社会教育人材部会(第9回) 議事録

1.日時

令和6年5月24日(金曜日)15時00分から16時30分

2.場所

文部科学省「第二講堂」(旧庁舎6階) ※WEB 会議併用

3.議題

  1. 社会教育人材の養成及び活躍促進の在り方について(最終まとめ(案))
  2. その他

4.出席者

委員

(臨時委員)古賀委員、関委員,野津委員,牧野委員
(専門委員)青山委員,伊藤委員,井上委員,大村委員,倉持委員,塩田委員,山本委員

文部科学省

(事務局)望月総合教育政策局長,八木社会教育振興総括官,平野文部科学戦略官,滝波政策課長,石橋生涯学習推進課長,高木地域学習推進課長 他

5.議事録

【牧野部会長】
 皆さん,こんにちは。定刻になりましたので,ただいまから第9回社会教育人材部会を開催いたします。随分暑くなってきまして,もう初夏の装いですけれども,お変わりなくお過ごしでしょうか。
 今回,第9回ですけれども,この後から議論いただきます最終まとめの中にも入っておりますが,こちらの部会,昨年の5月から1年間に9回という非常に精力的に開催,また,議論していただきまして,どうもありがとうございます。今回が最後になりますけれども,一応最終まとめを取りまとめる回になるかと思います。今日も活発な御議論をお願いしたいと思います。
 本会議ですけれども,これまでと同様に対面とオンラインを併用して開催させていただきます。なお,本日もYouTubeのライブ配信を行い,報道関係者等の傍聴を受け入れております。報道関係者から会議の全体について録画を行いたい旨申出があり,許可しておりますので,御承知おきいただければと思います。
 それでは次に,事務局から,オンライン会議運営に当たっての留意事項の説明及び配付資料の確認をお願いいたします。

【粟津生涯学習推進課課長補佐】
 本日は対面とオンラインを併用して会議を開催させていただいております。委員の方でオンラインの方はいらっしゃいませんけれども,傍聴の方もおりますので,インターネットでも聞き取りやすいように御発言いただければと思います。あと,会場にお越しの皆様は,発言の際には挙手又はネームプレートを立てていただきますよう,お願い申し上げます。
 続きまして,資料の確認をさせていただきます。本日の資料は,議事次第のとおり,資料1112,参考資料123となっております。
 事務局からは以上でございます。

【牧野部会長】
 どうもありがとうございました。
 それでは早速,議事に入りたいと思います。まず,こちらの議事次第を御覧いただけますでしょうか。今日の議題は大きく一つです。「社会教育人材の養成及び活躍促進の在り方について(最終まとめ(案))」について,御議論をいただきたいと思います。
 それでは,事務局の方から,資料1について御説明いただきたいと思います。その後,委員の皆様の方から御意見をいただきます。よろしくお願いいたします。それでは,高木課長,お願いいたします。

【高木地域学習推進課長】
 失礼します。地域学習推進課長の高木でございます。資料12から御説明させてください。最終まとめの本体でございます。イエローマーカーが付いているところが前回の素案からの修正点でございます。
 まず,2ページの欄外を御覧ください。こちら,最新データを書かせていただいているところでございます。社会教育士の称号を付与した数につきまして,令和5年度末の段階で累計7,047人ということを記載させていただいているところでございます。
 それから,大きく修正しているところは7ページでございます。7ページ上段の方にポンチ絵を入れさせていただきました。こちらは中間的なまとめに掲載していたものを,その後の議論,例えば青少年教育施設などを入れて,9月以降の議論を反映したものでございます。
 8ページを御覧ください。9行目からでございますけれども,生涯学習分科会において,社会教育人材で御議論いただいている内容も含めた議論の整理について審議いただいているところでございます。ここの部分に関しましては,牧野部会長をはじめとして,その分科会の方でいただいた御意見の方を反映しているところでございます。社会教育人材に求められる態度,考え方に関しまして記載,追記しているところでございます。
 同じく8ページ,13行目から,古賀委員からの御意見で,社会教育士が連携・協働する対象は,社会教育行政だけでなくて,多様な主体が想定されるということでございますので,その旨追記しているところでございます。
 続きまして,10ページの欄外でございます。社会教育主事講習の令和5年度の定員が1,492名であったということを記載しているところでございます。令和4年度と比べると若干下がっているように見えるのですけれども,地方ブロック内の担当校のローテーションなどの関係で減っているところでございますけれども,今年度の上半期の状況を勘案しますと,今年度全体では増加するのかなというところが見込まれるところでございます。
 11ページでございます。こちらの方は部会で御議論いただいたものを反映したところでございます。22行目につきましては,社会教育主事講習について,複数機関でカリキュラムを策定することは,各教育機関が特色を生かすだけではなくて,各機関の負担を補う部分もあるということと,あと,23行目からは,柔軟な履修方法の提供についてもっとポジティブな面から記載した方がいいということでしたので,そういう旨を書いているところでございます。
 次,13ページ3行目ですけれども,大村委員からの御意見で,社会教育主事養成課程の社会教育実習について,ハラスメントの予防や対応を関係機関に周知する必要性といったことを記載しているところでございます。
 14ページでございます。令和5年度の社会教育主事講習における教育委員会の職員とか学校の教職員の方以外の方で受講されている方の数でございますけれども,538名といった数字が出てきましたので,記載しているところでございます。
 続きまして,15ページです。井上委員と青山副部会長からの御意見で,社会教育主事の有資格者を活用する例示を追加しているところでございます。欄外に,沖縄県那覇市,群馬県,福岡県久留米市,千葉県習志野市における具体的な事例も併せて記載しているところでございます。
 続きまして,16ページでございます。2か所ございまして,27行目のところがまず古賀委員からの御意見で,社会教育人材のネットワークの構築につきまして,地方公共団体の域内だけでなくて,近隣県などの域外もあり得るということでございますので,その旨を記載しているところでございます。
 その下の32行目からにつきましては大村委員からの御意見で,社会教育主事と社会教育士のネットワークを形成することについて記載しているところでございます。
 18ページでございます。ここは社会教育主事の配置のことを記載しているところでございます。現状,配置状況は都道府県と市町村では大変異なるところでございます。90%以上の都道府県と5割を割っている市町村といったところでございます。前回の素案の段階では,こちらは混在させまして,地方公共団体と一くくりにして説明させていただいたところでございます。ですので,ここは都道府県に対して求めることと市町村に対して求めること,それをしっかり明確に分けた上で,井上委員からの御意見がありました,派遣社会教育主事制度以外に市町村における社会教育主事の配置を促進する方策として,都道府県との人事交流などの配置方法の工夫といったものがありますので,そちらのことを記載させていただいているところでございます。
 続きまして,19ページでございます。まず,6行目のところでございますけれども,大村委員からの御意見で,国が社会教育士の人数や活動等の基礎的な情報を収集するといったことにつきまして記載しております。
 同じく19ページ,15行目でございますけれども,山本委員からの御意見で,社会教育士の認知度の向上のためには,教育委員会だけでなくて,首長部局にも周知する必要があるということですので,その旨を記載しております。
 23行目からでございますけれども,井上委員からの御意見で,こちらは15ページで修正したものと同様なのですけれども,社会教育主事有資格者を活用する例示を記載させていただいているところでございます。
 その下の26行目からでございますけれども,倉持委員からの御意見で,社会教育士や社会教育主事有資格者を教員採用や配置に活用する例につきまして,欄外に山口県の事例,栃木県の事例と,具体的な事例も併せて記載させていただいているところでございます。
 続きまして,ちょっと飛びまして21ページでございます。伊藤委員からの御意見で,「社会教育士等が主催する事業」を削除しておりますけれども,こちらは社会ネットワーク化の一部ということで削除させていただいているところでございます。
 11行目から,大村委員の御意見で,社会教育主事のネットワークの構築,活用の実践事例の収集・共有について記載しているところでございます。
 同じくこちら,21ページの欄外のところに,こちらも最新のデータでございますけれども,旧課程の社会教育主事講習修了者のうち,新課程の2科目を修了して社会教育士の称号を取得した方の数でございますけれども,令和5年度末で846名ということですので,記載しているところでございます。
 23ページでございます。「おわりに」でまとめているところでございます。文書をまとめるに際して,この最終まとめで整理した主な事項を改めて列挙させていただいた上で,原委員からの御意見で,こちら,24ページに向かうところですかね,段階的な人材養成や社会教育人材ネットワークを実効性のあるものするためには更なる検討が必要であるということでございましたので,その旨を記載しております。
 あと,牧野部会長と関委員からの御意見で,高校生などの若年層を対象に社会教育士に対する興味・関心を高める方策が必要だということでございましたので,それを今後検討する必要があるという形で記載しているところでございます。
 資料11が,こちらを概要としてまとめさせていただいたポンチ絵でございます。前回の部会及びその後行われました生涯学習分科会の御意見を踏まえて修正させていただきました。よろしくお願いいたします。

