生涯学習分科会(第131回) 議事録

1.日時

令和6年5月24日(金曜日)17時00分から18時00分

2.場所

文部科学省「第二講堂」(旧庁舎6階) ※WEB 会議併用

3.議題

  1. 第12期生涯学習分科会の議論の整理
  2. その他

4.出席者

委員

(分科会長) 清原分科会長
(副分科会長) 萩原副分科会長,牧野副分科会長
(臨時委員)熱田委員,大久保委員,大平委員,沖畑委員,加藤委員,小路委員,古賀委員,澤野委員,関委員,辻委員,野田委員,野津委員,浜田委員,松本委員,山内委員,綿引委員

文部科学省

(事務局)望月総合教育政策局長,八木社会教育振興総括官,平野文部科学戦略官,滝波政策課長,石橋生涯学習推進課長,高木地域学習推進課長,安里男女共同参画共生社会学習・安全課長,今村日本語教育課長 他

5.議事録

中央教育審議会生涯学習分科会(第131回)

令和6524

 

 

【清原分科会長】  皆様,こんにちは。定刻になりましたので,ただいまから第131回中央教育審議会生涯学習分科会を開催いたします。

 全国では夏日のところも多い中,御多用中,御参加いただきましたことに感謝を申し上げます。

 本会議は対面とオンラインのハイブリッド方式で開催をしています。本日もユーチューブ上で報道関係者等の傍聴を受け入れております。報道関係者等より会議の全体について録画を行いたい旨の申出がありまして,許可をしておりますので,どうぞ皆様御承知おきください。

 次に,事務局から,本日の会議の運営に当たりまして,留意事項の説明及び配付資料の確認をお願いいたします。

【粟津生涯学習推進課課長補佐】  本日はオンラインを併用する形で開催させていただいております。何とぞ御理解のほどよろしくお願いいたします。

 オンライン会議を円滑に行う観点から,4点ほどお願いさせていただきます。

 1点目,御発言に当たっては,インターネットでも聞き取りやすいよう,はっきり御発言いただきますようお願いします。

 2点目,御発言の際には名前をおっしゃっていただきますようお願いします。

 3点目,御発言事以外は,マイクをミュートにしていただきますようお願いします。

 4点目,発言に当たっては,挙手ボタンを押していただき,御発言後はボタンを解除していただければと思います。お手数をおかけしますが,よろしくお願いいたします。

 本日会場にお越しの委員の皆様は,御発言の際に挙手又はネームプレートを立てていただきますようお願いします。すみません。可能であれば,この画面を自分のお顔が映るようにして発言いただけると有り難いと思います。

 続きまして,資料の確認をさせていただきます。議題1,第12期の議論の整理の関係で,資料1112,資料2122,資料3を御用意しております。また,参考資料12を配付しております。

 事務局からは以上でございます。

【清原分科会長】  ありがとうございます。皆様御確認ください。

 それでは,本日の議題は「第12期生涯学習分科会の議論の整理」でございますが,初めに,社会教育人材部会で御議論いただいております「社会教育人材の養成及び活躍促進の在り方について(最終まとめ案)」が提出されておりますので,この点について御説明をいただきたいと思います。

 まずは,部会長の牧野委員から最終まとめ案についてコメントをいただいた後,事務局からその内容について説明をいただきたいと思います。それでは,牧野委員,よろしくお願いします。

【牧野副分科会長】  ありがとうございます。よろしくお願いいたします。社会教育人材部会の部会長の牧野です。よろしくお願いいたします。

 昨年の5月に,こちらの第12期生涯学習分科会の下に,社会教育人材の養成及び活躍促進の在り方について議論をするために社会教育人材部会が設けられました。先ほど,午後3時から430分までですけれども,第9回の人材部会が開かれまして,そちらで今回の最終まとめ案がまとまってまいりましたので,簡単に御報告を差し上げたいと思います。

 具体的な中身に関しましては,事務局の高木課長から後ほど御紹介いたしますけれども,部会長として一言御挨拶をしたいと思います。

 今回,社会教育人材部会,特に社会教育主事のとらえ返し,さらには,もう4年前になりますでしょうか,社会教育士という称号の制度が実施され,それを受けて社会教育人材の在り方について議論するということで,この部会が設けられました。1年間に9回という非常に精力的に会議を開催して,議論を進めたわけですけれども,その過程で,前回,中間まとめとして,社会教育人材の育成といいますか,養成を重点的に議論しました。その後さらに,活躍促進の在り方を議論する中で,今回の最終取りまとめに至ったという経緯があります。

 個人的には,社会教育の従来の議論というのは,行政論,それから実践論は多くあったわけですけれども,いわゆる人材論といいますか,担い手論といったものが十分ではなかったのではないかと感じておりました。それが今回,社会教育士という称号の制度ができることによって,非常に幅広く社会に受け入れられていくということがあって,それをどう受け止めながら新しい担い手論として展開していくのか,そんなことが今回のこの部会の議論で深められたのではないかと受け止めております。

 その意味で,今回のこの最終まとめは,不十分なところはたくさんあるかもしれませんけれども,今後の社会教育の在り方について,ある種の方向性を出すことにつながっていくのではないかと期待しております。

 特に第4期の教育振興基本計画で,社会教育概念の再定義のような議論になってきております。特に地域社会における人々のつながりや関わりの土壌を耕すというのが社会教育の役割であること,そして,そうした地域社会の在り方が大きい社会の基盤にもなっていくということが,第4期教育振興基本計画では明記されています。その意味では,この社会を人々総がかりでといいますか,それぞれの人々が自分事化していくということにおいて,社会教育はとても重要だという指摘になっています。それをどう社会に実装し,推進していくのかというときに,今回のような社会教育人材に関する議論が必要であったと理解をしておりますし,この議論の結果,一つの方向性が出てきたのではないかと考えております。

 後ほど,高木課長から具体的な御紹介をさせていただきますけれども,こちらの分科会の委員の皆さんにも,人材部会での議論に関しまして,御意見またコメント等いただければと思っておりますので,よろしくお願いいたします。

 以上です。ありがとうございました。

【清原分科会長】  それでは,高木地域学習推進課長より,資料11及び資料12をお手元に置いていただいて,御説明を伺いたいと思います。よろしくお願いします。

【高木地域学習推進課長】  地域学習推進課長の高木でございます。

 今,牧野副分科会長からお話がありましたとおり,この前の時間帯で社会教育人材部会がありました。資料12で御議論いただきまして,幾つか委員の先生方から御意見をいただいたところでございますけれども,牧野部会長に一任されたところでございます。こちらの中身に関しましては,前回の生涯学習分科会で議論の整理で意見いただいたものにつきましても反映させていただいているところでございます。内容につきましては,資料11のポンチ絵のほうで御説明させていただきます。

