「2030デジタル・ライブラリー」推進に関する検討会(第4回)議事録

1.日時

令和6年2月7日(水曜日)16時00分~18時00分

2.場所

文部科学省 東館17階 研究振興局会議室 ※オンライン会議にて開催

3.議題

  1. 新しい「デジタル・ライブラリー」の在り方について
  2. 学術情報流通に関する調査について(非公開)
  3. その他

4.出席者

委員

竹内主査、林主査代理、石田委員、大山委員、小山委員、杉田委員、西岡委員、日向委員、松原委員

文部科学省

嶋崎参事官(情報担当)、藤澤学術基盤整備室長、吉田参事官補佐

5.議事録

【竹内主査】  では時間になりましたので、ただいまより第4回「2030デジタル・ライブラリー」推進に関する検討会を開催いたします。本日はオンラインでの開催となりました。報道関係者も含め、傍聴者の方にはオンラインで参加いただいております。また、通信状態等に不具合が生じるなど続行できなかった場合、委員会を中断する可能性がありますので、あらかじめ御了承をお願いいたします。
 まず事務局より、本日の委員の出席状況、配付資料の確認とオンライン会議の注意事項の説明をお願いいたします。
【吉田参事官補佐】  本日の出欠でございますけれども、本日は委員9名の先生方全員御出席でございます。現地参加が5名、オンライン参加が4名でございまして、松原委員におかれましては途中退席と伺っておりますが、よろしくお願いいたします。
 続きまして配付資料に関しましては、本日は非公開議題も含まれておりますけれども、議事次第以下、資料1から資料4と、あとは机上に参考といたしまして予算のポンチ絵を添付しておりますので、御確認をお願いいたします。
 続きましてオンラインの先生方へのお願い事項といたしまして、いつものことで恐縮でございますけれども、通信の安定の確保のため、御発言時を除きましてマイクはミュートに設定いただきまして、ビデオはオンのままでお願いいたします。御発言の際は手のアイコンをクリックいただき御連絡いただきまして、御指名された先生は御自身でマイクのミュートの解除をお願いいたします。また、御発言の際は最初にお名前をおっしゃっていただきまして、ゆっくりはっきり御発言いただければと思います。また御発言の後は、先生御自身で手のアイコンを非表示に戻していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 現地参加の先生方におかれましても御発言の際には挙手にてお知らせいただきまして、御指名された先生は中央のマイクに向かいましてゆっくりはっきり御発言いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 事務局からは以上でございます。
【竹内主査】  ありがとうございました。
 それでは事務局より、本日の傍聴登録について報告をお願いいたします。
【吉田参事官補佐】  本日の傍聴に関しましては登録者171名でございまして、報道関係者の方も御登録がございます。また、本日は録音・録画が入りますので、御承知おきいただきますようよろしくお願いいたします。
 事務局からは以上でございます。
【竹内主査】  ありがとうございました。
 それでは審議に入りたいと思います。本日はまず事務局より、前回の議論を踏まえ再度構成した「新しい『デジタル・ライブラリー』の実現に向けて検討すべき課題」、それから「『デジタル・ライブラリー』実現に向けたロードマップ」のたたき台について説明がございます。それぞれ議論を進めていきたいと考えております。また、これらの審議の後、非公開での審議事項がございますことを御承知おきいただければと思います。
 それでは「新しい『デジタル・ライブラリー』の実現に向けて検討すべき課題」について、資料1に基づき、事務局より御説明をお願いいたします。
【藤澤学術基盤整備室長】  では資料1を御覧いただければと思います。これまでも何度かそれぞれやってきておりますので、前回から新しく加わったところ、主なところを赤で示しております。
 まず1番目のところでございます。一番右のところでございますけれども、デジタル化・オープン化の進展を踏まえ、コンテンツの集約形態について国会図書館とどのような連携が整備・検討できるかということを、実現に向けて検討すべき課題として加えております。これは会議後に委員から頂いた意見でございます。
 その下でございますけれども、電子ジャーナルについて、前回、杉田委員から一言加えてはどうかということもございましたので、文言を追加しております。
 更に下に行きまして6番目でございます。こちらは若干強い言葉があったので、少し変更させてもらっております。赤文字の「コンテンツの利活用に関わる権利等」が「権利処理」と書かれておりましたので、変更させていただいております。この辺りの御意見は、前回、石田委員から著作権の話等々出ておりましたので加えさせてもらっています。
