を意味するかというと、ばらつきが大きくなりやすいというデータの性質があります。つまり、自治体間、学校間、教員間の分析はやはり必要になってきますし、可能です。そういうようなことを踏まえて何か書き込んでいただけないかということです。
 3点目は、先ほども申し上げた裁量性のある仕事として、今回、改めて教員の仕事を位置づけたわけです。そうした場合に、やはり裁量性のある仕事をマネジメントによってしっかりモニタリングするという意味では、マネジメント体制という記述があることは非常にすばらしいことですが、他方で、セルフマネジメントと言っていいと思うんですが、それぞれ教員個々人が自ら裁量性のある仕事をどうやっていくかというようなことを、34ページの支援の部分に入れていいかどうかは分からないんですが、何らかどこかに書き込んでいただければなと思いました。
 最後になりますけれども、予算の必要な内容の記述がかなり入っていますので、やはりしっかり、財政当局と対話をしていただいて、さらに社会からの応援を得て、ぜひ予算確保に向けて取り組んでいただければと思います。
 改めまして、おまとめ、ありがとうございました。以上です。
【貞広部会長】  ありがとうございます。
 この後、全ての方に御発言いただくと恐らく6時を過ぎそうな感じですので、本当に恐縮ですけれども、多くの方に御発言いただけますよう、少し短めにお話をいただければと思っております。よろしくお願いいたします。
 では、善積委員、お願いいたします。
【善積委員】  はい。頑張ります。取りまとめ、ありがとうございました。
 まず、書いていただければなというところで、40ページの教員業務支援員の安定的確保とか、スクールカウンセラーなどの確保について必要があるという末尾になっているのですが、これまで議論が出ていたように、そういう方々の給与水準であったり、探す方法といった確保策のほうが課題であるかなと思っておりましたので、国や教育委員会がその確保を支援する、または確保策を検討すると攻めていった表記ができないかなと思っております。
 次に、ICTの活用について、いろいろなところでも記載がされているんですが、実際、ICT化を進めていこうとすると、トラブルシューティングだったり、メンテナンスのフォローが非常に大事になってきます。新しいアプリケーションを使ってみようとすると、うまく動かないなど、いろいろ出てきますが、現状はそれをICTに詳しい先生が対応されたりしているところも少なくないかと思っていますので、ICTを適切に運用ができる環境づくりが必要であるといった記載が、多分なかったように思うんですけれども、そこがつくれないかというところが2点目です。
 また、担任の手当についてでございますけれども、実は私も妹尾委員と近い意見でして、成り手がないということへの対応として手当があるというのは分かるんですけれども、これまで見てきた現場では、担任の対応の仕方によって逆に問題が多くなってしまうことであったり、トラブル対応をきちんとできずに学年主任がフォローされたりといった現場を見てきたことから、担任だから手当があるということだと、対応の仕方への違和感であったり、手当がない職務の教員との間での確執が起きないのかなということも懸念されています。むしろ、メッセージとして、チーム担任制であったり、専科教員の配置、保護者の対応を別に行える体制構築といった担任業務を軽減するメッセージをここにも書いていただけないかなと思いました。手当を入れるのであれば、評価をしっかりするということが大事だと思っていまして、私のイメージは、手当としてよりも、本人の育成の意図を込めてですが、評価しながら、賞与的な支給で対応する想像をしていたんですが、成り手の確保という1点で、手当というところも理解はできるというところですが、ほかの委員からも御意見があったように、ハラスメント的に運用するということは、あってはいけませんので、西村委員の御意見は前提としつつ、50ページにある評価のような、真に育成という目的のためにしっかり運用するというところを、担任手当というところも加算するのであれば、そういうこともしっかりやっていきますということがあってもいいのかなと思います。
 働き方改革というのは、制度上で改善していくのは当然ですけれども、教師の方本人がその必要性をしっかりと認識していただくことが本当に大事だと思っておりまして、18ページに学びの必要性というところも書いていただいているので、その辺りをもっと強調できないかと思いました。