 1ポツとしまして,社会教育人材が取り巻く状況と社会教育人材の果たす役割への期待ということで,社会教育人材をハブにした人づくり,つながりづくり,地域づくり実現に向けまして,現状把握としましては,(1)としまして社会教育の裾野の拡大ということで,今までの社会教育委員会だけではなくて,首長部局や民間企業などに広がると,多様化しているといった中での社会教育の裾野が拡大する中で,社会教育人材の質的な向上,量的な拡大が重要としたところでございます。

 (2)としまして,社会教育主事・社会教育士の役割・期待としまして,社会教育主事は地域全体の学びのオーガナイザー,社会教育士は各分野の専門性を様々な場に生かすオーガナイザーだと位置付けさせていただきまして,社会教育主事が地域における社会教育全体を俯瞰して地域の社会教育人材ネットワークを構築・活性化する役割を担うことが重要というふうに整理いただいているところでございます。

 (3)としまして,社会教育人材の確保の必要性といったところでございまして,幅広い人材にとって受講しやすい社会教育主事講習・養成課程の実現が極めて重要というふうにまとめていただいているところでございます。

 どういった形で人材を養成するかということで,2ポツでございまして,社会教育人材の養成についてということで,(1)社会教育人材に求められる能力・知見といったところでございまして,地域における学びと実践活動の循環を効果的に進めるために必要なコーディネート能力,ファシリテーション能力,プレゼンテーション能力などの様々な活動において汎用的に活用し得る能力の習得が求められるといったことと,多様な主体と連携・協働性を図りながら学習成果を地域課題等につなげていくための知識・技能を習得することが必要ということ。

 (2)としまして,社会教育人材養成の在り方ということで,主事講習・養成課程の修了は社会教育人材のエントリー条件ということで,様々な実務経験を積むに当たっての重要となる基礎的な能力・知見等を身につけることに比重を置くことが重要。その講習・養成課程の修了後も,実務経験や研修等におきまして段階的な人材養成を経て任用することが望ましい方向性の一つといったところでございます。

 また,講習・養成課程の修了後におきましても,多様な研修機会等の確保とか社会教育人材ネットワークの活用を通じまして資質向上を図っていって,その活躍を促進していくことが必要ということに整理していただいているところでございます。

 1枚おめくりいただきまして,3ポツが社会教育人材の養成に係る具体的な改善方策ということで,まずは主事講習の定員を拡大していきましょうといったことでありましたりとか,多様で特色のある受講形態の促進等による受講者の選択肢の拡大といったところで,オンライン・オンデマンドの講習の拡大でありましたりとか,1から4科目の開設を講習に関しましては可能とするといったことでありましたりとか,養成課程におきましても,教職課程を含めた他の分野専攻の学生が履修しやすいような取組を進めるといったことでありましたりとか,講習等の質のさらなる向上に向けた各機関の取組を共有するために,国としては意見交換の場を設置して継続的に進めていくといったことでありましたりとか,講習受講資格を通知等で明確化していくといったことでありましたりとか,社会教育に関する民間資格等取得者の一部科目代替につきまして,その認める基準の検討を進めるといった形で整理していただいているところでございます。

 養成に関わる具体的な改善方策を受けまして,4ポツでございますけれども,社会教育人材の活躍促進に係る具体的な改善方策ということでございまして,1つ目としまして,社会教育主事の配置促進ということで,国として好事例の周知を図っていくということでありましたりとか,講習におきまして任用予定者の受講枠の確保等を進めるといったことでありましたりとか,社会教育士の活躍事例の収集やロールモデルを提示していくといったことでありましたりとか,あと,社会教育士の認知度の向上やその有用性の周知,活躍の場を拡大していく,地域学校協働活動推進員としての登用を図っていくといったことでありましたりとか,指定管理のための選択的な条件とするといったことでありましたりとか,ここに例示がありますけれども,「社会教育士×学校連携」,「社会教育士×まちづくり」といった形で社会教育士を称する際に自らの専門性を付記するといったことなんかも書かせていただいているところでございます。

 次が,社会教育人材のネットワーク化といったことで,全国規模,地域単位,同窓型のネットワークを進めていくといったことでありましたりとか,あと,旧制度における受講生の積極的な社会保育士の称号付与ということで,一部指定科目の更に受講しやすい環境を整備していくといったことでありましたりとか,修了証書の在り方につきまして,社会教育の称号が付与された旨を明確化していくといったことでありましたりとか,あと,引き続き継続的な学習機会の確保といったことで,国・地公体が行う研修のオンデマンド配信を推進していくということでありましたりとか,デジタルバッジの活用についての調査検討を進めるといったことで,具体的な方向性を規定した上で,5ポツの終わりでございますけれども,社会教育人材の位置付けでありましたりとか養成の在り方,活躍方策につきましては,様々な観点から議論の継続を期待していくという形でまとめていただいたところでございます。

 以上でございます。

【清原分科会長】  高木課長,ありがとうございます。

 なお,この社会教育人材部会には,牧野副分科会長に部会長を務めていただいたとともに,古賀委員,関委員,野津委員にも参画をしていただきました。感謝いたします。

 それでは,ただいまの報告を受けまして,本日の議題であります「第12期生涯学習分科会の議論の整理」に移らせていただきます。第12期の議論の整理は,これまで委員の皆様から御発言をいただいた内容を踏まえ,事務局において加筆・修正していただいたものになります。前回の会議でお伝えしたとおり,今回の会議で最終的に議論の整理をまとめたいと思っております。

 また,正副分科会長で副題についてお引受けをいたしました。本日,資料21,資料22にともに副題もつけさせていただいております。「一人ひとりが主体的に学び続ける生涯学習とそれを支える社会教育の未来への展開;リカレント教育の推進と社会教育人材の養成活躍のあり方」と少々長くなっておりますが,今期,皆様御案内のとおり,ただいまの社会教育人材部会も設置するとともに,リカレント教育についても集中的に検討いたしましたので,それを明示する形で副題をつけさせていただきました。

 それでは,この副題を含めまして,内容について御検討いただきたいと思いますので,まず,事務局の石橋課長から御説明をお願いいたします。よろしくお願いします。

【石橋生涯学習推進課長】  ありがとうございます。具体の文章のほうを最終確認いただきたいと思いますので,資料22を御覧いただければというふうに思います。

 まず,副題については,今,分科会長がお読みいただきましたので,これについてまた御議論賜れればというふうに思っております。

 めくっていただきまして,最初のほうはあまり追記をしておりませんが,細かいところまで御説明いたしますと,7ページ目でございますけれども,この議論の中にも小路委員をはじめとして企業の方々に入っていただいておりますので,ここにも民間企業の方々の具体的なアクションを期待するという意味において追記させていただいております。