【牧野部会長】
 よろしいでしょうか。高木さん,どうもありがとうございました。
 これまで皆さんに御議論いただき,そして,前回特に意見が出てきたところについて加筆修正をいただいております。今日はそちらについての御説明をいただきましたけれども,皆さんの方から,修正箇所,加筆箇所についての御意見等,また,御質問等あるようでしたら,御発言をお願いしたいと思います。御発言のある方は,ネームプレートを立てていただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
 では,伊藤さん,お願いいたします。

【伊藤委員】
 伊藤でございます。21ページのところ,前回私の方から,「社会教育士等が主催する事業」,こちらを削除と御提案させていただいたんですけれども,こちら,「社会教育士等が関連する事業への協力」ということで,すみません,「主催」ではなく「関連」ということで生きにさせていけたらと思います。根拠としましては,ここの都道府県,市町村,地域単位のネットワークというところが,非常に具体性というところが私なかなか難しいなと思いまして,社会教育士が主催するというのはあり得ないかなと思いますので,関連するということで改めて訂正させていただきます。

【牧野部会長】
 ありがとうございました。前回も「主催」ということで削除ということでしたけれども,今回はもう少し和らげてというか広げて,「関連」するという形で復活というか,できないかという話でした。ありがとうございます。
 ほかによろしいでしょうか。
 よろしいですか。これまで非常に活発に皆さんが発言されてきたものですから,今日は余り発言がないと,かえって不安になるのですけれども,いかがでしょうか。
 井上さん,お願いいたします。

【井上委員】
 栃木県の井上でございます。学校に戻りまして,元社会教育主事になってしたが,今日はありがとうございます。記載自体はもう固まっていると思いますので特にないのですが,要望的なところを何点かお話しできればと思っております。
 まず,12ページなのですけれども,9行目から,4科目を大学の主催でやれるということになったと思うのですが,今まで委託でやっていたものと比べて,恐らく4科目受けると4万円ぐらい上がってしまうと思うのですね。そうなると,自治体の職員を送るのには負担がかなり大きくなってしまうと思います。もし可能であれば,自治体職員,発令見込みの職員とかが社教士講習を受講する際に,この大学主催の4科目のものを受けるとしたら,何かしらの措置があるようなことがあると有り難いと思います。教育訓練給付金制度でそこまでの手当てができるのかどうか,それが疑問なところもありまして,何かこれ,社教主事の配置が低迷しているところに輪を掛けてしまわないかどうかと危惧するところです。
 それともう一つが,18ページの8行目,社会教育主事の配置についていろいろ言及いただいてありがとうございます。特に8行目の最後に,国は,未配置の市町村を中心に配置を促していく必要があるとなっているのですが,これは国及び都道府県と入れた方がいいと思います。というのも,都道府県がきちんと市町村に対して発令を促しているところは,かなり発令率も高いと思います。なので,国だけでなく,都道府県も自覚を持っていただいて発令に力を入れていただくという意味からも,「及び都道府県」と入れた方がいいと考えました。
 それと,その後の,この答申を見ると,一番施策化されると思われるのがマイスターだと思うのですが,是非このマイスターのときに,俗に言われているスーパー社教主事と言われている人を任命していただいて,要するに,暗黙知で社会教育行政は進められてきたところがあると思うのですが,そういう方にマイスターになってもらって,できるだけ形式知として明らかにしてもらって,社会教育行政が更に進んでいくように取り組んでいただければと思っております。
 それと併せて,社会教育士についてもできれば,社会教育士活用モデル事業みたいなことがあると,きっと活用の場面が広がっていくのかなとちょっと感じました。
 すみません,もう1点だけお願いしたいと思います。もう1点,22ページなのすけれども,やはり旧制度の方は取れないという結論になられたと思います。こういう方向性だったら仕方ないと思うのですが,ただ,社会教育主事のスキームをずっと見ていくと,エントリー資格として講習を受けて,その後はOJTとか研修とかでスキルアップしてもらって発令してくださいという文脈になっていますので,5年も6年も社教主事をやっている人は,もうOJTも十分経験していますし,研修も受けていますし,ファシリテーションもやっていますし,今更それを受けるということが,スキームを考えると自己矛盾もあるんじゃないのかなと考えるところもありまして,経験年数が長い社教については認めることも引き続き考えてもらってもいいのかなと感じているところです。これは現場の方も,やはり受けなくてはいけないのかというようなところで疑問が出ているところもあるのは事実だと思います。
 最後ですけれども,このまとめの中で,23ページです。先ほどの話の続きになるのですが,23ページの36行目,あくまで社会教育人材のエントリー条件であり,その後の段階的な人材養成を経て社会教育士として任用していく。この流れは非常に理想的だと思うのですけれども,多くの自治体の社会教育主事は,恐らく社会教育主事を受けた段階ですぐに発令されると思うのです。なので,その後の段階的な人材養成を経てという,この表現だと,何かその後,研修を受けたり,経験を受けたり,そしてから発令というふうなニュアンスに見えるのですが,実際は発令された後,業務をしながら,OJTしながら研修を受けてということでスキルアップしていくというニュアンスだと思います。これだと誤解を受けてしまうような気もいたしますので,この表現で,発令されてもOJTと研修でスキルアップしていくというような言い方の方が現状に合っているのかなと思いました。
 いずれにしてもいろいろなまとめの作業,本当にありがとうございました。ちょっと長くなりました。失礼いたします。

【牧野部会長】
 どうもありがとうございました。何点かにわたって具体的な御提言です。ありがとうございます。特に今回この最終まとめが,いわゆる社会教育人材の配置と任用,それから,活躍ということを中心にまとめられていますので,それに関わって幾つか具体的な御提案があったかと思います。どうもありがとうございます。
 では,事務局の方からよろしくお願いします。

【高木地域学習推進課長】
 まず,主事講習の受講料の点でございますけれども,引き続き全額国費で賄っていくものというのも継続しております。それ以外に,大学,教育機関の方で受講料を取得できるものを新たな間口として広げていきましょうといった趣旨で記載しておりますので,その辺,分かりにくいようであれば,修正等させていただければなと思っているところでございます。
 旧課程の社教主事の方,本当に御議論いただいているところでございます。法制度上の矛盾といったことで,なかなか書き切れないというところでございます。社会福祉士と同等の状況,いろいろなノウハウを持たれているというのは重々承知しておりまして,そちらはいろいろな発信の仕方ということの工夫ができるのかなと思っているところでございますし,また,取得しやすいような環境も進めていこうと考えているところでございます。

【牧野部会長】
 どうもありがとうございます。よろしいでしょうか。引き続きいろいろと可能性をまた追求したいと思いますけれども,現状ではこのような形だということです。ありがとうございました。
 ほかに御意見等ありますでしょうか。では,関さん,お願いいたします。