 19ページには、文言の中に、「思い切って」という言葉が書かれておりまして、そこまで書かないといけないぐらいの現場の状況だということだと思いました。減らすことやなくすことへの不安感が大きいことの裏返しで、そこまでしなくてもいいんだよとか、同僚とか先輩であったり、管理職が言ってあげられるようなところで、チーム制が機能すればいいと思うんですが、その方たち自身が減らしていいんだろうかと思われるようなことがありましたら、それはもう改善は進みませんので、その働き方の基準として押さえるべき姿を、8ページに、長時間労働は子供のためにならないということを書いていただいていますし、チームとして対応することの重要性もいろんなところに書いているんですけど、それを冒頭に持ってきて、しっかりと強調していただくほどのメッセージはあってもいいかなと思っております。しんどいことを、しんどくなっている、そうなりそうな先生と一緒に考えて、今しなくていいことを考える文化。そういうのも認めていくような、何かそんなシナリオが書けないかなと思いました。
 以上です。
【貞広部会長】  ありがとうございます。
 途中から、委員の方の御意見にコメントしないで進めておりますけれども、決して無視しているわけではなくて、時間がないのでそのまま進めております。ありがとうございます。
 では、川田委員、お願いいたします。
【川田委員】  ありがとうございます。時間もありますので、考えてきたことの中から、特に述べたかった点が2点あって、これだけでも長くなってしまいそうなので、その2点に絞って述べたいと思います。
 一つは、この素案の第3章に関連して、学校における働き方改革の評価、とりわけ18ページの在校等時間などに関する部分です。まず一つは、やはりここで示された在校等時間の数字というのは、なお時間が長いという状態にあるということは言えると思います。この18ページの数字というのは、実態調査の中で、普通の学級、通常期と、休業期間、8月を併せたデータに基づいて1か月当たりの数字を出しているものと理解しております。参考資料の23ページを見るとそういうことだと思うのですが、そうなってくると、通常期、学期中の時間というのはさらに長くなるということになるのだろうと思います。
 この辺りは、上限指針においても、それから、上限指針の基になった労働基準法上の時間外労働、上限規制においても、1年と並んで1か月というような期間が重要であるし、また、通常期、学期中が先生本来の働き方をしている期間だと思いますので、そこを取り出すと、もう少し長くなるということも、これは文章として書くかどうかとかいう点とは別に、そこの注意が払われるべきだと思います。
 一方、参考としての比較ということですが、平成28年と令和4年を比べて、在校等時間数が約3割の減少になっている。あと、時間の縮減傾向という点では、働き方改革の成果というのはかなり現れていると見ることができるのではないかと思います。
 それから、今回の資料の中にはなかったかもしれませんが、以前に出された実態調査のデータの中には、全体の中で、在校等時間が長い方の比率がかなり顕著に減っているというようなデータもあったと思いますので、この辺りももう少し目が向けられてもいいかなと思います。
 労働基準法の下での時間外労働の上限規制などの一般的な働き方改革においても、業種によっては、例えば一定の適用猶予期間を設けて、昨今報道されているように、今年の4月から新たに規制が適用されるようになったということがあるように、両市の実情に合わせて、ある程度時間をかけながら取組を進めているという面があると思います。
 そういう観点からは、公立学校の職場というのは、率直に言って、かなり後ろのほうからスタートしたというか、スタートラインが後ろのほうだったというようなこともあると思いますので、そういうことを考えると、現状としては、理想的な状況にはまだ距離があるものの、成果が上がっていることも確か。やはり学校ごとの、この素案の第3章に挙げられた諸施策などを通じることで、特に、なお、長時間の方がいる点とか、学校ごとの取組に差がある状況がある点などに重点を置きつつ、今後、一層の取組の推進を図っていくということでよいのではないかと思います。
 全体として、まだちょっと長いということと、しかし、一方で、成果が上がっていると言える面があるということ、両方がそれぞれ強調されるような表現というのはあるのかなと思いました。
 それからもう一つが、第5章の46ページから50ページ辺り、章立てで言うと、括弧のない2番の(2)、(3)辺りの記述のうち、時間外勤務手当とか教職調整額などに関連した箇所についてです。この点は、前回の部会でも意見を述べましたが、この素案では、在校等時間の一層の縮減とか、全体的な教員の処遇改善を図るといったことが示されていて、専門職にふさわしい処遇という観点からは、こうした処遇施策を伴いつつ、教職調整額の仕組みを基本的に維持するという素案が示すような方向性というのは、基本的にはこういう方向でいいのかなと思っております。