 それから,次のページ,8ページでございますが,少子化人口減少社会という中で,超高齢社会ということも言われておりますので,これを加えさせていただいております。

 それから,8ページの下のほうでございます。辻委員から,また清原分科会長,そして牧野副分科会長からも,一人一人が求める多様な学びを互いに尊重し合いながらという御発言が前回ございましたので,追記させていただいております。

 次,11ページを御覧いただければと思います。同様の趣旨で真ん中のほうに入れさせていただいておりますので,御確認いただければと思います。

 11ページからは,少し言葉の整理というところでございますけれども,「少年期」というよりは「児童期から」というところで整理をさせていただいたことと,初等中等教育のところも,幼児教育からちゃんと考えていくべきだというのは松本委員からもしばしば御発言いただいておりましたので,「子供」という言い方で整理をさせていただいております。

 沖畑委員からいただきました,学習内容を人生や社会の在り方と結びつけて深く理解しながらという観点,それから,松本委員からいただきました,子供が主役になっていくというところも必要であろうということも書かせていただいております。

 そして,13ページに行かせていただきまして,前回,博士人材の活躍プランについてこちら文科省からも発表させていただきましたけれども,小路委員からも発言いただきましたので,その点も追記させていただいておりまして,産業界において博士人材のさらなる活躍が期待されるというところでございます。

 めくっていただきまして,14ページでございますけれども,こちらも小路委員からの御発言を書かせていただいておりますが,現役世代からのリカレント,アップスクーリングのみならず,リベラルアーツ教育が大事というところを書かせていただいたことと,あと,牧野分科会長からいただいておりました,退職後の在り方についても,個人のウェルビーイングを実現するという観点で書かせていただいております。それを受けまして,幅広い世代を対象とするリカレント教育の中でもということを付け加えさせていただいております。

 15ページも小路委員の御意見でございますが,「人的資本経営の考え方が」と,これは大きな変化でございますので,書かせていただきました。

 それから,少し飛ばしまして,19ページは簡単な整理でございますので,飛ばさせていただきます。

 22ページを御覧いただければと思います。まず,専門学校のところ,前ページから続いておりますけれども,こちら大平委員から法改正の趣旨はしっかりと成立した後には書いてほしいという御発言をいただいておりまして,まだ参議院の審議がこれからというところでございますので,こちらは分科会長と御相談をして,法律が成立した後の修正をさせていただければというふうに思っております。

 それから,デジタルバッジについては,日本語教育課のほうで,実際,日本語教員の自己研さん研修が終了した後に,デジタルバッジの活用ということを既に進めていただいておりますので,これも明記させていただきました。これは委員の御意見というよりは事務局のほうで追記させていただいたものとなります。

 それから,25ページを御覧いただければというふうに思います。浜田委員,加藤委員から,日本語教育のところについて,お二人からしっかりと御意見をいただきました。この文,1パラグラフを追記するということで準備させていただきましたので,御確認いただければというふうに思っております。

 それから,27ページのところは,市町村・都道府県ということを明示したほうが分かりやすいところがございましたので,そのようにさせていただきました。

 最後,29ページ,一番大事な今後の展望のところでございますけれども,萩原副分科会長から,子供や若者,社会人,高齢者など年齢を問わず全ての人が主体的に学ぶというところを強調いただいておりましたので,それを入れさせていただきました。また,多様な他者に寄り添うという観点も入れさせていただいております。

 それから,関委員,牧野副分科会長にいただいておりました社会教育人材の質的向上・量的拡大を図るとともに,担い手育成の第一歩としてというところも書かせていただいております。

 それから,コミュニティーの交流のところ,少しここは整理をさせていただいておりまして,最後に,子供真ん中社会の実現,共生社会の部分の分科会長の御意見も入れさせていただいてまとめさせていただいたというところでございます。

 私からの説明は以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【清原分科会長】  石橋課長,ありがとうございます。

 今御説明いただきましたように,この間,原案に対して数回にわたり委員の皆様から御意見をいただいたものを最大限反映する形で議論の整理をしてまいりました。しかしながら,最後に,本日取りまとめに当たりまして,皆様から更に御提言あるいは補強する点などいただければ有り難く思います。

 オンラインで御参加の皆様は挙手ボタンを押してください。そして,会場の方はネームプレートを立てていただくと有り難いです。どなたからでも結構でございます。御意見をお願いします。それでは,古賀委員,お願いいたします。

【古賀委員】  ありがとうございます。

 細かいことなのですが,「子供」という表記について,漢字で表記されていますが,一般的には「子」は漢字で「ども」を平仮名にしたり,最近はこども基本法もできて,国のほうでは平仮名で統一表記をという話もあったりします。この点,あえて漢字にされているのでしょうか。

【清原分科会長】  ありがとうございます。実はこの点については,正副分科会長でも確認をしたことでございます。それで,お気付きだと思いますが,「こどもまんなか社会」というような場合には,かぎ括弧をつけてそのまま使わせていただくようにお願いをしたところですが,文部科学省としては,「子供」の表記がいずれも漢字というのが標準であるということのようでございます。

 そのようには私が代わりに説明いたしましたが,補足がございましたらよろしくお願いします。石橋課長,お願いします。

【石橋生涯学習推進課長】  すみません。ありがとうございます。

 表記については,いろいろな御議論があるということは私たちもしっかり認識した上ででございますけれども,行政文書の中ではこの表記の形で整理させていただいておりますので,今回,そのようにさせていただきました。

 以上でございます。

【古賀委員】  承知しました。

【清原分科会長】  古賀委員,ありがとうございます。私も確認をさせていただいて,「こども基本法」の場合には,平仮名の「こども」になっています。そして,「こどもまんなか社会」と国が言う場合にも平仮名になっていますので,それはきちんと反映しておりますが,行政文書はこういう形とのことです。でも,そうした気付きもこの生涯学習分科会を通して,事務局に正副分科会長の打合せでも,またこの会議でも話題になったということは重要なポイントかなと思います。御指摘ありがとうございます。

 それでは,大平委員,お願いいたします。

【大平委員】  大平でございます。よろしくお願いします。

 認識不足かもしれませんが,今回の議論の中で,不登校の生徒・児童について,社会でどうやって活躍をしてもらうかということについて議論がなかったのではないかと思いまして。議論の分野が違うのかも分からないので,私が申し上げているのが的はずれかなとも思いますし,この議論の整理の段階でこの話をするのはどうなのかと思うのですが。今,空前の人手不足でございますので,これから外国人とか,高齢者とか,それから女性活躍,そういったものプラス生産性の向上,その辺りが大きなテーマになってくるのだろうと思います。