【関委員】
 関です。本当に適切に取りまとめをいただきまして,誠にありがとうございます。若者を含めてこれからみんなで社会教育に取り組んでいくようなそういう仕組みが一緒に創れたらいいなと改めて感じました。
 今言うことではないかもしれないのですが,今回,参考資料の14ページのグラフを見せていただいて,正直もうこのような状況になったのかということを改めて感じました。市町村レベルの社会教育主事の配置率が42%ですか。これが底のレベルだと理解していいものなのか,あるいはまだ右肩下がりになっていくのか,そこで我々が今考えなければいけないことが結構変わってくるのではないかなと感じました。
 社会教育士は,もう本当に有り難いことで,二年前に2,521人だったのが今年は7,047人,これだけ増えているという現状をどのように受け止め,両者がどういう風にこれからマッチングしていくかということが大事になると思っております。そして今,現場では,社会教育士,社会教育人材になろうとする市民の方が多くなったことを実感しております。つい先日も私どもの方の生涯学習センターに,通信課程で社会教育主事養成課程に取り組んでいる方が,社会教育実習の方の受入れを求めてきました。そのような人々とつながることで市全体の社会教育に対しての新しい文化を創っていくような取組をしたいなと感じました。今回の分科会での皆さんの御意見を踏まえ,取り組んでいきたいと改めて感じました。ありがとうございます。

【牧野部会長】
 どうもありがとうございます。今の14ページのこのグラフですけれども,先ほどおっしゃった42.4というのは市の方ですね。これは市の配置率で,町村の配置率が32.1%になっています。随分下がってしまったということです。それに対して,社会教育士の取得者が増えてきている,更に実感としても広がっているという実感があるということです。決意表明も含めてお話しいただきまして,どうもありがとうございました。
 では,山本さん,お願いできますでしょうか。お願いいたします。

【山本委員】
 ありがとうございます。今の関さんのお話のように,社会教育主事の配置状況がこれが底になるかというと,実はもっと下がるんじゃないかというのを実は思っています。というのは,今,大変危機感を持っているのが,地方公務員,特に小さな市町村で成り手がいなくなってきているというのがあって,職員採用ができなくなってきているというのがあります。そうした中で,もう社会教育主事だとか何とかと言っている場合ではないというぐらいのレベルになってくるんじゃないかなとは思っています。
 ただ,そうは言いながらも,やはり縮小していく地域の中でどうやって地域の人たちが幸福感を感じながら生きていけるかというと,社会教育をベースにしながらまちづくりをしていくというのはやはり大事なものなのだろうと思っています。こういったことを理解できるような職員を更に増やしていくためにどうするか。配属するというだけではなくて,社会教育的な素養を持った職員が様々な場所で活躍できるような環境を作っていくということが大事なんだろうと思っています。
 今回私の意見なんかも含めて提言には取り入れていただいたのは大変有り難かったかなと思っております。ただ,危機感としてはそのような危機感があるので,今後,この後また年数がたっていく中では,やはりもっと厳しいものが出てくる,あるいは実際配置できない状態の中で社会教育をどういうふうにやっていくかということをもっと考えなければいけないだろうというような気持ちは持っております。ありがとうございます。

【牧野部会長】
 ありがとうございました。自治体を預かるお立場から,非常に厳しい状況があるとのご指摘です。特に職員採用が厳しくなってきている。そういうことの中でどのような形で自治体を維持するのか,又は住民の方々が幸せを感じられるような地域づくりをしていくのかといったことは大きな課題であり,それと社会教育は密接な関係があるという話でした。今後,社会教育の在り方について議論するときの大きな前提的な話になるかと思います。どうもありがとうございました。
 それは,野津さん,お願いいたします。

【野津委員】
 島根県の野津でございます。今お話のあった市町村の職員の採用が難しいのももちろんあるんですけれども,その中でやはり島根県では,1年前から申し上げているとおり,人口構造が日本全体の20年先という状況でありますが,しかしながら,そこでも全市町村が社会教育主事を発令していると。市町村職員は必ずいる,社会教育主事がいるという状況が実際にできています。やはり地域を動かす,地域を支えるのは人なので,人を動かす人というのが地方行政,中山間地域の行政ではやはり肝になるんだろうと。
 特に島根県のような経済状況の余りよくないようなところが,それでも人が住む。そこに僅かな産業をつなぎながら,しっかりみんなが笑って過ごせるという社会があるというのは,やはり人が人を導くという社会,これがまだ残っているし,残さなきゃいけないし,それを支える人をつくらなきゃいけない。なので,島根県の市町村は,ちゃんと職員を講習に行かせて資格を取らせて,その上でそういうスキルを持たせて実践をやらせて地方行政をやっているという実態があります。
 恐らくそういう方向へこれから人口減少が進んでいくわけですけれども,ひしひしと影響が出てくるような自治体はむしろそういう方に流れていかないともたないだろうと。まちがもたない。消滅という言葉,これもあえて,ネット社会で出始めて,出てくる言葉だろうとは思いますけれども,言われる方からいうと,ナンセンスというふうにうちの知事は言っておりますけれども,そういうことではなくて,少なくなるのは全国,東京以外,間違いないわけですけれども,その中で人が生きていく上で,社会教育人材がしっかりと地方行政を支えている,行政だけではなくてまちづくりを支えているという実態をやはり国としても発信をしていただいて,こういった発令が多くなるようにということが必要じゃないかと思っています。
 そういう意味では,7ページの上の図は,よく見る,このど派手な図ですけれども,この場面の一つ一つの展開例をやはりもっと具体的にそろえていく必要があるんだろうと。でないと,なかなか首長さんたちに伝わらないだろうと思っております。今回のこの提言は,全体として非常によくできていると私は思っております。その中で,私もいろいろなところで講演とか講話とかするのですけれども,これを使ったときに,この図の展開図が,具体的なものが次,欲しいなと。用意していただけるとすごく楽だなと思っています。そうでなければ自分で作ろうかなと思うのですけれども,そういった感じ,この展開図がやはり次のステップだろうと思っておりまして,モデル事業を作られるんだったら手を挙げますので,10分の10なら手を挙げますので,是非お考えいただければ。
 あと,先ほどもお話がありました,大きく議題になりました,旧制度の方の社会教育士資格の取得につきましては,私いろいろお話しして,検討していただいて,なかなか難しいということ,これはこれで納得をしておりますし,この審議会の場ではそういうことなんだろうと。ということで,2週間後に文部科学省に対する重点要望をまたさせていただく,お邪魔する予定となっておりますけれども,そこでは行政側からとしての具体的な提案をしたいと思っていますので,また聞いてやってください。ありがとうございました。

【牧野部会長】
 どうもありがとうございます。島根県の実情からということで,今お話を伺っておりまして,私はちょっと農水省にも関わっているのですが,ある種の感慨があります。農水の方で,地域を維持していく,特に中山間村を維持していくのは,そこに住む人々の誇りであるといいますか,ある意味で誇りが空洞化することによって集落が一気に無住化していくという議論になっているのです。その誇りをどうやってお互いに保ちながら,生きていく喜びを感じられる地域を創っていくのか。そんなことがやはり自治体職員の役割でもありますし,もっと言えば,社会教育もそこで人々が学び,また,職員の方々が主事になられたり,また,社会教育士を取得されて,そういう誇りの持てるまちを創っていく,そんなことにつながってくるのではないか,そんなようなお話でした。
 また,7ページのポンチ絵ですけれども,具体例をもっと集めて,講演のときに使えるようにしてほしいというお話でしたので,事務局の方々,また是非ともよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
 それでは,倉持さん,お願いできますでしょうか。