 その一方で、47ページ、48ページ辺りの記述。この辺りは、教員の働き方の、専門性ということをうまくまとめられているところでもあるのですが、その中で、教員の勤務の自発性とか創造性、あるいは自主性、自律性といったような表現がやや強調される一方で、そのような働き方だと考えたときに、ある意味、裏側で注意すべき、長時間勤務に歯止めがかかりにくくなるような状況についての意識した記述というのが、それと比べるとやや少ないかなというような印象を持っています。
 具体的に言うと、一つは、給与の面で、教職調整額という形で、勤務時間の内外を通じた処遇をするとしても、その業務の管理とか時間管理の面では、正規の勤務時間の内外という点ははっきり意識されるべき。実際、給特法の下でも、超勤4項目の制度の下で、職務命令に基づく職務遂行については、正規の勤務時間の中と外ではっきり区別された制度になっているわけです。
 そういうことを踏まえて、例えば問題のある状況として、正規の勤務時間の内外を十分に意識しない形の職務命令が出されるとか、あるいは、正規の勤務時間内の職務に対しての命令という体裁で出されているんだけれども、実際、その内容が正規の勤務時間では到底終わらないという状況なので、結果的に、実質、職務命令に基づくと言える業務が正規の勤務時間外に行われる事態を避けるべきとか、あるいは明確な時間外勤務の命令はないものの、実質的に見れば、他律的であるような業務が正規の勤務時間外で行われるという機会をなくしていくべきというような方向性はよりはっきりと示されたほうがよいのではないかと思います。
 それから、長くなってしまっていますが、もう一つ、この点に関して重要な点と考えるのは、現在の給特法の仕組みの下では、課題として残されてきていると言える時間概念の明確化については、このようなまとめをする下でも、検討を停滞させずに進めていくという姿勢を何らかの形で示していくべきではないかと思います。
 今の制度の下では、先ほど述べたような給特法の下での超勤の制度の下で、超過勤務の時間という概念が一応関連できるし、また、上限指針に基づく在校等時間という概念もありますが、労働基準法が適用されるという観点からは、労働基準法上の労働時間という点も問題になるし、また、細かく言うと、労働法制の中で、長時間労働が問題になるような安全配慮義務の問題との関係では、業務の量的な過重性を測定するための安全配慮義務の文脈での労働時間といったようなものも関連される状況です。これらの内容とか、上限年間の関係がより明確に整理されて、場合によっては、制度上ももう少しシンプルな形でまとめるといったことが、働き過ぎへの歯止め、どの教員の働き方の適正化という観点からは法制度に対して求められていると言えるのではないか。現状は、この点も働き方改革全般と同様、その対応を図る途上にあるというような状況なのではないかと考えていますが、そういう中で、例えば一つだけ具体例を挙げるとすると、先ほど述べた安全配慮義務の文脈では、報告書でも21ページから22ページにまたがる脚注の47で一つ裁判例が紹介されていますが、ほかのものも含めた記載などの下級審における判断事例ですが、同様の事件の司法判断では、明示的あるいは具体的な職務命令に基づかない活動の時間であっても、業務の過重性を評価する者への対象という文脈では、労働時間に当たり得る。労働時間として捉えるというような考え方がある程度重ねられて、一定の傾向になっていると言える状況であり、こうした考え方が安全配慮義務以外の面にも及ぶのか等について、例えば整理、明確化の課題があると言えると思います。
 先ほど述べたような教員の働き方の特殊性があることは確かだとしても、そのことに言及、強調するのと同時に、教員の働き方の改善という観点からは、今挙げたような諸点についても同時に課題になる点として、もう少し報告の中でより強調されるようなことも考えられるかと思いました。
 以上です。
【貞広部会長】  ありがとうございます。
 では、続きまして、オンラインから、露口委員、お願いいたします。
【露口委員】  失礼いたします。露口です。審議の取りまとめ、誠にありがとうございました。簡潔に3点だけお話しさせてください。教員養成の現場から気づきをお話しいたします。
 1つ目が、メッセージの対象であります。先ほど来から議論になっておりますが、原則、広く社会全般ということですが、やはり学生であるとか、若手教員であるとか、現職の先生方に対する期待感、そして、変わってきたという実感ですね。これらが持てるような報告になるかどうかという、ここは大きなポイントだと思います。さらにもう1点強調するならば、教員候補者である高校生にも一定程度のメッセージ性を持った内容になるといいかなと思います。高校生に教師のすばらしさが伝わるような、そういった書きぶりを期待いたしたいと思います。これが1点です。