 次の「場」のところは特にございません。
 「人材」の部分の上のところでございます。林委員、日向委員から御意見の出ていた生成AIを、今回の資料の最後に加えております。まず、理念の審議のまとめのところでございますが、こちらは前回入っていなかったのですが、1つ加えさせてもらって、もともと審議のまとめにあった、「各種デジタルサービスや情報資源の多様化に対応可能な、より高度かつ広範な知識やスキルが必要」ということを書かせていただきました。
 それに対し、望ましい大学図書館の姿ということで、真ん中でございますけれども、「図書館機能の高度化・効率化により、従来業務の省力化がなされ、より専門的な教育研究の支援業務に従事」ということ。
 更に課題といたしまして、一番上でございますけれども、「AI技術等の最新情報科学技術の状況を把握し」という辺りを加えているところでございます。
 その下、2番目として、「研究のライフサイクルの理解を前提とした人材を育成」ということで、審議のまとめで書かれているところでございますけれども、松原委員から研究支援業務における役割とそのフローの明確化・見える化・効率化という御意見がございましたので、一番上の赤部分のところで、「各部署の研究支援業務における役割とフローを明確にするため、研究のライフサイクルと研究者側の作業フローの把握・整理」と示させてもらっております。
 その下でございますけれども、石田委員のプレゼンの後の応答の中にプログラムの履修証明の話が出ておりましたので、「研修プログラム等を検討」と書かせてもらっております。
 「人材」の一番下でございますけれども、西岡委員から支援体制の構築が入っていないのではという御意見が出されました。もともとはっきり書いていなかったところがありましたので、審議のまとめのところにしっかり書かせてもらっておるところでございます。
 次の効果的な連携のところでございます。右の方、「一大学一図書館」にとらわれないということで、赤文字で書いてありますけれども、会議後に委員から出た意見でございますが、「学術や社会の情勢はカオスな状態にあり、取りまとめた前提条件がすぐに崩れる可能性もある」こと。「大学図書館を取り巻く状況や、検討会での議論を踏まえ、ロードマップ等は適宜見直しを図る」ことを、加えさせてもらっております。
 それと、1、2、3と左の方に書いているのですが、前回3つあった項目のうち1と2を1のところにまとめております。下の方に3番で、全体の項目の見直しということで書かせてもらっております。石田委員から、大学を超えて情報交換・相互協力できるネットワーク・枠組みの構築が必要だという御意見をいただきました。そこを踏まえて、赤文字で書いていますが、「より緊密な人的ネットワークを形成」すること。更に下の方に行って、「連携・協力のメリットと、各館独自の需要に合わせた取組のメリットをそれぞれ生かすことが肝要」ということを審議のまとめから引っ張り、更に2030年の望ましい姿ということで、「大学を超えた実務者・専門家によるネットワークや枠組みが作られ、今後発生する新たな課題に柔軟に対応できる仕組みを構築」ということ。更に課題といたしまして、まさにその枠組みの構築の辺りの検討を書かせてもらっているということでございます。
 下の5番でございます。こちらは新しく加わったところでございますが、審議のまとめ以降に新たになった課題ということで、林委員から、大学図書館と地域・市民との関係に言及した方がいいということがございましたので、「大学の社会貢献として社会課題解決に向けた対応」ということで、加えさせてもらっております。更に、実現に向けて検討すべき課題として、「市民を巻き込んだ新しい科学への対応(シチズンサイエンス)」という形で書かせてもらっております。
 また、先ほども「人材」のところでございましたけれども、「情報科学技術の発展に伴って生まれてくる様々な新しいツールへの対応」ということで、「生成AI等を大図書館機能としてリデザインできるかどうかの検討」が必要ではないかということをこちらで明記させてもらっております。
 簡単ではございますが、以上です。
【竹内主査】  ありがとうございました。前回の議論、そしてその後、委員の皆様方から事務局にお寄せいただいた意見等を加えていただいて、審議まとめをベースとした「新しい『デジタル・ライブラリー』の実現に向けて検討すべき課題」が、総合的に全体像を書き表すという趣旨で作られているわけでございますけれども、委員の皆様方から、例えばこの点が漏れているとかここが不正確である等々、御意見を頂ければと思います。松原委員におかれましては途中御退室される必要があるということですので、もし現段階で御意見があればお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