【倉持委員】
 ありがとうございます。倉持です。今,関委員とか山本委員とか野津委員のお話を聞いて,地域を創っていくのは人だからこそ,それを支える社会教育の職員さん,自治体の職員さん,いろいろな立場で社会教育に関わる人たちに,もっと社会教育ということの関心や価値を高めていくことが大事だと,まさにそういうふうに思いました。
 前回,養成校の立場から,若い世代が社会教育という仕事だったり,活動ということに積極的にキャリアの一つとして目指していったりとか,意欲を持って取り組んでいくということもバックアップしていく必要があるんじゃないかということも意見を述べさせていただいたんですけれども,今回,24ページのところに,社会教育に関心のある若年層を増やすための方策というのも大事だということを,実効性のあるものにするためにはという文脈で位置付けていただいたのはとても大事なことだったかなと思います。
 なんですけれども,今みなさんのお話を聞いていると,若年層だけではなくて,社会全体の社会教育の価値というか,認知の向上というか,浸透させていくということが,関心を持っていただいたり,実際の活動をつなげていくというためには重要なんだと思うと,社会教育に関心ある若年層を増やすということもそうなんですけれども,社会教育への関心を若年層をはじめとして多様な世代に広げていく方策というふうにちょっと間口を広げると,いろいろな世代に対して,特に若い人も含めてというような形になるのかなと改めて思いました。これはきっと今回議論した養成とか研修とか,社会教育関係人材の,活躍を支える基盤をどう作っていくかというような議論にもつながってくる大事な点かなと思います。
 もう1点だけ,非常に細かいことで申し訳ないんですけれども,11ページの新たに加えられた黄色のところで,カリキュラムの狙いという「狙い」が漢字で表記されているんですけれども,私は若干違和感があって,狙われている感じがするというかですね。これは教育のカリキュラムの目的だったり目標ということと内容とか方法,いろいろな特色を付けていくことも大事だという御指摘なのかなと思って,よりいろいろなところに浸透する表現を吟味いただければと思いました。細かいところですみません。
 以上です。

【牧野部会長】
 ありがとうございます。幅広く,社会,若者というか,次の世代へということは書かれているのですけれども,もう少し社会全体の社会教育に対する関心を高めていくような要求をする中で,次,特に若い世代にというようなことを位置づけることも大事ではないかという御指摘です。
 あと,用語の問題で,この「狙い」という,これは漢字ではなくて,平仮名なら大丈夫ですか。

【倉持委員】
 はい,大丈夫です。

【牧野部会長】
 平仮名で,狙われている感じがしないようにということらしいので,お願いいたします。
 それでは,古賀さん,お願いできますでしょうか。

【古賀委員】
 コメントを二つと,先ほど倉持委員さんが触れられた最後の文章についてコメントします。
 まず細かいところで申しますと,先ほど野津委員がおっしゃった7ページの図を改めて拝見しながら,地域コミュニティーについては近年NPOも関わりを増やしていて,災害対応や農村RMOの取組を見ていてもNPOが結構関わっている例があります。そこで,この空いているスペースの,地域コミュニティーの右上辺りでも,NPOと置いていただくといいかなと思いました。
 それと,21ページの8行目の冒頭に「社会教育主事のOB」とありますが,今どきですので,OBOGと書いておいた方が無難かと思いました。
 それから,最後の24ページの3行目の若年者を増やす云々のくだりですが,あえて「若年者」と強くうたうことも前回の会議からしてとても大切だと考えますが,今の倉持委員の御意見を伺いながら,それもごもっともだなと思いました。一方,「社会教育に関心のある人たちを増やす」という以前に,社会教育に取りあえず接点を持っていただくところから大切とも思いますので,妥協案になるか分からないんですが,「各年代に社会教育に参画するための機会創出の方策」とかいう形にしていただくのはどうかなと思いました。ただ,若年者にというのも強く推したいなという気持ちもあるところです。
 以上です。

【牧野部会長】
 ありがとうございます。具体的な提案がありました。特にNPOの関係ということで,地域コミュニティーも入れてもらえないかということです。あと,用語ですとか,最後の,若年者にというのは確かに大事なのだけれども,もう少し各層に広げながら,だけれども,やはり若年者を重視したいという,論理ではないか,そういう御意見だったと思います。どうもありがとうございました。
 それでは,大村さん,お願いできますでしょうか。お願いします。

【大村委員】
 愛知教育大学の大村でございます。非常に多様な意見をおまとめいただきまして,ありがとうございました。もう余り文言を変えられないかなとは思っていまして,しかし,今後の議論にもつながるかもと思っていまして,幾つか意見を述べさせていただきます。
 一つは,先ほどの御意見もありましたが,社会教育主事の配置を進めていくために,やはりもう少し社会教育主事がどういう仕事をすべきなのかということも踏み込んでもいいのかなという思いがございます。以前の発言の中で社会教育計画の策定などとという話を,意見を述べさせていただきまして,それは入れていただいていると思っておりますけれども,例えば社会教育法の9条の3,社会教育主事の職務のところの2項,これはいわゆる学社連携ということになりますけれども,社会教育主事は,学校が社会教育関係団体,地域住民その他の関係者の協力を得て教育活動を行う場合には,その求めに応じて必要な助言を行うことができると。
 これはまさに今,コミュニティスクール,地域学校協働活動を進めるのに支援をしていくという役割として読むべきではないかと思っていまして,そうしたコミュニティスクールや地域学校協働を進めていくために社会教育主事が果たす役割があるのではないか。あるいは,それと連携して社会教育士が,これはもう書いていただいていますけれども,地域学校協働活動推進員として連携をしていくということとつながっていくのかなと思っていますが,その点についてもう少し書いてもいいのかなと思ったのが一つです。
 それからもう一つ,社会教育主事に是非推進する立場でお願いしたいなと思っているのは,こども基本法に関わって,都道府県こども基本計画,市町村こども基本計画を努力義務ですけれども,作ることになっています。これは以前の子ども・若者育成支援推進法の子ども・若者計画というところと重なってくるのかなと思っていますが,これは首長部局が作られると思うんですけれども,しかし,子供の育ち・若者の育ちということをテーマにこの計画は作られるんでしょうから,社会教育主事がそこの中でやはり役割を果たしていただきたいということがあるんですね。ですから,養成の段階での身に付けなければいけない素養にも入ってほしいし,また,配置を広げる根拠としても述べていいのではないかなと思っています。
 それから,二つ目は委嘱講習についてです。養成課程を持つ大学の立場として少し懸念も述べさせていただきましたが,やはり意義と課題があると思っています。今の大学の養成課程と委託講習では応え切れないニーズに対応して,社会教育士,社会教育主事を養成できるということは非常に大きな可能性を持っていると思います。ただ,懸念としては,これも以前お話ししたことではありますが,社会教育実習の問題なんですね。養成課程で先回の改革の中で入れていただいた。これが実践事例が今上がってきていまして,やはり非常に有効であるということを聞いております。学生の満足度は非常に高いですし,受入れ機関の研修としても,受入れ側としても非常に大事だと,そういった評価をいただいています。
 また,通信制課程で社会教育主事の資格を取るという,そういった大学もございますけれども,そうした大学でも,社会教育実習をすることでその地域の中でのネットワークが出来ると。通信教育課程ですから,なかなか地域とつながりがない学習環境にあるんですが,しかし,社会教育実習がその地域とのつながりを作ってくれると。更に言えば,社会教育士の資格取得後の様々な活躍の場につながっているとお聞きしているんですね。ですから,委嘱講習においても,特に市町村での社会教育の職務に当たっていない方たちにとっては,やはり実習という形で学ぶということは非常に有効だろうと思いますので,今後,委嘱講習において社会教育実習が学べる,そういった可能性を是非御検討いただきたいと思っています。
 それから,3点目は,社会教育士の養成について,現在,私の大学でも社会教育士の称号取得が非常に魅力として捉えられていて,学生の社会教育主事資格取得も増えてきています。そうした意欲といいますか,それは非常に尊重しつつ,しかし,そうした意欲に委ねているだけでいいのかという思いもございます。つまり,地域の中で市町村や都道府県が社会教育士の養成計画を持つべきではないかと思っているんです。これは先ほど申しました委嘱講習の重要さの問題も関わっていて,都道府県の中で実際,社会教育士の資格が取れるのかどうか,そうしたニーズに対応した学習,教育を受ける場があるのかどうかということを恐らく都道府県としてはやはり検討すべきだろうと思いますし,そうしたニーズに合わせた養成の場を設定していく,作っていくという,そういった役割があると思っています。
 そうした養成計画を都道府県あるいは市町村が作るときに,やはり大学はそこにちゃんと関わっていくということが重要だと思っています。今,養成課程もそれぞれの大学で,大学が今,人員の問題では非常に厳しい中で養成課程の維持が難しくなってきているわけですけれども,地域に,あるいは都道府県にこれだけのニーズがあるんだと。養成の計画があるんだと。それに応える大学とは何かという,そういったフィードバックができる関係,この中に大学がつながっていくと,都道府県と大学の連携も進むであろうし,あるいは大学が養成課程だけではなくて講習に積極的に関わっていくという,そうした大学の役割も見えてくるんじゃないかと思っています。ですので,そうした社会教育士の養成も都道府県,市町村で計画化をしていくという,そうした視点を,もう入らないかもしれませんけれども,少し意見として述べさせていただきます。
 以上です。ありがとうございました。