 2点目が、教職イコール高度専門職論というのが自明の前提になっておりまして、やはり専門職化とか高度専門職化というのはまだ過程にあると思いますので、その辺りについての現時点での取組であるとか、今後の方向性やビジョンのようなものも併せて記載されると良いと思います。専門職の議論もこの審議の中で出てきたと思いますので、もう1度整理いただけると良いと思った次第でございます。
 3点目が、ページの43の下のほうになるのですが、これは今、教職大学院生の中でも話題となっておりまして、令和6年度教員採用選考試験等の受験者から適用という、奨学金免除の話なのですが、これが読み方によって学生たちが迷っております。令和6年度教員採用選考試験といいますと、令和5年に実施された分と解釈することもできます。令和6年度に実施する教員採用選考試験なのか、昨年度実施した分なのかということが分かるような形で出さないと、混乱が生じる可能性があり、そうした危惧を抱いた次第でございます。
 以上でございます。
【貞広部会長】  ありがとうございます。
 では、会場から、植村委員、お願いいたします。
【植村委員】  全連小の植村でございます。まずは丁寧な取りまとめ、誠にありがとうございます。その中で特に強調したい点ということで、何点かお話をいたします。
 第1点ですが、まず、特に求めたいことということで、人材確保法を堅持するとともに、速やかな処遇改善が急務というところでございます。では、どのように処遇改善するかというと、資料の49ページ辺りになりますけれども、やはり人確法による給与改善後の優遇分7%というものを担保するということ。調整額の10%以上とありますが、数字については、根拠を持って、丁寧かつ慎重に検討することが大事だと考えております。いずれにしても、勤務実態を踏まえて、全ての教員に対して、十分引き上げていただけることをお願いしたいと考えております。併せて、処遇改善すればいいということではなくて、やはり働き方改革のさらなる工夫、改善を引き続きしっかりと進め、セットで一体的に進めていくということが大事だと考えております。
 2点目です。ページで言うと、38ページ、新たな職の設置についてでございます。これについては、東京都が独自に主任教諭制度というのを進めておりまして、現場の校長としての声ということで聞いていただければと思います。まず、新たな職を設置することは、教員のモチベーションの向上につながってよいと考えます。キャリアプランの中間的な道しるべになると考えるからです。さらに給料表上に、新たな級を創設し、処遇改善と結びつけることは意義があると考えます。また、東京都では8年目に受験ができるんですが、教員にとっては、この8年目の受験が明確な目標になっています。一定の仕事を覚えて、大変よい時期だからです。さらに、組織としても、主任教諭になったら、○○主任という役割を与えて、さらなる力量アップにつなげる。または経営参画意識を高めるというようなよさがあると考えております。
 3点目です。ページで言うと32ページ。持ち時数軽減についてでございます。これについては、特に小学校においては、中高に比べてかなり多いということが数字でも示されておりますので、速やかに行っていただきたいと考えております。
 時間はありませんが、項目だけ、あと3つほど述べさせてください。
 33ページ、小学校中学年、教科担任制については、ぜひ推進していただきたいと考えます。
 43ページ、奨学金返還支援の在り方についてですが、学部段階の学生にこそ、この支援をお願いしたいと考えております。
 最後です。51ページ、管理職の処遇改善についてですが、未来の管理職のためにも速やかな改善をお願いしたいと考えております。
 短い時間ですみません。よろしくお願いします。
【貞広部会長】  無理に短く発言させてしまいまして、申し訳ありません。ありがとうございます。
 では、こちらも会場から齊藤委員、お願いいたします。
【齊藤委員】  全日中の齊藤でございます。各委員の皆様にはここまで様々な御意見をいただき、事務局の皆様には素案の取りまとめについて、大変御苦労をいただいたことと思います。ありがとうございます。さて、特別部会の名前にもありますとおり、質の高い教師の確保の実現には、教師の働き方改革にせよ、部活動の地域移行にせよ、中学校制度が確立して以来、幾度となく課題が指摘されていたにもかかわらず、なかなか改革が進められなかったという事案の解決に向けて、素案の14ページの記述にもありますことをしっかりと実践して、着実な成果につなげなければ今後につながっていかないと考えております。