【松原委員】  松原でございます。
 全体を拝見させていただきました。新しいデジタル・ライブラリー実現の検討課題に掲げられたキーワードがそもそも議論のスタートであったと思います。教育・研究支援サービス、情報科学技術及び「場」、サービス実現に求められる人材、大学図書館間連携において、それぞれのキーワードがございましたけれども、それらに相当する姿あるいは課題が網羅的に記述されていて、私からは特に申し上げることはございません。よくまとまっていると思っております。
 以上でございます。
【竹内主査】  ありがとうございます。では、ほかの委員の皆様方から何かお気づきのこと等ありましたら御発言いただければと思いますが、いかがでしょうか。では石田委員、どうぞ。
【石田委員】  九州大学の石田です。
 いろいろ反映していただきましてどうもありがとうございました。細かいところですが、5の「審議のまとめ以降に明らかになった課題」の2番目の実現に向けて検討すべき課題のところは、AI等の新しいツールを検討するところはもちろん賛成ですけれども、「図書館機能としてリデザインできるかどうかの検討」と書いてあるので、かなり深く組み込んだ形を想定されているのか、例えば図書館員の方がサービスを提供する際のサポートとしてのツールとして考えていらっしゃるのか、どの辺りを想定されているのかということが少し疑問に思いました。
【竹内主査】  事務局からどうぞ。
【藤澤学術基盤整備室長】  ありがとうございます。私のイメージはどちらかというと後半の方かと思っていました。がっちり絡むと難しいところがあると思ったので。ただ、今後議論していく中で、実際1年前に生成AIという話が出てきたように、どうなるかは正直見えないところもあるので、今後いろんな組み方はあるのかなと考えております。
【石田委員】  分かりました。要は今までの代わりとしてAIを使うという話とサポートとしてというのは結構違うので、どこまで踏み込むかは図書館側の決断でもあるかと思ったので、一応申し上げました。お答えに関しては納得しております。
【竹内主査】  では林委員、どうぞ。
【林主査代理】  林です。横からすいません。
 「リデザイン」という表現に相当踏み込んだコンテクストが入っているので、そこを「活用する」とか表現を和らげるのが一つの手かもしれないと思いました。「リデザイン」を入れたいと思う気持ちも分からなくもないところで、少しコメントさせていただきました。
【藤澤学術基盤整備室長】  ありがとうございます。
【竹内主査】  ありがとうございます。この辺はどこまでかというところは大変難しいですけれども、「リデザイン」というように修正したのは私ですが、かなり踏み込んで考えていました。もう図書館員がわざわざしなくてもいいことをする必要はないのではないか。むしろ、これまでの図書館の機械化と言われる、非常に古めかしい言葉で言いますけれども、その時にも結局のところは人にしかできない仕事を図書館員はするべきであって、それ以外のことは機械的な処理に任せればいいという発想でずっと来たと思うのです。
 生成AIがどこまでその可能性があるのかを今語ることは非常に難しいと思います。そこまでするのか、あるいはしないのか、可能性はあるのか、ないのかという議論は必要であって、今の課題としては、私は踏み込んでおくほうがいいという気がしているのですけれども、委員の先生方の御意見を頂ければと思います。
 いかがでしょうか。小山委員、どうぞ。
【小山委員】  ありがとうございます。まず、前回出席できなくて申し訳ございません。議事録を拝見し、生成AIの話もそうですけれども、より野心的な議論も併せてこの中に組み込むのはとてもよいと思いました。
 私からは3点ございます。1つ目が(1)の教育・研究支援機能、新たなサービスの6番目、理念の2つ目の丸で「デジタル化資料の長期保存、バックアップとしての紙資料の保存」というところです。デジタル・ライブラリーという枠組みあるいは目指すべき目標があるので、「バックアップとしての紙資料の保存」という表現はもちろん分かります。ただ、今ある紙資料をいかに今後生かしていくのかという視点は、右側の2030年の望ましい大学図書館の姿にあっていいのかなと感じました。今なお大学図書館はそれも活用しながらサービスを展開していますので、それも含めてどんなサービス形態、サービスの対応が実現できるのかということを考えました。