【牧野部会長】
 どうもありがとうございました。より具体的な活躍の方向性といったことを,もう少し行政的な観点から全体を少し組み替えるような議論が今後展開できないかというお話だったと思います。特に各都道府県における養成の計画と,大学の役割とか,今後どのような形で社会教育士,また,社会教育主事を養成していくのか,そんなことも今後の議論で展開できないかという話だったと思います。どうもありがとうございました。
 塩田さん,一言お願いいたします。

【塩田委員】
 民間企業の中でも社会教育士や社会教育主事が果たすべき役割に対する関心が高まっているといったところもしっかり明記いただき,感謝いたします。こうした報告書が呼び水にもなってくるところもあると思います。ありがとうございます。

【牧野部会長】
 どうもありがとうございました。民間の方でもとても注目をされていることですので,是非広げていただきたいと思います。ありがとうございました。
 では,青山さん,一言お願いできますでしょうか。

【青山副部会長】
 ここまで取りまとめ,本当にありがとうございます。ようやっとゴールが見えてきて,1年が早いなとも思っています。
 先ほども話題になっていた7ページのポンチ絵を改めて見返していて,やはりこういった社会教育に関する人材に関する議論で一番難しいのは,この7ページの表のような実態はどの自治体にも恐らくあるものと思うんですけれども,これを社会教育という枠組みで捉えている地域とそうでない地域みたいなものがかなり差があるんだろうと思うんです。この辺は学校教育の制度とかなり違っていて,やはり社会教育という枠組みが生きている地域と,実際には7ページのものがあるんだけれども,それが社会教育という枠組みで捉えられていないような地域のようなものもあるのかなと思っています。これは社会教育主事の存在意義に対する賛否のようなものについても,見ている風景が違う人たちの議論のように見えることもあることとリンクしているかもしれません。
 こういった,様々な地域の実態や,あるいは縦割りを乗り越えていくというときに,制度ではなくて人の方に注目することで,社会教育士という人材や,もとより主事もそうですが,こういったことを乗り越えて,言わば社会教育と呼ばない社会教育のようなものにちゃんとくさびを打っていくというか,つながりを作っていくような,そういった流れになるきっかけになるといいのかななんて改めて思いました。
 社会教育という言葉をどう使っていくか,呼ばれてない地域にどう使っていくかというのはいろいろなやり方があると思うんですけれども,例えば先ほどこども基本法の話もありましたけれども,こども家庭庁が昨年出来まして,様々な子供たちの居場所とか,あるいは子ども食堂やユースセンターのような広がり,ユースワークとか子ども・若者支援という文脈なんかにおいても,かなり社会教育主事とか社会教育士講習を受けたいというような声をよく聞くことがあります。教育という言葉は使わないんだけれども,結果として社会教育士を取りたいという人たちの関心につながっているような辺り,こういったようなところをどうつないでいくかというようなこと,その辺りに,社会教育士はいるけれども,社会教育と呼ばれていないところにうまくつなぎを作っていくような,そういった形に制度を合わせつつ,きちんと社会教育の枠組みが生きている地域についてはこれをちゃんと守っていく。何かその辺りのバランスにうまくつながっていく議論になったんじゃないかなと思っています。
 すみません,感想を先に言ってしまったかもしれませんが,以上です。

【牧野部会長】
 どうもありがとうございました。また後から皆さんの方には感想を一言ずついただきます。時間を取ってありますから,お願いいたします。
 今,青山さんの話もあって,私の方から一言加えさせていただければ,と思うところがあります。3ページなのですけれども,今,社会教育の概念について,第四期教育振興基本計画のことが書かれてあって,入れていただいたんですけれども,具体的には18行目の「中核を担う営みであるとする中で」の後ぐらいに,教育振興基本計画で新しく社会教育概念の再定義につながるような議論がされているということを書き込めないかと思うのです。
 今までは簡単には,学校教育をベースに,社会教育はどう位置付けられるかという議論が基本であったところに,現在の現行の法制もそうなのですけれども,むしろ地域社会における人々の関わりやつながりの土壌を耕すという,ちょっと文学的な表現ですけれども,そういう概念規定が入ってきていて,社会教育がある意味で社会基盤であるというか,さらには何かもっと社会教育士が,また社会教育主事が一般行政とも関わりながら,社会基盤としての社会教育を豊かに展開していくということで,このまとめの全体の部分に関わるような議論になっていると思うのです。
 その意味では,今後の社会教育の在り方についての議論をする上で,社会教育の役割がこれまで以上に重要視されていることは意義深いということだけではなくて,むしろ社会教育概念の再定義につながるような議論がなされ始めているといったことも,きちんとどこかに入れていただければと思うのですけれども,いかがでしょうか。すみません,後出しで申し訳ありませんけれども,それを加えていただければ,と思っていますので,よろしくお願いいたします。
 はい,皆さんの方はこれでよろしいでしょうか。今回の修正案ですけれども,内容全体に関しまして,御提案,また,御意見等いただきました。ありがとうございました。
 実は今日,部会をこの時間に設定をさせていただきましたのは,この後,17時からですが,第12期中教審の生涯学習分科会が開かれまして,そちらで本部会における最終まとめ案について御報告をすることになっております。そこで御報告をした上で,分科会の了承を経て,最終的なまとめとして公表するということになっております。
 今日皆さんからいただいた御意見ですけれども,今後,事務局とも相談をしながら必要な修正をしていきたいと思います。修正の内容につきましては,部会長一任でお願いしたいと思うのですが,よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。それでは,事務局と相談しながら,今日の皆様の御指摘,御意見を反映したいと思いますので,よろしくお願いします。部会長一任,私の責任で修正させていただきます。どうもありがとうございました。
 それでは,これで一応最終取りまとめといいますか,最終まとめ案をこれで取りまとめましたので,この社会教育人材部会としても一区切りになります。先ほど申し上げましたけれども,随分皆さんもう感想等をおっしゃっているので,更にあればということで結構ですが,時間まで少し,この部会を振り返って,御意見とか御感想等ありましたら,いただければと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは,どうしましょう。順番に当てるのも芸がありませんので,どうぞ御発言がある方から御発言いただければと思いますが,いかがでしょうか。お一人二,三分程度になるかと思いますけれども,お願いいたします。
 山本さんがこちらを向いていますので,山本さん,お願いできますか。お願いいたします。

【山本委員】
 ありがとうございました。こんなこと言ったらあれなんですけれども,首長として呼ばれて,こういう形で参加をさせてもらったのは,大変私どもにとっても非常に勉強になったことと,実は北海道の方では公民館振興首長会というのがありまして,いわゆる地域にある公民館をどういうふうに活性化させながら,コミュニティーに対して働き掛けをしていくかというのをやっています。そこに対してもちゃんとフィードバックしていこうかなとは思っていまして,こういったことを,社会教育の必要性みたいなことを首長サイドも改めて勉強させてもらうような機会にしたいなと思っています。
 それと同時に,結局,社会教育は別に文科省とかいわゆる社会教育の分野だけの話ではなくて,やはり今回の議論を通じながら,様々な地域の基盤となっているということ,先ほど牧野先生もおっしゃられたような話というのは大事だなと思っていますので,また,そういったところを実践しながら,私どももまた改めて考えていきたいとは思っています。ありがとうございました。

