子供の体験活動推進に関する実務者会議(第1回) 議事要旨

1.日時

令和4年9月9日(金曜日)10時~12時

2.場所

WEB会議(Webex利用)

3.出席者

委員

青木委員、秋本委員、秋山委員、阿部委員、柏崎委員、佐藤委員、多田委員、長澤委員、夏苅委員、平野委員、松下委員、山下委員、山本委員、湯浅委員、吉村委員

4.議事要旨

子供の体験活動推進に関する実務者会議(第1回)での主な委員の御意見は以下のとおり。


(今後の検討について)

  • 体験の場や機会の充実ということで、量的な観点の話が多くなってくるが、併せて同時に体験の質というところにも目を向けていかなければいけない
  • 体験をするといったら、我々は活動するとか何かをする行為をイメージしがちだが、リアルな体験の意味というのは、体験を通じてうれしいとか感動するとか何か不思議に思うとか、心の中の感じるということがすごく大事になってくる。企業の方々がたくさん関わっていただき、そこでその関わりを通して、子供たちの成長とか将来の夢につながっていくようなことがあればいい
  • 場とか機会をつくるということだけではなく、その体験を通じてどういう成長につながっていくのかということも視点に置きながら、議論を深めていければと思う
  • 個々の事例だけを見せるだけでなく、どのようなものがいい要素なのか、何が学習につながるのかといったもののあぶり出しも必要。どうコーディネートすればうまくいくのか、どのようにすれば教育の質が担保できるのか等についても議論し、あぶり出して示すことが必要ではないか
  • ポータルサイトとは、一体どういうふうに誰が見るのかというイメージがバラバラだと、この先の話が難しい
  • 今後回数が限られた機会で、どこにポイントを絞って議論を進めていくかということを想定したほうがいい

 
(企業等と教育関係者とのマッチングについて)

  • マッチングでもって先生方をサポートしていくというやり方も必要ではないか
  • コーディネーターとかプロデューサーという役割を担う人材の育成がまだまだ不十分。この枠組みをどのようにして考え、お金の問題を位置づけていくかという課題もあろうかと思う
  • コーディネーションをどうするかが非常に重要である
  • ユネスコスクールとかESDの教育とか、コミュニティー・スクールの紹介もあり、経済産業省で実施しているITのコーディネーターのような話もある中で、どのような形で連携してうまく進めていけばいいのかと思う
  • 学校や先生、教育委員会、文部科学省でもよいが、こういうものがやりたいというものがはっきりすれば、どことつなげばいいかが明確になってくるのではないか
  • 地方では、全国的ないわゆる都会のことについては情報が遅かったり、なかなか順番が回ってこなかったりすることもあるので、マッチングの部分が大事である
  • 学校現場としては新しいことになかなか手が出しにくいので、今までやっていたことに企業や様々な団体の方々の力を借りることができれば、非常に取っつきやすく、手が出しやすいものになるのではないか
  • コーディネーター機能を担う支援人材等の拡充機能強化が重要である
  • 企業と学校や地域を結びつけるコーディネート機能という部分がなかなか機能しづらい状況で、そこを何とかできればと思う
  • ニーズはあるけどどこに行っていいか分からない等、そうした部分に対するマッチングが必要である
  • 科学体験や文化体験、職業体験についても積極的に推進し、そのために必要なマッチング等の取組をしていくことは、本当に意義のあることだと思う
  • マッチングを進めていく中でも、関わる大人が、子供たちにどう関わっていくのかを学べる場があってもいいのではないか
  • ニーズが学校側や教育委員会側でどれぐらいあるのか計り知れていない。地域性があるのか、学校側で取り組めない部分があるのだとすれば、どのようなネックがあるのか知れると、今後のマッチングの中で生かせるのではないか
  • 教員にとって一番骨が折れるのはマッチングの部分ではないか
  • 情報の提供の仕方はすごく大事。ポータルサイトで、例えば「理科の実験」とか「小学校5年生」等で検索をかけたら、ぱっとプログラムが出るようなシステムがあれば、教員の負担がすごく軽くなるのではないか学校で体験活動を行う場合は、小中学校で校長を経験した退職者にコーディネーターとして入っていただき、元校長先生が実際に学校を回られて、どういうニーズがあるのかという話を聞き取ったり、学習内容について情報収集を行っている
  • 先生方の話を聞くと、探究ではない、できるだけ多くの体験をさせたいという御要望もある。先生方の要望に応じて、例えば教育課程の探究型であるとか、理科のこういうところに役立つとか、あるいはもっと一般的な体験か等、層別に選べる形になるとよいのではないか

 
(企業等の参加インセンティブについて)

  • 若手従業員と中学生とで対談した際、例えば「なんで研究者になったのですか」という質問があり、研究者からは「私はこういうことがやりたくて、製薬会社の研究者になったんだよ」とかそういう話ができ、非常にいいという評判をいただいた
  • 電車の仕事は運転士や車掌等、よく目にする人しかイメージがない中で、実はそれ以外のお仕事があるからこそ自分たちの安全が守られていることに気付いたという声を、プログラムに参加した子供からたくさんいただくことで、従業員自身のモチベーション向上になり、自分の仕事の意義を振り返ることができるといった、人と人の触れ合いだからこそ生まれるようなメリットが企業側にもある

 
(教育関係者の参加を促進する仕組みについて)

  • 先生方はお忙しい中で、やりたいけれどもプログラムを使っていただけないという場面を、かなりの数、今までも経験してきている。先生方にも使っていただきやすいプログラムや、あるいは先生方の環境改善も必要ではないか
  • 金融について教えることについて、現場では抵抗感があるとか、知識面でいろいろ不安に思われている先生が多い
  • 理科離れということもある。そういうところに対しての支援で企業として何かできればと思う
  • 指導の部分を青少年団体側が積極的にリードしてあげると非常に喜ばれて、とてもニーズも高くて、また利用いただける
  • 例えば、青少年団体のプログラムが理科で読み替えられるなど、企業の皆様に提供していただくプログラムが学校の教科に読み替えることができると、いわゆるカリキュラム・マネジメントの視点で、学校側の負担を減らし、体験と教科が一緒にできるのではないか
  • 小中高校生に対してマッチングを目的として学校現場に対して進めていく際に、この年代の子供たちだったらこういう体験をさせると有用ですよといったエビデンスとなる、現場に立つ教員とか校長を中心とした先生方に訴えかける際に武器になるような様々なパンフレットや参考資料があるとよい

 
(その他)

  • 職場の方々にアポを取ることを子供にやらせることで意欲も持たせることができるし、1週間仕事をするよりも、入口に入るところが大事である
  • 人口減少が進む中で、地域の将来を担う若い人材の不足は、地域においてより深刻の度を増している。その意味からも、学齢期の子供たちが地域の中で様々な大人と触れ合い、豊かな体験を通じて、好奇心や探究心、勤労観や郷土愛を育むことが非常に大切である
  • 社会全体のデジタル化を進めることは不可欠であるが、だからこそリアル体験の重要性はさらに増す
  • コロナ禍の影響を受け、特に中学校は宿泊体験も減り、体験学習があおりを受けて減っている。(小学校向け以外の)体験学習のシステムがない状態にある
  • コロナの中では、ものすごく自然体験活動に飢えている家庭が多かった
  • 大きくなってくると、それぞれの興味に基づくことが大切である。マスというような広さの部分の体験と、もう一つは、個別の多様性に応えられるような体験という、2軸で体験活動を実施している

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総合教育政策局地域学習推進課