 今日、ここまで教育全体を取り巻く環境が加速度的に変化している中で、個々の教師が望む研修を受けられたり、自己研さんに励んだりできる環境が整うことで、教師が自ら資質を向上させる機会が保障され、主体的に学ぶ教師が育ち、教職の魅力向上が見通せることによって、質の高い教師の確保の実現に近づくと考えます。そのため、給与等の処遇改善ももちろんですが、教員の定数改善と並立させた制度の実現が肝要だと、ここで改めて申し上げます。また、諸業務に対する手当の支給については、特に担任については、勤務実態調査の確定値に基づく対応であり、これについては歓迎いたします。
 また、51ページにある手当も含めまして、支給する業務については、様々な実態を勘案するようにお願いいたします。
 そして、50ページ末と、37ページから書かれている新たな職の設置については、先ほど植村委員からもございましたが、教員のモチベーションを高めるという意味では、導入に全く異論はなく、実現について強く求めます。これまで小学校では35人学級が段階的に導入され、今回、32ページの最後のほうからもありますが、教科担任制を中学年から導入することが盛り込まれました。中学校については、35ページ末からありますように、不登校生徒の出現率が高いということから、学びの多様化学校への支援を拡充して、生徒指導に長けた教師を配置し、従来の負担軽減を図るとされています。こうした配置は大変にありがたいというところがあります。公立の中学校において出現率の改善がなかなか進まないという背景につきましては、小学校から不登校傾向にあった児童の多くが公立中学校に入学するということ。それから、入学当初は、本人が頑張り、なおかつ、保護者や学校側を支援することによって、改善の兆候が見られることは当然少なくありません。
 一方、公立ではない中学校で、新たに不登校になった生徒につきましては、ほぼ公立学校に転出せざるを得ない状況になり、公立中学校が受け入れる時点では、新しい環境への適応に係る支援や配慮を要する状況に陥った生徒が少なくない実態があります。このような状況下にある公立中学校において、個々の生徒が抱えるデリケートな課題を解決に導き、令和の日本型学校教育の構築、そして、個別最適な学びと協働的な学びを具現する方策としては、小学校の効果検証を待たずに、中学校における40人学級の改善、小学校の教科担任制に一定のスキルを有する中学校教員を活用したり、あるいは特定の教科における担当教師の確保が困難な傾向が顕著になりつつあることから、複数校の兼務を検討したりするなど、担当教科の授業時数のアンバランス改善のために、教科指導に係る業務の柔軟な扱いを拡充させることなどへの取組を推進することもお考えいただくことを強く要望いたします。全ての教師の負担とともに負担感が軽減される、このことが実感できる、速やかな制度整備を強く求め、処遇の改善の見える化が推進されるよう重ねて要望いたします。
 私からは以上です。
【貞広部会長】  どうもありがとうございます。この後も委員から御発言をいただきますが、すみません。御発言いただいた後に、一度事務局にお返ししたいと思っておりますので、申し訳ありませんが、10分から15分程度、マックスで15分だと思いますけれども、少し会議の時間が延びてしまうかもしれません。御容赦いただければと思います。進め方が悪くて申し訳ありません。
 では、次に、会場から、澤田委員、お願いいたします。
【澤田委員】  先生の幸せ研究所の澤田です。まとめ、ありがとうございます。具体的な学校の業務削減のやりにくさの根っこの一つは、勤務時間管理は服務監督教育委員会であるにもかかわらず、具体的な業務の多くの意思決定は各学校だというねじれがあることだと思っていまして、こうした姿を多く目の当たりにする現場コンサルタントとして、また、元教員としてできるだけ実行に移されるために必要なことをこれまでの審議でお伝えしてきたつもりです。現場で見る姿とすれば、朝の開門時間を勤務開始時刻以降にすることについて、教育委員会から検討してねと伝えても、同じ地域内でも、動く学校と動かない学校に二極化するということがざらにあります。
 ですので、学校に大きな時間を生む、大幅に上回る時数の見直しを前提にということを、今回まとめの中に改めてまた記載いただいたのはとてもよかったと思っています。夏の緊急提言と大臣メッセージでも出していただいたので、それがとても現場にとってよりどころになって、現場を見ていて、多過ぎる時数の削減が夏以降、進んだという実感があります。現場は、こうした旗印とかよりどころを求めているということを実感しましたので、このまとめもそうしたよりどころとなることを期待しています。