 不登校の方,学校に行っていない,でも,学んでいないわけではなく,また,学びたくないというわけでもない,そういった人たちがその特性を生かして進んで学べるような多様な学びの機会というのを提供して,社会で活躍できる可能性を高める施策というのがひょっとしたら社会教育主事の活躍の中に入ってくるのかなというふうなことを思いましたので,発言させていただきます。

 それから,資料111の(3)で確保の必要性とか,2の(1)で能力・知見というのがありましたけれども,高齢者,こちらのほうを企業サイドから見たら,高齢者は体力面で落ちていても,経験値は非常に高いレベルをお持ちです。また,人件費のコストというのは抑えることができるコスパが最高の人材だろうと思います。高齢者というのは,地域の人たち,例えば,今申し上げた不登校,そういった人たちの学びをサポートするということもできるのではないかなと思います。また,お金が価値ということでやってくれるのではなくて,ボランティアでもやってくださる方もいらっしゃると思いますので,高齢者の活躍という視点も必要ではないかと思いました。

 それから,資料21の下の段ですけれども,産学連携のリカレント教育プログラム,これの開発というのは非常に重要だなというふうに思います。学びやすさというのは充足されつつありますが,例えば,AIアプリですとか動画教材,オンライン,そういったもので学びやすさというのは実現が相当手段としてはできつつあると思います。

 しかしながら,一方,時間を確保して,時間をつくってまで学びたいと思うだけの学びがいのあるコンテンツというのはこれからなのだろうと思います。それが,リカレント教育が浸透しない原因の一つかも分かりません。そこで,業界ニーズとかそれと大学・専門学校の強みがマッチするような産学連携のリカレント教育プログラムの開発というのは必要だろうと考えます。それと,評価システムとのマッチング,これも書かれておりましたが,必要だろうと思っております。

 もう一点。資料22のページ20から22ページのところで,特にページ21の下の段で,専門学校について,先ほど石橋課長様のほうから御紹介いただきましたけれども,専門学校というのが,大学と同じ高等教育機関ですけれども下に見られがちかなと。あえて申し上げますけれども。それは,1つは偏差値によるものが大きいのではないかと思います。

 ただ,確かに偏差値が大学進学層よりも低い方も多くいらっしゃるのも事実ですが,逆に高い方もいらっしゃいます。しかし,自分の将来を早めに見つけている,定めているという意味でのキャリア偏差値というのは非常に高いものがあるというふうに私は思っております。大学に学力不足で行けないから専門学校に行くというのではなくて,将来の道が早く定まったから,専門学校でその技術・知識を身につけて社会で活躍するという道筋というのを確立していきたいと思います。

 そこで,同じ高等教育機関でございますので,大学と専門学校,これを上下関係でなくて並列関係で今後つくっていきたいと思っております。専門学校の社会的評価を向上させる動きということで,職業実践専門課程,これが専門学校の質を保証するというふうなことにもつながってまいりますので,更に充実した制度にして,優れた実績や特色ある教育に取り組む専門学校とそこで学ぶ専門学校生が社会で高い評価を受けられるように願っておりますので,是非よろしくお願いいたします。

 以上でございます。

【清原分科会長】  ありがとうございます。

 いろいろ御提案いただきまして,例えば,「不登校」については,「初等中等教育」との関係の中で重要な一つの対応すべき対象でもあり,参画をしていただくということもあり得ると思いますし,「産学連携」については,リカレント教育の中でそうした方向性が一定程度示されていると思います。あわせて,高齢者の社会参画の中で,社会教育人材としての活躍という部分については,例えば,総合的な文章としては,29ページの「今後の展望」のところで,萩原委員の意見の中に,「子供,若者,社会人,高齢者など年齢を問わず全ての人が生涯学習の対象として主体的に学ぶ姿勢を持ち続けるべきである」とありますが,それに加えて,併せて社会教育人材としても多様な世代が活躍をしていくということが望まれるというのは,社会教育人材部会の方向性とも対応するのではないかと思うので,そういうところなどに反映してはいかがかなと思いました。受け止めさせていただきます。

【大平委員】  ありがとうございます。

【清原分科会長】  それでは,オンラインで御参加の大久保委員,まず御発言どうぞ。

【大久保委員】  ありがとうございます。大久保です。

 ちょうど今話題に出たことが,私が申し上げたかったこととつながっているのですけれども。今回の内容をサブタイトルでどう表現するかというところについての意見です。会長からもお話があったとおり,子供たちの話から始まって高齢者に至るまで全体にわたる内容になっていますが,高齢者に至るまで議論しているとは思っていない一般の国民の方が多いのだろうと思います。経済財政諮問会議のほうでも,全世代リスキリングというような議論をしているように聞いていまして,それが骨太の方針にも展開されていくのだろうと思っていますので,この「全世代」は重要なキーワードになってくるのかなと考えています。

 サブタイトルで,全世代にわたってとか,全世代という言葉を使うことで,良く伝わるのではないかと思います。御検討いただければと思います。

【清原分科会長】  ありがとうございます。

 御指摘のように,副題と言いながら要旨のように長くなっているわけですが,仮に「全世代一人ひとりが主体的に学び続ける生涯学習とそれを支える社会教育の未来への展開」としても大丈夫そうな感じはしています。後でまた皆様に確認をさせていただきます。

 それでは,澤野委員,お願いします。続いて綿引委員お願いします。

【澤野委員】  ありがとうございます。聖心女子大学の澤野です。

 参考資料のほうに非常に貴重なデータがたくさんあり,特にこの5ページ目の内閣府の「生涯学習に関する世論調査」のデータを男女別にあまり気にして今まで見たことがなかったので,下の5ページ目のグラフにかなり男女差があることが気になりました。学びやすくするために必要なことについて,女性のほうがかなり経済的な支援を必要としていて,しかも,恐らく仕事と育児の両立の難しさもあって,大分男性との差があるなと思いました。

 今回の分科会では,あまりそういう女性の活躍について議論してこなかったと思います。女性は出産・育児で一度仕事を辞める人もまだまだ多いですので,リカレント,リスキリングの必要性も女性のほうが高い部分があると思います。また,女性のほうが長寿化していたりするので,高齢女性に関してもリカレント教育のニーズが高いと思います。

 議論のまとめのどこに含めたらいいのかなと思って見ていたのですが,例えば,「今後の展望」のところで,この会ではあまり議論してきませんでしたので,29ページの先ほどの萩原委員の意見のあたりに,年齢を問わずということだけではなく,特にリカレント教育に関する女性の支援について言及することが必要ではないかと思われました。