【牧野部会長】
 どうもありがとうございました。
 ほかの委員の方,いかがでしょうか。では,井上さん,お願いいたします。

【井上委員】
 先生方,本当にいろいろお世話になりました。私も20年社教主事をやりまして,社教主事を卒業しました。ただ,物の考え方は残っていまして,この答申を見ると,これで何が企画できるのかなとかその施策を考えてしまうのですが,それもこの20年の経験で有り難かったと思っております。特に中教審では3回お世話になっていまして,本当にお役に立たなくて申し訳なかったんですが,ただ,今回のこの議論については,いろいろ動き始まったものをきちんと整理する,きちんと明らかに役割とかそういうものを確認した議論だったのではないかなと思っております。今度はそれをいかに次の政策につなげていくかということが重要ではないかと思います。
 特に先ほど若年層の議論があったのですが,私は学校,工業高校に戻りまして,本当に若年層の力,これを是非社会教育につなげていく必要があるのではないか。社会教育主事ジュニアとかそんな感じで是非引き入れたいと思っているのですが,この表現の仕方ももし文科省の方で若年層に対する何か施策を考えているのであれば,若年層のままでいいと思うのですよね。やはり財務省とやるときにはっきりしていた方がいいと思うのですが,それがやはり総花的に表現するんだとしたら,委員さんの御発言があったように漏れない表現がいいのかなと感じました。
 本当にいろいろとありがとうございました。また,取りまとめ,ありがとうございました。

【牧野部会長】
 ありがとうございます。
 ほかによろしいですか。では,伊藤さん,お願いいたします。

【伊藤委員】
 伊藤でございます。参考資料中の42ページの方で,連携事例丸4で発表させていただいたものをきれいにまとめていただきまして,ありがとうございます。私は社会福祉士と社会教育士という立場でこちらの方に参加させていただきました。社会福祉士が社会教育士と非常に重なる部分が多いということに改めて気付かされました。社会福祉の分野からは,社会教育の中に社会福祉があるようなそんなイメージがするということで,今,スーパービジョンをスーパーバイザーから受けているんですけれども,スーパーバイザーの方からそのようなコメントをいただきました。非常に包括的にウエルビーイングを高めるという意味で,社会教育が非常に大切なんだということを改めて気付かされました。ありがとうございました。

【牧野部会長】
 ありがとうございます。
 ほかに。では,古賀さん,お願いいたします。

【古賀委員】
 お礼方々ですが,恐らくこの席で一杯意見したい方は全国にいらっしゃるものと思う中,本当に不勉強ながらNPOの立場で交ぜていただいて感謝をしております。
 改めて感じたのが,やはり官民で熱量のギャップが出てきていることです。社会教育主事も社会教育士も年々どんどん増加をされている一方で,行政の実務に携わる方々が減っているということで,これはやはり何とかしないといけないなと民間の立場から思いました。
 社会人が主対象となっているビジネススクールでこの春から教えているんですが,この社会教育士の話をするとすぐ食い付いてきまして,今年の夏の九州大学の講習も受ける予定となった学生がいます。潜在的にこの内容とかこの資格について関心を持っている方はまだまだいらっしゃると思うので,総力戦でPRしていかないといけないなと痛感をしているところです。本当にありがとうございました。

【牧野部会長】
 どうもありがとうございます。
 では,ほかに。関さん,お願いいたします。

【関委員】
 先ほども申しましたが,本当にこの1年余,多くのことを学ばせていただきありがとうございます。
 先程の7ページの表には私も少し引っ掛かるところがありまして,あえて発言させていただきます。この表のイメージは多分どこかの自治体の中でのつながりではないかなと思うのですが,これをももう一つ拡げて,都道府県レベル,あるいは国とのつながりという視点でとらえて,全国につながるネットワークになればいいのかなと感じました。愛媛県も,県内各市町の社会教育主事の研修会はやっていますけれど,そこに集まる人がだんだんに少なくなってきたことを実感しています。しかしそこには,つながりが存在しています。
 生涯学習分科会であったり,教育振興基本計画部会であったり,国レベルでこれから先の新しい学びの羅針盤を作っています。しかし,それがきちんと伝達されているかというと疑問符が付きます。未来に向けての指針が社会教育主事を通して,全国津々浦々までつながっていく仕組みが出来たら,そのことによって,それぞれの自治体の社会教育主事の存在意義,モチベーションも高まるのではないかなということを感じます。
 タテ系統のライン職ではなくて,皆をヨコつなぎにしていくスタッフ職として,それぞれの自治体の社会教育を盛り上げていくことが出来ればと願っています。地域社会の様々な活動の触媒役みたいなものが社会教育主事ではないかなと私は常日頃思っています。社会教育人材が地域を盛り上げていくためにも,自分達の学びが深められ,さらに,活動の過程を通じて発見した自分たちの地域の悩みを国に伝えていける,そんな往還型の仕組みが出来たらいいのかなということを今感じております。
 以上です。本当にありがとうございました。

【牧野部会長】
 どうもありがとうございました。
 では,どうしますか。倉持さん,行きますか。どうですか。お願いいたします。

【倉持委員】
 ありがとうございました。社会教育人材について,また先ほど牧野先生から,社会教育概念の転換や広がりという話も出たんですけれども,今回の部会を通して,改めて社会教育に関わる人々ということを,私たち養成機関だったり社会教育に携わる研究者たちも広げていかなければいけないし,つなげていかなければいけないんだということを,議論だったり,あるいはいろいろな事例を伺う中で大きく感じました。
 今回どうやって社会教育人材を広げていくかということで,量的な拡大について,養成に関しては特にその部分の議論を中心的に行いましたし,そうした人たちの活躍を促進していくかということについての議論だったんですけれども,量的な拡大と質的な向上を両方とも両立させていくということが,このまとめの先に私たちにまた戻ってくる部分だと思いますし,そこにきちんと大学だったり養成機関だったりが責任や役割を果たしていく必要があるんだと実感をしました。
 今回のこの計画は,今後,実用性を高めたり,あるいは様々な事例を集めたり発信したりということが求められると書かれていますので,そういったことを実際にやっていくということが重要だと思いますし,検証したり,議論を継続していくということが重要だと思っています。一旦この部会はここでまとめが出来ているわけですけれども,この議論がここで終わったというわけじゃないと私としては受け止めましたので,継続的に続けていただきたいと思いますし,それに関わっていきたいなと思いました。
 以上です。

【牧野部会長】
 ありがとうございます。
 では,マイクが渡りそうなので,大村さん,お願いいたします。

【大村委員】
 ありがとうございました。この人材部会に出させていただいて,非常にいろいろ勉強になっております。大学の中で今まで学生相手に社会教育主事,社会教育士の養成に関わってきたということもありますし,また,今,養成校の大学間の中でいろいろ意見交換をする中で学んできた,それと非常に重なって,いろいろ考えさせられました。
 社会教育士というのは非常に可能性があるわけですが,やはりぼんやりしていて,どう活躍していただけるのかという,そこをもっと具体的にというような思いもありましたが,例えば民生委員の制度のように非常勤の地方公務員で無給,ボランティアベースで,だけども,実費が支払われるというような形が社会教育士の制度として立ち上がってくると,もっと今,地域社会のために何かやりたいという人たちが活躍の場を得られるんじゃないかというような思いもありますが,そういった制度が出来るかどうかはまだ今後のことかと思います。
 ただ,そうした住民といいますか市民の,社会教育,地域社会を何とかしたいという願いにどう応えていくのかということはずっともう少し考えていきたいと思っています。社会教育士の量的拡大というふうに倉持さんがおっしゃって,大学関係者もそうやって言っているんですけれども,私としては,社会教育士になりたい,そういった学習をして,地域社会で活動したいという,そうした学習要求に応えるにはどうしたらいいのかということがやはり非常に大事だと思っています。
 現在は,そうした勉強をしようと思っても,資格を取ろうと思ってもその場がないという,そういった人たちが多いということをまず第一に考えなければいけないかなと思っています。それを考えるためには,やはり養成計画を考えないと,作らないといけないかなというような思いもあって先ほど発言させていただきました。今後そうした方たちと,大学が果たす役割をまた考えていきたいと思っています。ありがとうございました。