 同じく時数についてですけれども、週当たりの単位時間についてもまとめの中に書いていただいています。学校には、29単位時間の授業を行う必要があるという認識があるということ、これは現場を硬直化させている誤解があるということだと思います。ここまで具体的に触れていただいたのはすごくよかったなと思っています。
 同じく時数についてです。ただ書きぶりを検討いただきたいなと思ったのが、同じ20ページの中ですけれども、真ん中辺りです。標準時数を大幅に上回って、教育課程を編成している所管の学校がある場合には、指導体制に見合った計画とするなど、改善が適切に行われるよう速やかに指導・助言を行う必要があると。本当にそのとおりだとは思うのですが、現場ではまだまだ、教育委員会の指示がないから時数について検討できませんと言う管理職にもいまだに出会います。こうした誤解を持った管理職の方が、これを見たときに誤解を深めてしまうのではないかなということを懸念しています。その上の直前のところには、学校が決めてよいのだというようなことは書いてくださってはいるんですが、そうした懸念があるので、もう少し各学校の権限があるということを強調した書き方にできないかなと思いました。
 また、いわゆる3分類についても、同様に誤解があることだとか、よりどころとなるような記載が欲しいと思いました。ただ、この3部類をはじめとした業務削減についても、あるいは上限指針とか勤務間インターバルにしても、示すだけでは駄目で、効力が発揮されるかどうかが大切です。服務監督教育委員会にとっても、校長先生方にとっても、二極化とかこぼれ球のままで仕方がないんだとか、このままでいいやという状態ではなくて、時間とお金といったコストをかけてでも、こぼれ球を拾いに行かなきゃいけないんだとか、できるんだという状態にすることが必要だと思っています。それが時間外勤務時間の公表というのがよいプレッシャーになることを期待しています。また、近隣地域の進み具合がそれによって可視化されますので、近隣地域から学ぶといった実効力も高まるのではと期待しています。
 それから、PDCAサイクルを回すことについても記載いただいてよかったなと思っていますが、ただ、こぼれ球のままでいいという意識の教育委員会のままでは、学校を追い詰めるだけです。域内一律で、例えばトップダウンで何か削減、縮減するならするとか、しないんだったら学校のPDCAサイクルを助けるという、これまでありがちだった学校への点検と指導だけで終わってしまうというようなことではない伴走型の教育委員会というのがこれからの教育委員会の役割だということも記載いただけたらと思いました。
 それから、担任手当、先ほどから委員の方々から意見が出ていますが、私も実はどうかなと思っていまして、現状の担任業務の方を認めることになってしまい、今後、チーム化していくことに逆行するのではないかと懸念しています。
 また、最後のほうですね。まとめの最後のほうで、学習指導要領についてなども今後の検討事項としていただいたことにも希望を感じました。国の権限でできることについて、時代に合わせて柔軟に変化するという率先した姿を引き続き見せていただきたいなと思います。
 最後ですが、社会の変化も速いですし、政策のPDCAサイクルを回すという意味でも、給特法の在り方や、本まとめを受けての成果と課題について、数年ごとなど、小まめに継続的に振り返って、これっきりにしないという取組の見直しを図っていくことをお願いしたいと思います。
 以上です。
【貞広部会長】  ありがとうございます。
 では、お待たせしました。会場から、金子委員、お願いいたします。
【金子委員】  発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。連合の金子です。
 まずは私からも、この間の議論、素案として取りまとめていただいた事務局には、本当に心から敬意を表したいと思います。ありがとうございます。今回の特別部会の目的であるよりよい教育のために、教員の働き方の見直しと、そして、処遇の改善を中心に論議してきたと思っています。もう取りまとめの段階ですので、精神論ではなくて、実効性を担保する観点から、幾つかあるうちの、2点だけ発言させていただきたいと思います。