 2つ目が(2)の3番目でラーニングコモンズの話がございまして、「ラーニングコモンズ等の学修環境を大学全体として再構築」と大きく掲げた上で、2030年の望ましい大学図書館の姿と実現に向けて検討すべき課題が記されていて、これは全くそのとおりだと思っています。その上で、これをいかに大学関係者全ての方々に届けるか、例えば本検討会、国が主導するのかとか、竹内主査が前回もおっしゃっていましたけれども、この文書も含めてステートメントとして発信することで関係者にいかに動いてもらうのかといったこと、そことの連動に注目しています。これはコメントのような、感想のようなものです。
 最後に(4)の大学図書館間の効果的な連携についてです。特に今回追加された3番目は、前回も石田委員や西岡委員が、いろいろな御意見をおっしゃっていたと思います。「大学を超えた実務者・専門家によるネットワークや枠組みが作られ」と2030年のところに書いてありまして、これは今もちろん行われていますし、実現しつつあるところもあるし、杉田委員からの京阪神の話もそれに類似すると思います。それを最終的には実務のレベルでどう実現するかだと思うのですけれども、どんな水準の、あるいはどんな専門家の枠組み・ネットワークがあり得るのかということも、議論したりいろんな事例を集めたり、といったことを情報発信できるかなと考えました。これも感想というか、コメントになります。
 私からは以上です。ありがとうございました。
【竹内主査】  ありがとうございました。多岐にわたって御意見を頂きましたけれども、少なくともこの検討すべき課題の修正という点についての御提案としては、(1)の6のところの紙資料の保存のところで、バックアップとしての紙資料云々というところの話として、紙資料の活用を続けるのか続けないのかというような話を書き込むのかどうかということかと思いました。表現がとても難しいですけれども、それが大事なのは当たり前で、言わなくてもするのではというのが正直なところです。我々が向かっていく課題の中でそれを書くことがミスリードにならないかも含めて、その辺は考えたいと思います。ありがとうございました。
【小山委員】  分かりました。ありがとうございました。
【竹内主査】  では日向委員、よろしくお願いいたします。
【日向委員】  日向です。
 先ほど竹内主査からありましたAIの件です。AIが、何ができるかはまだ検討中の部分なので、今の時点で限定するような形よりも、例えば図書館の機能もしくは教育支援の機能、研究支援の機能にがっつり入れる大学もあれば、サポートとしてやっていく部分もあればいいと思いますので、あえてサポートだけに限定する必要はないと思っています。
 この文章でいいかと思いますが、「リデザイン」はやはりいろんな受け取り方があるかな。例えば「再構成」と言ってしまうと、一回図書館をばらばらにして生成AIを組み込んでいくような、すごく大きな話になり過ぎてしまうという意味では、「リデザイン」ということでそれぞれのイメージでやってもらえればいいということで。私は今の時点でそのサポートだけに限定するのはあまりいいことではないと思いますので、ここでの実現すべき課題は、この「リデザイン」は図書館の中に生成AIを積極的に組み込んでいくことも含んでもいいのではと私は思っています。
 以上です。
【竹内主査】  ありがとうございました。広く受け取れるような表現で、もちろん生成AIを全面的に組み込んでいったような新しい図書館機能を構想する大学があってもいいし、あるいは若干サポーティブに使う、道具として使うところに限定するところがあってもいいと、そういう御意見かと思います。ありがとうございます。
 ほかにいかがでございましょうか。よろしいでしょうか。
 それでは続きまして「『デジタル・ライブラリー』実現に向けたロードマップ」のたたき台について、先ほどに引き続きまして事務局より説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【藤澤学術基盤整備室長】  では資料2、こちらは「『2030デジタル・ライブラリー』実現に向けたロードマップ(たたき台)」です。たたき台ということでつくらせてもらったのですけれども、実際にこの形でいいか、どこまで細分化するかも含めて、今日御議論いただければと思っています。
 まず左の方、【1】から【4】まで、これまでの「支援機能・サービス」、「場」、「人材」、「連携」ということでつくらせてもらっております。2024年度、2025年度とありますが、それぞれ書いていることはほぼ一緒でございまして、2024年度は、まずは学術情報流通に関する調査を行う。それは2番目、3番目、4番目も同じです。あと、既存の調査の整理をするということ。2025年度、調査を受けた整理をして、今後どうしていくか、好事例の実装に向けた検討をしていくということ。