【牧野部会長】
 どうもありがとうございました。
 では,マイクが近くてすみません。塩田さん,お願いできますでしょうか。お願いいたします。

【塩田委員】
 民間企業という立場で出席させていただきまして,ありがとうございました。会の中でもお話しさせていただきましたとおり,企業として営利だけではなく,健康づくりや地域活性化というところで社会的に貢献していくことをレゾンデートルとしていく上で,どういった役割発揮できるかというところがこの議論に参加する,一番の動機でございます。
 そうした中で,社会教育士が持つ資質とか役割といったところが,実は自分たちの会社のメンバーが持つべきものであるんじゃないかと,それが地域にとって役に立つんじゃないかという思いでずっと聞いておりました。その思いは変わらなくて,また,議論の中で,社会教育士を目指す方が増えているということは,いろいろな立場の方が,地域におけるこうした役割発揮をしたがっている,若しくは求めているということの証左なんだと思います。
 そういった視点で,我々はまずは自分たちが役割発揮していく上で果たすべき役割を達成するために,我々の資質を確認するためのすべとして,この社会教育士資格について,引き続き受講に向けての取組を進めていきたいと思いますし,また,こうしたものがネットワークとして,今回の議論の内容がより地域の中に根づいていきますと,ますますこの仕組みの役割発揮というものが加速していくと思いますので,そういった部分の応援をしていきたいと思っております。どうぞ引き続きよろしくお願いします。ありがとうございました。

【牧野部会長】
 どうもありがとうございます。
 では,野津さん,お願いできますでしょうか。

【野津委員】
 地方創生,人口減少対策が言われて10年がたつけれども,東京一極集中は一向に直らない。実は20年ぐらい前の地財ショックの後の東京独り勝ちのときから,地方の自治体としては,人口分散というキーワードで大きくいろいろ訴えていた。地方の過疎を解決するだけでなく,東京の過密も解決するんだ,お互いウィン・ウィンの関係なんだということを訴えてそういった分散策を訴えていました。その後,実際に地方創生という動きが出てまいりましたけれども,現実的には省庁の地方移転なんかも,僕が言うことではないですけれども,一つみたいな感じだったので,現実は動いていないんですけれども。
 やはり日本全体の発展を考えたときに,人口が増えるところで人が住まないと出生率に大きな違いがある中で,出生率の高いところに人を移していかないと,そういう政策をしないと,日本全体の子供の数が一向に増えない。人口が減っていく,例えば島根県は高齢者は既に人数的には減っていますけれども,高齢化率は高くなっている。でも,出生率は全国で3番とか4番とかをずっとやっている。こういった,出生率が高くても,人がいなければ,生首は増えないという状況であります。そういったところに人を増やす,国策としての地方分散をもうちょっと進めるに当たって各地方がどうあるべきかというところを考えたときに,やはり仕事づくりと,子育て環境づくりと,地域づくりと,人づくり,この四つの柱が大事だろうと思っています。
 そのうちの一つとしての人づくりの中にどうやってやっていくのかという,その大きな手法として私は社会教育があると思っています。なので,島根県は社会教育に僅かしかない県の予算のかなりの部分をかけて,維持をする。行政の仕組みとして維持をして,仕組みとして維持しますけれども,活躍の場は人がやっていると。社会教育主事であったり,社会教育士であったり,あるいは資格はないけれども,そういった方に感化された人たちがやっている。こういったので一生懸命地方を盛り上げよう,受皿として十分に機能を果たせるようにやっていこうとしているわけです。
 したがいまして,国策として社会教育をどう扱うかというときに,やはり東京の一極集中の解消とか,日本全体の人口を増やす,子供を増やす,こういったところを視点に入れながらやっていくことが僕は大事だろうと思っています。そういうことを東京一極集中の恩恵を受けている方々に説得しなきゃいけないというのが大変難しい。そこで生きて,生活の糧あるいは成功されている方々に言うのがとても難しいというのを,先日うちの知事がアベマプライムに出ていろいろな炎上系コメンテーターの方と議論をしたときに,帰って言っていました。
 だけど,本当に大切なのは,やはりそこを口説いた上で地方を盛り上げていかないといけない。我々はやはり社会教育を一つの大きなツールとして,その受皿となるべく盛り上げていく必要があるなということを,すみません,私,40年役人をやっているものですから,そういったことをとても強く感じさせていただいたこの1年間でございました。ありがとうございました。

【牧野部会長】
 どうもありがとうございました。
 では,副部会長を担当くださった青山さん,お願いいたします。

【青山副部会長】
 皆さん,1年間ありがとうございました。私自身は,自分自身が大学の主事課程を運営しているという立場もありまして,この10年ほどですかね,社会教育主事課程の検討の会議などにいろいろ混ぜていただくことが続いていた中で,その流れの中でいろいろと考えさせていただくことがまた広がったかなと思っています。
 先ほど牧野さんからも,社会教育概念そのものの見直しのような話題もありました。こうやって考えていくときに,大事なのは,社会教育かどうかということよりも,むしろ社会教育的かどうかというようなことの方が大事な場面が増えてくるのかなという気もしております。その議論を進めることが,安易に今,有効に動いている社会教育の枠組み自体を解体する方向になってはいけませんけれども,もう一方で,社会教育的なものをうまく広げていくというようなときに,社会教育士に代表されるような社会教育人材がどう養成されたり,活躍の場が広がっていくかということ,あるいは我々としては,社会教育的なるものをどう可視化したりとか,どう応用可能なものにして地域に根付かせていくかというようなことが求められているんだろうというようなことを考えながら今日最終回の議論を聞いておりました。
 1年間,私も本当にいろいろ勉強させていただきました。ありがとうございました。