 1点目は、長時間労働の是正、教師の健康、福祉確保について。とりわけ在校等時間の位置づけの明確化についてです。13ページに、教師のこれまでの働き方を見直して、長時間労働勤務の是正を図ることで、教師の健康を守ることはもとより云々という記載がある。これはまさにそのとおりだと思います。それを具現化、実現していく上で、また、ほかの文書のところには、長時間勤務の是正については、現状取組の延長線上のPDCAサイクルの構築を中心に提言されているわけでありますけれども、これは前回からの答申、5年経て、過労死ラインを超える教員が中学では3割を超えていると。精神疾患による長期療養をする教職員は2年連続で増加している。こんな状態は、これはもう見過ごすことはできないと思っています。教師の健康と福祉の確保については、例えば給特法に在校等時間の概念を規定して、在校等時間を労働安全衛生法の労働時間とみなした上で、安全配慮義務を課していくということを検討いただけないかと思います。
 その上で、人事委員会が労働基準監督機関としての職権を十分行使できる体制も併せて強化していくと、こういうことをぜひ検討いただきたいと思います。また、勤務間インターバルの促進についても言及はありますが、現実的にはハードルが高いと思っています。ですので、まずは、時間外の45時間を超える教員に対して、代償休暇について制度化をするとか、そちらの検討もしていただければなと思います。
 2点目は、教職調整額についてです。50ページのところには具体的な数字もありますが、教師の処遇改善に向けて原資を増額する方向を示されたということは一定の前進だと評価しています。ただ、この段階で、10%以上というふうに「以上」がついているものの、この10%という教職調整額の水準が示されたということに違和感を正直感じています。この部会では、具体的に財政当局から取れるか、取れないかという話は置いておいて、やはりあるべき姿をここは論ずる場だと思いますので、あえてこの先を申し上げるならば、現行の4%というのは、当時の超過勤務時間、約8時間相当分ということで設定されたということを踏まえると、この10%というのは、換算すれば20時間に相当します。ただ、資料にもあるように、現在の実態というのは、小学校で41時間、中学で58時間というふうに、これは大きく実態と乖離していると言わざるを得ないと思います。現状のこの超過勤務相当の在校時間等があるのであれば、業務に見合った評価としても、これは単純計算ですけども、あるべき水準は20%以上になるわけでして、したがって、10%以上というのがあるべき姿として、これで十分だと誤認される懸念もあるのではないかと思っています。
 逆に、提示されている10%というのが、将来の超過勤務時間を20時間に抑えていくという強い意志の表れだと示すのであれば、これはいつ改善されるのかということにもなり、その間は、いわゆる民間なり、一般公務でいえば、この不払い残業の実態が長く続くということにもなってしまうとも言えます。したがって、もし10%とするにしても、この在校等時間を早急に20時間とするためのロードマップも併せて示していただくということも必要ではないかと考えておりますので、ぜひ検討いただきたいと思います。
 さらには、本文にあるように、人確法の趣旨を踏まえれば、働いた見合い分を充足した上で、さらに一般公務員との優位性を保つ水準を上積むべきとも思いますので、それが一体、何%が妥当なのかといったところもぜひお示しいただければなと思っております。
 まだ言いたいことはあったのですが、時間の制限があるので、いつも申し訳ないですが、今回だけは特に重要な局面ですので、ぜひこの後、意見書か何かを出す機会をいただければなというふうに、これは部会長にお願いしたいと思います。ありがとうございました。
【貞広部会長】  ありがとうございます。大変重要な御指摘をいただいただけではなく、御提案をいただきました。前向きに検討させていただきたいと思います。どうもありがとうございます。
 それでは、一度事務局にお戻ししたいと思いますが、財務課長、いかがでしょうか。
【安井財務課長】  皆様から多くの御意見、御指摘を頂戴しまして、本日も御審議、大変ありがとうございました。事務局から、今日御審議いただきました関係で、事実関係の部分について、何点か補足で御説明させていただきたいと思います。
 まず奨学金の返還免除に関する規定の部分につきまして、令和6年度ということで、令和6年度教員採用選考等の受験者から適用するという記述が43ページのほうにございました。これがどの年度から適用されることになるかという御指摘ございまして、こちらは令和7年度に採用される方を対象とするということで、教員養成部会のほうで御審議がまとめられたという考え方というところでございます。
 また、妹尾委員から御指摘いただきまして、非正規の任用形態の職員の方々に対する処遇の改善ということの必要性も御指摘をいただいたところでございます。本日、御審議で御覧をいただきました素案の中で書かれている事柄につきましては、これは任用形態を問わず、御指摘の非正規任用の方についても基本的に適用される改善策ということになろうかと考えてございます。