 それと,前回,インターネットの調子が悪くで発言できなかったので,その後,たしかメールで,このNQFの日本語訳と説明について,22ページのところですが,御意見を申し上げたところ,今回は英語の原語が示されています。その前のバージョンではたしかNQFと書いてあっただけだったかと思いますが,これも注記が必要ではないでしょうか。日本にはまだ定訳がないのかもしれませんので。このデータ集のほうでは,51ページのところに,大学改革支援学位授与機構が日本版のNQFに近いものとして,こういうふうに枠組みを試案で今つくっているらしいのですが,これは国際的なNQFとは全然違うもので,単に教育段階ごとに学位を列挙したものとなっています。Qualification Frameworkは,その段階ごとにどんなことが知識,技能,態度として身につくかということを示すために,資格でもなく学位でもないQualificationという言葉をわざわざ国際的に使っているということです。EUとかASEANではもう既に各国がNQFをつくっているわけなので,それを日本政府も今検討中だということのようですから,こちらの参考資料も突然NQFが出てくるような感じもしますので,何らかの注記を加えたほうがいいかなと思いました。

 それと,副題に関しては,「リカレント教育の推進と社会教育人材の養成活躍の在り方」と,「と」でつなげると何となく違和感がありますので,「社会教育人材の養成活躍」は絶対入れたいのかもしれませんが,「全世代にわたるリカレント教育の推進」で止めておけば,何となくイメージがしやすい副題になるのではないかと思いました。

 以上です。

【清原分科会長】  ありがとうございます。

 1点目の性別につきましては,例えばでございますけれども,29ページ,今後の展望のところに,「加えて,子供,若者,社会人,高齢者など年齢・性別を問わず」と入れるか,あるいは「ライフステージ,性別を問わず」とか,今,LGBTQの問題もあるので,性別という表現を使うことに慎重でないわけではないのですけれども,しかしながら,データでは今,男女差があるというようなことでもありますので,検討するとしたら,この場所に性別も入れるという対応があるかなと思いました。

 それから,用語の注釈等については,また全体を通して,とにかく読む方が分かりやすいように配慮をしたいと思います。なお,「全世代」という言葉の位置については,またほかの皆様の御意見を聞かせていただくとともに,「社会教育人材の養成活躍の在り方」は,部会までつくって検討した第12期の大いなる特徴であり,未来につなげるメッセージもいただいているので,副題には是非入れたいなと分科会長としては思っているところでございます。

 ありがとうございます。

 それでは,綿引委員,御発言をお願いします。

【綿引委員】  ありがとうございます。綿引でございます。

 大変よくできたペーパーになっていると思いますけれども,我々分科会メンバーはよく理解できるんですが,これを国民が読んだときの視点で考えると,2点ほど気になるなというところがございます。

 1つは,13ページの赤字で入っております博士人材のところですけれども,やや唐突感と飛躍感が,突然出てくるというので,あるなと。よって,特に深い専門知識とか大発見というようなところの文章をスタートにして,重要な人材として,修士も含めて博士人材はさらなる活躍が産業界でも期待されるというような,主語を入れ替えたほうが国民目線では分かりやすいかなというようなことを思いました。

 もう一点は,24ページの障害者の生涯学習ですけれども,ここは逆にやや大ぐくり過ぎるかなという感じがしておりまして,障害者の種類に応じた生涯学習の在り方も提示していくことが求められると,こういう形で寄り添う,身体障害,知的障害,そういった種類に応じた生涯学習の在り方を提示していくことが求められるというのは,国民目線で言うと,それはそうだなというふうになるのではないかなと,こんなことを思いましたので,御検討いただければと思います。

 以上でございます。

【清原分科会長】  綿引委員,大変建設的な御提言ありがとうございます。いずれも文意が国民視点で伝わるようにという御提言でございますので,反映をしたいと思います。

 特に障害者の場合は,御指摘のように,障害と一くくりにされますと大変広義な意味になってしまいまして,障害種別によってきめ細かい対応することが真に寄り添うということになると思いますので,その趣旨が伝わるように検討したいと思います。ありがとうございます。

 それでは,オンラインで御参加の沖畑委員,まずお願いします。

【沖畑委員】  沖畑でございます。よろしくお願いいたします。

 後半部分の社会教育人材について,また社会教育についてですけれども,ここに明記されているような社会教育の重要性,そして社会教育人材の育成それから配置,社会教育主事の配置の重要性というのは,本当にここにありますとおりだと私も思っておりまして,重要なことだと思っているのですが,参考資料のほうを見せていただいたとき,参考資料の2ですね,67ページ,68ページのところに,都道府県・市町村教育委員会に置かれる社会教育主事の人数の推移とか派遣社会教育主事の実施状況についてあるのですが,これを見ますと,本当に年々減少している。

 重要だったことがこれまでもずっと提言されてきている中でも,どんどん減っている。このことを――すみません。ぼやきです。これってこれで増えるのかな,その重要性は認識されていくのだろうかということを,すみません,ジレンマに陥っております。どうしたらいいのだろう。呼びかけるとか,それから推進する必要があるということが書かれているのですが,何とかこのことを改善できないものかということを,結論がなくて申し訳ございませんが,感じているところです。

 以上でございます。

【清原分科会長】  ありがとうございます。

 牧野委員,何かありますか。

【牧野副分科会長】  牧野です。どうもありがとうございました。

 今の点はとても大事で,社会教育主事をどう普及といいますか,配置をどう増やしていくのかとか,どう社会的に認知度を上げていくのか,そういうことは当然施策としては考えなければいけないと思っています。

 それで,先ほど御紹介しました社会教育人材部会の最終まとめがあるのですけれども,そちらのほうに,あまり具体的ではないのですが,今後,もっと社会教育に関して,社会全体,特に市民の方々の認知度を上げていくということと,さらには,社会教育人材に関しまして,特に若年層に対して訴えかけていく,特に若い方々が社会教育に関心を持ち,できれば大学で学びたいと思ってもらう,さらには,例えば,社会教育士を取得したり社会教育主事になっていこうとするキャリアパスが描けるような,そんなことを少し強調しようということで,いくつかの文言が入っておりますので,そちらもご覧いただければと思います。

 今のところ,そのレベルにはなるわけですけれども,社会教育人材と言われている方々の社会的な配置,特に社会教育主事の方々の任用率の向上といいますか,任用数の増加といったことを真剣に考えなければいけないと思っておりますので,またどこかに少し注記をしたいと思っております。どうもありがとうございます。