【牧野部会長】
 どうもありがとうございました。
 では最後に,部会長の立場からですけれども,一言申し上げます。昨年5月にこの部会が立ち上がりまして,先ほど冒頭にも申し上げましたけれども,9回という非常に過密なスケジュールの中で議論してくださいました委員の皆様と,それから,この運営の方,大変だと思いますけれども,毎回毎回取りまとめをしてくださいました事務局の方々にまずはお礼を申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。
 私はこの部会に関わらせていただいて,大学でも教えているわけですけれども,大変勉強になったということはあるのですが,幾つか思いがあります。
 一つは,社会教育についての議論といいますか,過去は例えば中教審の方でも,社会教育,生涯学習についての議論があるわけですけれども,多くはやはり政策,それから,行政,そして研究の方でも,政策や行政やさらには実践の研究はたくさんあったのですが,いわゆる担い手論といいますか,職員論はあったのですけれども,社会教育主事,それから,社会教育士という,いわゆる担い手の在り方についてここまで議論をした部会,また分科会,さらには大学のいわゆる研究者はいなかったのではないかなと思うのです。
 例えば行政と実践をつなぐということもありますし,さらに,実践の在り方に関わりながら一般行政と教育行政を結んでいくとか,さらには,いわゆる実践の中での人々のつながりを作っていくという役割を担うような方々についての議論をここまでやったことがないのではないか,と思います。その意味では,不十分なことは十分分かっておりますけれども,今回の最終まとめが新しい方向性を示しながら,この社会の基盤を作っていく,そのことに貢献できればと強く願っております。
 さらにもう一つ,様々な思いがありますけれども,実は最近,私のいる大学の名誉教授たちなのですけれども,こんなことを言い始めているのです。私たちは今,根源的危機の時代に入ってしまったと。人間というのは過去,二つの大きな危機を持っていた。一つは内在的危機というもので,これは人間のいわゆる社会生活が作ってしまう危機です。例えば戦争とか,それから,経済の展開による例えば貧富の格差の拡大とか,さらには経済破綻による恐慌とか,また,貧困層の様々な苦難といいますか,そんなことがあったと。さらに,外在的危機というものがあって,これは人間社会の外から持ち込まれるものである。例えば天変地異です。地震又は津波とか,また,台風とか,さらに,私たちがここ最近苦しんだコロナのようないわゆる感染症のようなもの,そうしたものが持ち込まれてくる形で社会が大きな負担を抱えるということがあった。
 ただ,最近は何が起こっているかというと,実は人間の社会活動が外在的危機を招き込んでしまい,さらにそれを増幅,加速しているのではないか。これは例えば現在の地球温暖化を含めた環境の破壊といったことです。人間が今のような化石燃料を使って生活をし始めてほぼ300年近くたつわけですけれども,その間に地球の温暖化は1.5度近く上がっています。この後,100年で4度上がるのではないかというのです。そうなると,実はもう苛酷な状況になるどころか,生態系が崩れていますので,人類が生存できるのか,ということを言い始めているのです。
 その意味で私たちは今,三代ぐらい先までの子孫に想像力を伸ばしながら,今我々がどんな生活をするのかといったことを考えなければならなくなった。しかも,今回戦争が起こってしまっています。戦争については,いわゆる温暖化ガスがどれくらい排出されているかというのは,これは秘密事項なので出てきませんと,彼らは言っていました。ここ数か月又は2年間ぐらいで過去数十年分のものを出していることが確実だと言うのです。
 その意味では,人類が今この危機にあるときに国民国家単位で戦争している場合かと言い始めていますけれども,ただ,そうしたことを含めて私たちは今,ちょっと重い話になっていますけれども,日常生活でそれを全部引き受けなければいけない時代に入ったということにおいて,やはり根源的な危機の時代なのだろうと思うのです。誰かに任せておけば,また,政治家がやってくれるだろうと言っていてはもう駄目になってしまうと。
 そういう意味では今日いろいろ御議論がありましたけれども,地域社会であったり,また,基礎自治体でどのような形で自分たちが生活を成り立たせていくのか。そのときに一番基盤になるのは,全ての人々が参画をしながら,意思決定に関わっていくことである。そして,共同意思決定をしながら最適解を探していくというか,作っていく。そのときにやはり社会教育がとても重要になってくる局面に今入ったのではないかということを強く感じています。
 その意味では今回のこの議論というのは,それをどういう形で地域に実装しつつ,さらに,行政として又は政策として施策を作っていくのか,それをさらにどういう形で地域社会に下ろして実践していくのか,新しい生活を創るのか,といったことに関わるような議論ができたのではないかと思います。是非とも今回のこの最終まとめをベースにしながら,次の議論へと展開していただければと思っています。
 少し長くなりましたけれども,私の方からは以上になります。どうもありがとうございました。
 それでは,この9回の部会で様々な御議論をいただきましたので,最終的な取りまとめに向けて,私の一任で,今日午後5時からですけれども,生涯学習分科会に報告をして,公表の準備をしたいと思います。どうもありがとうございます。
 それで,今日はこちらに,生涯学習分科会の分科会長の清原さんがいらっしゃっていますので,一言御挨拶をいただいた後,総合教育政策局長の望月さんからも一言お話があるそうです。よろしくお願いいたします。

【清原生涯学習分科会長】
 皆様,こんにちは。中央教育審議会生涯学習分科会長を務めております,杏林大学客員教授で前三鷹市長の清原慶子と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日,社会教育人材部会の最終取りまとめに当たりまして,この間ちょうど1年間に9回にもわたる濃密な議論を重ねていただきましたことに,まず心から感謝を申し上げます。牧野部会長はじめ皆様,御多用の中,日程をやりくりしていただきましたことにつきましては,途中オンラインで傍聴もさせていただいておりましたので,皆様の御苦労に心から敬意を表します。
 さて,多くの皆様が異口同音におっしゃっていらっしゃいましたが,今回,人材部会として今期の最終まとめではあるけれども,まだこれからも社会教育人材については検討すべきことが残されていて,これからも関わっていきたいとおっしゃってくださいました。これまでも社会教育の人材養成に関わってこられたり,あるいは御自身が活躍されてこられた実践経験をお持ちの皆様の提案していただいた内容は大変重いものと受け止めております。今,牧野部会長がおっしゃいましたように,本日の生涯学習分科会で本日の取りまとめについて御報告をいただき,生涯学習分科会のメンバーにも共有をして,第12期のまとめの中にも大いに反映をして発信していきたいと思います。
 地域における学びと活動のオーガナイザーとしての社会教育人材の取組は,今後ますます,規模の大小を問わず,地域社会の現場で求められています。そうであるならば,そうした皆様が生き生きと活躍していただく条件整備をしていかなければなりません。自治体の首長経験者としては,しっかりと国と連携をしながら,市長部局も教育委員会も,そして民間の皆様も分け隔てなく連携をしていく仕組みづくりが重要だと思っています。特に地域の高等教育機関が,養成のみならず,その後の再研修とか,あるいはオーガナイザーそのものとしてもその機能を大いに発揮していただければと思います。
 長くなりました。結びに当たりまして,これまでの社会教育人材部会の皆様,そして傍聴して応援してくださった全ての皆様に感謝をして,今後も歩みを御一緒に続けていくことをお約束して,生涯学習分科会長のお礼の御挨拶といたします。皆様,どうもありがとうございます。

【牧野部会長】
 清原さん,どうもありがとうございました。
 それでは,最後になりますけれども,総合教育政策局長の望月さんから一言お願いいたします。

【望月総合教育政策局長】
 失礼いたします。局長の望月でございます。1年間にわたりまして,この社会教育人材部会,非常に濃密で活発な御議論をありがとうございました。牧野部会長の下で,改めて社会教育の裾野が広い,その中心になるのは,もちろん施設も必要なんですけれども,やはり人。人のネットワークをしっかりつないでいくための社会教育主事であり,社会教育士について,改めてその位置付けの重要性を確認するとともに,これは学校教育の補完ということではなくて,全ての人が関わる学びの場としての社会教育について改めて強く強化をしていかなければいけない,充実していかなければいけないということが,この審議を通じて,また,このまとめを通じて明らかになった,また,発信もさせていただくことができたというのは,皆様のおかげと思っています。どうもありがとうございます。
 今,清原分科会長からございましたけれども,本日の分科会の方でも今のまとめが盛り込まれるとともに,更にその先の議論もしっかり御提案いただいたことを生かすようなことも,我々行政としてもしていきたいと思っております。いずれにしましても,御議論いただいたこと,また,皆さん同じことでこの重要性を共有ができたということの中で,今後とも社会教育人材の育成あるいは社会教育の充実という観点でまたお力添えを賜れれば幸いでございます。本当にありがとうございました。

【牧野部会長】
 どうもありがとうございました。
 それでは,今回,第9回の審議・議論は,ここまでとさせていただきたいと思います。議事進行を事務局にお返ししますので,よろしくお願いいたします。

【粟津生涯学習推進課課長補佐】
 本日皆様に御審議いただきました最終まとめ案ですけれども,この後の分科会に報告した後,本日頂戴した御意見と分科会での議論を踏まえて,部会長と御相談の上,整い次第,皆様に御連絡差し上げるとともに,文科省のホームページで公開したいと考えております。
 事務局からは以上でございます。

【牧野部会長】
 どうもありがとうございました。これで閉会とさせていただきたいと思います。文部科学省におきましては,今回の最終まとめ案を踏まえて,今後も社会教育行政を推進していただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは,御出席の皆様,長時間の御審議どうもありがとうございました。お疲れさまでした。
 

―― 了 ――

お問合せ先

総合教育政策局生涯学習推進課

電話番号:03-5253-4111(内線2972)
メールアドレス:syo-bun@mext.go.jp
 

総合教育政策局地域学習推進課

電話番号:03-5253-4111(内線2977)
メールアドレス:chisui@mext.go.jp

(総合教育政策局生涯学習推進課)