 それから、給食指導についてのところにつきまして、教員業務支援員の活用ということについて御懸念をいただいたところでございました。こちらにつきましては、文章上の表現の部分で工夫の余地があるかなと思いますけれども、給食指導について教員業務支援員の方々の活用という趣旨で書いたものがなかったところでございましたので、そちらについて補足させていただきます。
 それから、学級担任の方に対する処遇ということについての御議論もございました。こちらは参考資料1のほうで、32ページ、33ページのほうで、学級担任をされていらっしゃる方と、学級担任外である教師の方々との在校等時間の比較のデータということも、教員勤務実態調査の結果の分析ということで掲載させていただいているところでございます。全体講習を通じまして、やはり学級担任をされていらっしゃる方々については、在校等時間は全般的に長いということが、データ上、明らかとなっておりまして、こちらはまた34ページのところでございますが、これも以前の会議でも御覧いただきましたが、そういったことの背景といたしまして、担任をなさっておられる教師の方々の業務ということで、担任外の方々と、また違う業務を担当いただいている状況も背景としてあるのかなというところでございます。
 以上、御審議の御参考ということで、補足させていただきました。また、本日、御指摘頂戴いたしましたことを踏まえまして、部会長と御相談をしてまいりたいと存じます。
【貞広部会長】  ありがとうございます。本日は、審議のまとめ(素案)に対して大変多くの御意見をいただきました。いただいた御意見を踏まえ、素案を修正し、審議のまとめ案とした上で、次回、改めて御議論いただきたいと思います。また、非常に短い時間で御発言いただいていて、本来発言するべき、したいと思っていらっしゃることをなかなか十分発言できない委員ばかりであったのではないかと思います。その点については、事務局宛てにメールをいただき、御意見をいただくということと併せまして、金子委員から御提案を受けました意見書等についても検討させていただきたいと思っております。
 最後に、時間がないところで恐縮ですけれども、私にもお時間を少しだけいただきたいと思います。本部会では、昨年5月の文部科学大臣からの諮問を受けまして、学校における働き方改革、学校の指導・運営体制の充実、教師の処遇改善、これらの論点について、今日で12回目の議論を重ねていただいているところでございます。これらの論点の中でも、教員の処遇、とりわけ給与の問題に社会の注目が集中する傾向があるやに存じますが、それぞれの論点は、単独かつ独立して存在しているというよりも、相互に絡み合って連動していると考えております。それゆえ本部会でも、それぞれの論点を段階的に、しかしながら、他の論点と関連づけつつ議論していただいているところです。こちらをお読みいただく方にもぜひ複眼的、総合的にお読みいただきたいと考えているところです。
 また、こちらのまとめ(案)でございますけれども、こちらが見据えているのは、決して現時点ではございません。これらに書いてあることがいかに実装できるか、実装できる条件を整えられるかというところにあると思います。この点では、金子委員からいただいた工程表ロードマップをしっかりと共有していくということも大変重要だと思いますので、この点も部会長としてぜひ引き取らせていただきたいと思っております。
 以上、私の仕切りが悪くて大分延びてしまって申し訳ありませんでした。
 以上で、本審議会、本会を終了したいと思います。
 最後に次回の予定について事務局からお願いいたします。
【堀家財務課長補佐】  本日も大変充実した審議、誠にありがとうございました。本特別部会の次回の日程につきましては、現在調整中でございまして、追って事務局から御連絡させていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
【貞広部会長】  ありがとうございました。
 それでは、本日の議事は全て終了いたしました。これで閉会といたします。どうもありがとうございました。

── 了 ──

■会議終了後に頂戴した御意見
【澤田委員】
在校等時間の公表では何を公表するべきかについてです。在校等時間の平均値だけでは弱いかと思います。 命を必ず守るという観点から、80時間を超える教員の割合の公表も強く求めていただきたいです。 業務量の現状の公表について何を公表するべきかについてです。具体的で目に見える業務削減につなげることと、取り組みの優先順位を国として示すためには、従来から強調されてきた3分類14項目の取組状況は必須とすることが必要だと考えます。