【清原分科会長】  牧野副分科会長,ありがとうございます。

 それでは,オンラインで御参加の野田委員,続けて浜田委員,よろしく御発言をお願いします。

【野田委員】  野田でございます。ありがとうございます。

 全体として,大変これからの方向性を示唆するに非常にうまくまとめていただいたものと私も思っております。ただ,私の立場からすると,どうしても大変気になるのが,2627ページ,この辺りの文言を見ますと,例えば26ページの中段辺りも,「社会教育主事として任用していくことが望ましい方向性の一つであると考えられる」とか,あるいは,27ページの「市町村における職員配置上の優先順位を上げてもらう必要がある」とか,あるいは,その下も,「地方公共団体が社会教育主事を適切に配置し,地域コミュニティーの基盤強化を推進することが望まれる」とか,基礎自治体にとっては大変な負担を強いられる文言なのです。ここは。

 これら,この人材の確保あるいはその人件費をどう対応するのというと,唯一書かれているのが「都道府県が市町村の求めに応じて」云々というところなのですが,これは恐らく現実の問題として,都道府県も教育指導主事ですら加配教員を適切に市町村に送っていただけない現状がある中で,少しここはあまりにも無理があるのではないかなと私は考えます。

 是非とも,この辺りの表記については,「市町村は参考にされたい」というぐらいの表記にとどめて,任用しろとか優先順位を上げて配置をする必要があるとか,こういった表現は是非とも削除していただきたいとお願いをするところであります。

 是非とも,基礎自治体に負担を強いるようなものには私自身はしたくないと考えておりますので,是非ともよろしくお願いをいたします。

 以上です。

【清原分科会長】  野田委員,ありがとうございます。

 これにつきましては,私はむしろ,市長経験者としては,かなり婉曲に書いていると受け止めたところでございまして,「望ましい」とか「必要がある」ということで,「すべきである」とか「必置である」とかそこまで書いていないわけでございますので,地域の実情に応じて首長,教育長が判断をしていく余地がある表現ではないかなとも思いますので,この辺り,野田委員は大変重く受け止めていただいておりますけれども,もちろん判断は,地域の自治の判断で実情に応じてということになるかと思います。

 これは本当に自治体の多様な状況に応じて適切に判断をしていただく部分であるかなと思います。人事権は首長にありますので。その辺は是非,地域の実情を最大限尊重してということで受け止めていただければよろしいのではないかなと思います。ありがとうございます。

【野田委員】  よろしいですか。

 もしそういうことであれば,市町村に対しても国は何らかの財源措置をすることが国にとって必要だよということについては,やはり明記する必要があるのではないかと思います。恐らく,例えば,私も20年議員をやっていましたので,議会側がこれを読むと,国も必要ではないかと。座長も含めて,基礎自治体の長の立場の者がそこに入っているのであれば,そういう理解をしたのだろうというふうに読み取れると思うのです。

 ここはまさに誤解を与えないためにも,そこの表現というのについては,是非とも再度御検討いただきたい。あるいは,この表現を生かすということであれば,国の責務,財源上の責務ということについても併せて加筆をいただければと思いますので,是非ともこの点についてはよろしくお願いを申し上げます。

【清原分科会長】  事務局,いかがですか。

【高木地域学習推進課長】  地域学習推進課長でございます。

 市町村における社会教育行政の必要な経費に関しましては,地方財政措置という形でさせていただいているところでございます。自治事務でございますので,地方財政措置という形でやっておるところでございます。

 具体的に,都道府県に関しますと,派遣指導主事制度といったこともさせていただいているところでございます。先ほど御指摘があったとおり,派遣指導主事制度もなかなか使っていただけない自治体が多いという状況もあるところでございます。それ以外の方法,そういう工夫のことにつきましても,先ほどの人材部会のまとめのほうにも書かせていただいているところでございます。

 何とぞ,地域の実情に応じた取組ということを是非進めていただきたいなと思っているところでございます。

【野田委員】  すみません。くどいようですけれども,大変重要なことだと思うのです。ここでの議論ではないですが,例えば,GIGAスクールの端末についても,安倍内閣の骨太でも「国策として」という表現があったにもかかわらず,また,今年度の予算については非常に議論があったという。

 我々基礎自治体からすると,人と財源ということについては大変敏感にどうしてもなってしまうのですよね。地方財政措置とおっしゃるのだけれども,現実にどうなのという意見も基礎自治体は恐らく全ての首長は持っていると思いますので。

 方向性については何ら異を唱えるものではないし,むしろこれをやっていきたいと思うのですが,ただ,基礎自治体にそのことを完全に押しつけるんだよというそこの表現というのは,是非とも私は避けるべきだと考えていますので,再度,是非とも表現については御検討賜りたくお願いを申し上げます。

【清原分科会長】  ありがとうございます。

 それでは,時間の関係もございます。オンラインで現在手を挙げてくださっております浜田委員,辻委員,それから,熱田委員,御発言を続けてお願いします。それでは,まず浜田委員,お待たせしました。お願いします。

【浜田委員】  浜田でございます。日本語教育について加筆をいただきまして,本当にありがとうございました。

 私,この分科会に加わらせていただいて非常に有り難いなと思っておりますのは,外国人の日本語学習の問題というのが社会人の社会学習・生涯学習の問題と非常に共通するところが多いということを学ばせていただいたというのが有り難いなと思っております。

 ちょうど3日前ですけれども,従来の技能実習制度に代わります育成就労という新しい制度につきまして,衆議院のほうで可決がなされました。その議論の中でも,外国人を安価な労働力として使い捨てにしないというようなことが度々言われておりまして,この育成就労法についても,「人材の確保と育成」ということがキーワードになっています。

 まさしく本委員会で何度も言われております人への投資ですとか,あるいは人的資本経営といったような概念が,この外国人の日本語学習についても,日本語も含めましたキャリアアップについても非常に重要だということではないかなと感じている次第です。

 新しい育成就労法の下では,外国人の方が長く日本にとどまりウェルビーイングを追求するという可能性,道筋というのが見えてきたわけですけれども,そのためには十分に学べるような,日本語を含めてスキルアップをしていけるような環境整備というのが非常に大事ということだと思います。

 もちろん,この取りまとめの中では,国籍によって分けるというようなことは全く書かれておりませんので,そういう意味では,十分に既に理念としては含まれているとは思うのですけれども,もし可能でありましたら,改めて,例えば,総論的に書かれているところで,「外国人を含め」とか「外国人も同様に」とかいうような文言を入れていただけると,なお有り難いかなと思っております。