 更に2024年度、2025年度で連続していますけれども、「各大学図書館、図書館関係団体等による検討」ということで、それぞれ「サービス」、「場」、「人材」、「連携」でどういったことが考えられるかということを書かせてもらっております。例えば「場」については、審議のまとめで出た「ライブラリー・スキーマ」とそれに基づく図書館機能のデザインに関する検討をどうすればいいかというところを書いております。
 それを踏まえて、2026年度以降、ここはもう「第7期科学技術・イノベーション基本計画」の時期になりますけれども、実証研究、ロードマップを更に見直して、実際デジタル・ライブラリーをどう実現するか、ここまではまだ書いていないところでございます。
 ということで、簡単ではございますが、私からは以上です。
【竹内主査】  ありがとうございました。このロードマップにつきましてはたたき台という位置付けでございまして、書きぶり、表現の方法も含めて、これを前提としてお考えくださいというものではないことを最初に申し上げておきたいと思います。
 我々としてはこのデジタル・ライブラリーの実現に向けて検討すべき課題をまとめましたので、これを2030年までということでロードマップをつくるということで、そしてこのロードマップにおいては基本的にはバックキャスト的にマイルストーンを置いていくようなことを想定するものでございます。今のまとめはどちらかというと具体的に何をやらないといけないかということをベースに、特に2024年度、2025年度の部分は書いていただいておりまして、その中で特にどこに焦点を当てていくべきなのか、何にプライオリティーを与えて進めていくべきなのかということについては、まだ整理のできていない部分がございます。
 ですので、今日は、先ほど全体として皆さんに御確認いただきました検討すべき事項案をベースとして、ロードマップに落とし込んでいくのに我々は何にプライオリティーを置きながら2030年を目指していくのかということも少し御意見を頂きつつ、このロードマップの具体化の方法について自由なディスカッションができればと考えているところでございます。どなたからでも結構でございますので、御意見を頂ければと思います。完全にフリーディスカッションでこの部分はやりたいと思います。どうぞ。
 石田委員、どうぞ。
【石田委員】  全体像をちゃんと理解しているかどうか分からないという前提でお聞きしたいのですが。
 まず2番の「場」のところの「学術情報流通に関する調査」。このタイトルも適切かどうかというところはあるのですが、ここの「学修環境等におけるDX事例調査」でどういったものがDXの事例になるかがイメージできないので、どういうことを想定されているのか。つまり、既にDXの事例があるのかというところも含めて、どういったことを想定されているのかを少し教えていただきたいと思います。
【藤澤学術基盤整備室長】  2024年度に調査をしていこうと思っているのですけれども、そこも含めて御相談したいと思っているところでございます。ここではこう書かせてもらっていますけれども、実際どれだけDXの事例があるのかは我々も把握しているわけではないので、そこも含めて調査をかけたいということでございます。
 以上です。
【石田委員】  ありがとうございます。ここでは短くDXと書くしかないと思うのですけれども、もう少し幅広い形のデジタル化対応であるとか、情報技術といったものも含めた活用事例が調査できるといいかと思いました。
【竹内主査】  ありがとうございます。この辺、なかなか表現の難しいところがあって、正直申し上げて、現時点では、先ほども申し上げましたように、検討すべき課題で挙がっていることを具体的なロードマップに落とし込んでいくのに、どういう形でそれを表現して、そして何をどういうふうに、調査あるいは違う方法で方策を見いだすかということについて、まだきちんと整理されていないところがあって、特にたたき台に入っている言葉については、まだ抽象度が高くて具体性がないという問題はあると思います。
 今日皆さんに御意見を頂きたい部分がまさにそういった部分でして、具体的に2030年に向けて何を優先していくのかというところについて御意見を頂きたいので、今の段階では細かい表現については少し横に置いておいていただいて、具体的にここに書いてある中身としてはこんなことがあるのではないかとか、これを優先すべきだというような形で御意見を頂ければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 では石田委員、どうぞ。
【石田委員】  そういう意味では先ほどの追加で、一応パンデミックが終わったことにはなっていますが、昔どおりの図書館の使い方には完全には戻っていないというお話をよく聞いていますので、現時点での図書館の利用のされ方であるとか、新しいサービスなり何なりの使われ方、もしくはオンラインで講習なども提供しているところも多いと思いますので、そういったところも含めて調査していただけるといいのではないかと思いました。