 具体的には,例えば,11ページの各学校教育段階で目指すべきものということで,今,外国人の子供たち,たくさん地域の学校で学んでいますが,自分のキャリアを実現していくことが非常に難しいという現状もあったりします。それから,13ページの社会人のリカレント教育というようなところでも,外国人についても同様であるというようなことが少し文言として入れられていると有り難いかなというふうに思いました。

 以上でございます。

【清原分科会長】  ありがとうございます。

 それでは,辻委員,御発言をお願いいたします。

【辻委員】  前回申し上げたことを上手に反映していただいて,本当にありがとうございました。

 今日は,先ほど社会教育の認知度をどう上げるかという御議論があったので,それでちょっと思い至ったことがあるんですけれども。地域の課題をどうするかという,そういうことはもちろんあると思いますし。ですが,今回,子供のことを結構書いているということから言いますと,例えば,学校教育で社会教育や生涯学習のことがほとんど教えられていないということがあると思うんです。

 私は名古屋大学の附属中学・高校の校長を3年間やっておりましたけれども,生涯学習の教員が附属の学校教育の校長をして何をしゃべったり書いたりすればいいのだろうと思うときに,これからは受験が終わったらおしまいじゃないんですよと。生涯学び続けることが大事なのだと。ここで終わりではないと。その終わりではないというのは,科学技術の進歩というのもあるし,職業能力のリスキリングということもあるし,市民としての成長ということもあると思うのですけれども。

 そういう学校で学んでいる中学生・高校生ぐらいが,いかに生涯学び続けることが大事かということを知ってもらうということがとても大事かなというふうに思ってやってきたということがあります。

 あわせて,昨年度まで愛知県の春日井市のほうで文科省のモデル事業をやっているのに関わっておりましたけれども,そこでは,特別支援学校の子供がここを卒業したら生涯学習という世界があるのだということを知るために,学校教育の中で社会教育の体験をするという,そういうようなことに力を入れておりましたので,そのことと併せまして,学校教育の中で社会教育・生涯学習を知らせていくということが社会教育の認知度を上げていくということになるかなと思って。どこに書いていただければいいか,書く必要はないのかもしれませんが,思いましたので発言しました。よろしくお願いします。

【清原分科会長】  ありがとうございます。

 これは恐らく,「初等中等教育」のところで,前回,沖畑委員から,「学習内容を人生や社会の在り方と結びつけて深く理解しながら」ということの意義を言っていただいたのですが,恐らくその趣旨の中には,「学校教育の中で生涯学習や社会教育の存在を知って,学校教育段階だけで人生の学びが終わらないということを見通せる」ということの重要性も含んでの御発言かと思いますし,第4期の『教育振興基本計画』においてもそのような記述がございますので,それを踏まえて,この「初等中等教育」の段階の記述に,「生涯学習や社会教育を知る」という,「生涯学んでいくことの意義を身につけることの重要性」などを記載してはいかがかなと受け止めました。それは特別支援教育も含めてのことになるかと思います。

 ありがとうございます。

【辻委員】  ありがとうございました。

【清原分科会長】  それでは,熱田委員,御発言をお願いします。

【熱田委員】  戸坂公民館の熱田です。皆様のお話を聞いて,ちょっと発言させていただきたいなと思いました。

 社会教育人材のネットワーク化の必要というのは,すごく心強く聞いたのですけれども,先ほどの財源の話であるとか人材不足の話をオンラインとかデジタルの力を使って少し解消ができるのではないかなと思ったりしたのです。

 公民館でも,今,全国の公民館職員がオンラインでつながって実務研修をしたりしています。そういうネットワークを是非,オンラインでつながっていけば,そういった,少ない人数のところもいろいろな研修ができるのではないかなというふうに考えました。

 現在は,社会教育現場は,デジタル関心がとても低いですね。公民館というのは大体人が集うというのが基本みたいなところになっているので,デジタルには少し関心が薄いのですけれども,こういうふうに皆さんともお話ができるのも,オンラインというツールができてからだと思いますので,それをどんどん活用していけばいいかなと思いました。

 それともう一点,皆さんの話を聞いていて勉強になるのですが,公民館にいると,一番関わるのはやはり高齢者の方で,一番少ないのが成人の方というところがあります。そういった公民館に来られる方々が日常的に学びができるような,地域コミュニティーの中での生涯学習とか社会教育についてももう少し議論ができればいいなというふうに思いながら聞いておりました。是非日常的な学びというものも少しどこかに入るとうれしいかなと思っております。

 すみません。ちょっと取り留めない話になりましたが,よろしくお願いします。

【清原分科会長】  ありがとうございます。

 デジタル技術を活用したオンライン等の意義については,5ページ,6ページで『教育振興基本計画』の概要を紹介する中に,オンラインのメリットなども記述しているわけでございますが,今回は,22ページに「学習歴のデジタル化」に特化してデジタル化の記述をしているわけでございます。しかしながら,総合的にオンラインあるいはオンデマンドの学習機会を含めて全世代を対象にしたときには,適切なデジタル化を進めていくことが有効だと思いますので,そのことについては,私自身も,また山内委員も発言されたタイミングがあるかと承知しておりますので,何らかの箇所に反映ができるのではないかなと思っております。

 それでは,加藤委員,御発言をお願いします。

【加藤委員】  ありがとうございます。加藤です。日本語教育の立場から最後お話しさせていただきます。

 25ページのパラグラフに追記をしていただいたところに,「日本語教育に従事する者の能力及び質の向上」というふうに書いていただいていますので,記述としては十分であるとは思っているのですけれども,私が外国人に対する日本語教育をしているのと同時に,外国人に対して日本語とかその背景となる文化,それから彼らのキャリア支援の役割を担う日本語教員の養成をしているという立場から,日本語教育の体制の整備と整理されたところに質の高い多様な日本語教員の養成ということも含まれているのだということを,念のため,具体の御紹介といった意味合いで少しだけ発言させていただきたいと思います。

 本年施行された日本語教育機関認定法で,日本語教育に携わる者に登録日本語教員という国家資格が与えられることになりました,日本語教員を養成する過程というのは,これまでと同様に,大学とあと私たちのような日本語基本養成機関が今後担っていくことになります。

 全国に存在するこの日本語教員養成機関というところでは,様々なバックグラウンドを持つ様々な年齢の人,例えば,私どものところでは,20代後半から30代,40代,50代,そして60代の仕事をリタイアした方たちまで,新たな人生のステップというのですかね,あとキャリアップ,そして,まさにこの報告の中にも書いてありますが,人生100年時代,人生をマルチステージとして捉える方たち,そういった方たちがそれぞれの未来像を描いて日本語教育を学んでいます。

 その方たちの活動というのが,この分科会での議論の整理でも示されている,精神的豊かさから幸せや生きがいを捉えるウェルビーイングの考え方や,それからリカレント教育というところにも通じるところだというふうに私は今回分科会に出させていただいて思っているところでございます。

 そういった意味合いから,日本語教育の体制の整備というのが,もちろん単に機関の整備だけではないということは十分分かっているところなのですが,ここで国家資格となる質の高い多様な日本語教員の養成ということも当然含まれているということを認識しつつも,改めてそうですねということの確認の意味も含めて発言をさせていただきました。

 最後,お時間のないところでありがとうございました。失礼いたします。

【清原分科会長】  ありがとうございます。

 ただいまの御指摘の部分については,「質の高い日本語教員の養成や確保」といったようなことが当然含まれているからこそ,「提供体制が質が高くなる」というわけでございますが,明文化していく必要があるとも思いますので,是非ここのところは,教員の問題も含めているということが分かるように表現を反映していきたいと思います。

 それでは,ただいま,現在,挙手していらっしゃる方はいらっしゃらないようでございますので,皆様,本日も大変建設的で重要な御指摘を幾つも御提案いただきまして,どうもありがとうございます。皆様からいただきました御意見を最大限反映する案を副分科会長,そして事務局と連携をして進めていきたいと思います。

 一応,案について検討する分科会は本日が最終となりますので,必要な修正について,私,分科会長に御一任をいただくという形でもよろしいでしょうか。

 うなずいていただいております。ありがとうございます。

 それから,副題につきましても,原案に加えて,ひょっとしたら「全世代」というところをどこかに入れたほうがよりよいのではないかという御提案についても含んで検討させていただきます。ひょっとして長くなるかもしれませんが,日本語として適切かどうかを,日本語を扱う分科会でもございますので,ちょっと専門家のお知恵も借りながら工夫してみたいと思います。

 それでは,ちょっと頼りなくて申し訳ないのですが,私清原は,しっかり分科会長として修正の責任を取らせていただきますので,よろしくお願いいたします。

 そして,第12期生涯学習分科会の議論の整理につきましては,本日の審議を受けて,一旦の取りまとめとなります。そして,この経過については,総会が開かれるタイミングで,分科会長として御報告もさせていただきます。また,今後も適切なタイミングで生涯学習分科会を開催していきたいと思いますので,委員の皆様には引き続き御協力をお願いいたします。

 ここで,総合教育政策局長の望月様より御挨拶をいただきます。よろしくお願いいたします。

【望月総合教育政策局長】  局長の望月でございます。

 委員の皆様方におかれましては,1年ちょっとの大変お忙しい中お時間をいただきまして,活発に御議論いただきまして,どうもありがとうございます。また,本日も,途中参加で大変恐縮でございましたけれども,様々な観点から御意見をいただきました。

 今回の議論は,今後の社会の変化のありようの中において,リカレント教育あるいは社会教育人材の育成という大変それぞれの地域にとっても大事な議論をしていただいたと考えております。第4期の基本計画で閣議決定をされてございますけれども,その中での大きな柱をより具体化するという観点で1年前に審議を開始いたしまして,清原分科会長の下で活発に議論いただきましたが,コミュニティーをそれぞれの地域の状況に応じまして,いろいろな方々が関わって,つながって,再構成をしていただく,そういう土壌をしっかりつくっていくということが大事かなと思っています。

 そのために,これは学校教育という枠にどうしても我々文科省の中でも固まってしまいがちなところを,広く学校教育を土台としながら,教育というもの,学習というものを捉えていく。それから,多様な,外国人も含めて,障害者も含めて,こういう包摂社会という中で,それぞれがいろいろな社会の中での役割を果たしながら,その学習の基盤をつくっていくことが,これからもしっかり進めていかなきゃいけないということを改めて思った次第でございます。

 今回の生涯学習分科会,一応,今日で一区切りはつくことになりますけれども,この分科会の議論を具体化していかないと意味がないというふうに思ってございます。また,続けての分科会での議論の土台にもなるかなというふうに考えてございます。その具体的な施策の推進に当たりましては,またいろいろな御支援と御協力もお願いする場合もございますけれども,いずれにしても,それぞれの方々のいろいろな協力をもって社会教育の推進を進めてまいりたいというふうに考えてございます。

 どうも御議論,お時間いただきましてありがとうございます。今後とも引き続き,御助言いただきますようお願い申し上げます。ありがとうございます。

【清原分科会長】  望月局長,ありがとうございます。皆様もお気付きだと思いますが,今期の議論の整理の最後のタイトルは「今後の展望」といたしまして,「終わりに」なんていう言葉を使うのをやめました。未来志向で取り組んでいくということです。そして,私たちの取組には途中経過はあっても,まだ終わりは来ていない。

 しかも,野田委員も御発言いただきましたし,沖畑教育長にも御発言いただきましたし,公民館の現場の方にも御発言いただきましたように,国の教育行政と自治体の教育行政というのは,連携をしていかなければ国民,住民の皆様のウェルビーイングを保障することはできません。そして,様々な活動をされている今日お集まりの委員の皆様をはじめ,地域社会の皆様の活動がなければ,社会教育が展開できないだけではなく,一人ひとりの生涯学習も展開することはできません。

 生涯学習分科会の皆様と,それぞれの御専門やお立場を超えて,本当にネットワークができるような議論ができたことに分科会長としても感謝を申し上げます。したがって,副題は「未来への展開」というふうに未来志向にさせていただいたのもそうした趣旨でございます。

 今回,一区切りでございますが,これからも,局長もお願いをしてくださいましたけれども,委員の皆様お一人おひとりの御参画が必要です。引き続きの御参画をお願いいたします。

 それでは,本日の審議は,皆様の熱心な意見交換がありまして,予定よりも延長いたしましたが,それも未来に向けての取組の一環とお許しください。

 それでは,私からはこの辺りといたしますが,事務局から連絡事項がありましたらお願いします。

【粟津生涯学習推進課課長補佐】  本日御議論いただきました社会教育人材部会の最終まとめと第12期生涯学習分科会における議論の整理につきましては,本日頂戴した意見を踏まえまして,分科会長と御相談の上,整い次第,委員の皆様に御連絡申し上げます。そして,文部科学省ホームページで公開したいと考えております。

 次回の日程なのですが,議題は未定ですが,74日と予定しております。

 事務局からは以上でございます。

【清原分科会長】  ありがとうございます。

 それでは,5月とはいえ猛暑が続いております。どうぞ皆様,長い夏が予定されているかもしれませんが,くれぐれも御自愛いただきまして,また7月に皆様元気で再会したいと思います。

 皆様の熱心な御参画に感謝をして閉会といたします。どうもありがとうございます。

 

―― 了 ――

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