【竹内主査】  ありがとうございました。大変有益な御意見だと思います。
 それでは手が挙がっておりますので、まず日向委員からお願いできますでしょうか。
【日向委員】  日向です。
 私も、石田委員がおっしゃったとおり、まず支援機能、サービスで変わったところがかなり多くあると思いますし、特にデジタルデータへのアクセスという部分についてはいろんな方法が各大学でも試されていますし、常識になっている部分もありますので、そこの部分についてまず調査をしていって、その中で何を変えていけばいいかという課題が必要になってくると思っています。
 あと、人材整理の部分は、もしかしたら検討やその後のプロセスにかなり時間がかかるかもしれませんので、先にどういう能力があるかとか、もしくはどんなスキルが必要だと思っているかのような、現状だと意識調査的なものしかできないかもしれませんが、そういう調査が必要かと考えています。
 あと、ほかに調査が行われているのかもしれませんし、小山委員が御専門かもしれませんが、図書館のサービスを受ける側の意識とかニーズ調査のようなものも今後必要かと思いました。
 私の意見は以上です。
【竹内主査】  ありがとうございます。いろいろと調査という言葉が2024年度に出てきておりますので、そこが委員の皆様方の目を引いているところだと思うのですけれども、何を調査するかということについては、もちろん今の状況を、ということはあるのですが、やはり2030年に向けてどういう調査が必要かということが重要になってくるので、2030年に向けて我々がまず考えるべきことは何なのか、優先的に取り組むべき課題は何なのかというところから、調査の要素、何を調査するかということについても議論を深めていければと思いますので、その辺に御留意いただければと思います。
 ではお待たせいたしました。小山委員、どうぞ。
【小山委員】  ありがとうございます。竹内主査から求められた意見とは異なるのですが、まず1つだけ確認したかったのは、調査とか整理検討と表現されていますが、1から4それぞれのグループの中の上部に記載されている3つの項目の主体はこの検討会なのでしょうか。下部にある「各大学図書館、大学図書館関係団体等による検討」は主語がはっきりしているのですが、上の3つの主語、主体は何なのかということをまず確認させてください。よろしくお願いします。
【藤澤学術基盤整備室長】  下の方はまた後で御説明させてもらいますけれども、国が主体となって調査をするという意味です。
【竹内主査】  ありがとうございます。
【小山委員】  ありがとうございます。その上で、先ほど竹内主査からお話がございました、優先的にこういったことはきちんと把握した上で次の検討の材料にすべきであるという、そのための意見を述べる時間になっていると理解しました。
【竹内主査】  では少しお考えいただいて、ぜひ御意見を頂ければと思います。
 では杉田委員、お願いできますでしょうか。
【杉田委員】  適切なお返事になるか分かりませんが、1の教育・研究支援機能、新たなサービスということについては、私が言うまでもなく、即時OA義務化という話題が巨大な問題としてあるように思います。
 この即時OA義務化がどのようになされ、2030年までそれをどうモニタリングしていくとかということも含めて大きな柱になるのではないかと思います。1には6項目がありますが、即時OA義務化を幹として、全体を枝葉として見ていくぐらいのバランスがよいのではないかと思いました。
【竹内主査】  ありがとうございます。大変重要なことであって、議論する上で必ず注意しておかなければならないことですが、我々のこのデジタル・ライブラリーに関する議論が図書館の中に閉じた議論にならないようにするためには、やはり大きな政策的な枠組みの中での大学図書館の位置付け・役割の理解と議論が必要であると思いますので、杉田委員から御指摘のあった点は、確かにこの1の基盤的な部分をどういうふうにつくるかということを考える上では非常に重要な御示唆だろうと思います。
 ただ、その中で即時OA義務化の問題はこれからのコンテンツの問題ですので、これまでのコンテンツをどうするかという問題は大きなものとしてやはり並行して考えないといけない重要な領域になってくると思ってはおります。
 では林委員、どうぞ。
【林主査代理】  主査の御希望に応える前に1段階踏むことになるのですが、これを例えば政治家に見せたときに、どう伝わるかということが見えていなくて。これは図書館の方々にはもちろん自明かもしれないですが、2030年あるいはこれはt(時間)軸ならt軸を無限大に行ったときにどういう社会になっているのか、それに向けてのロードマップだということがあるかないかで大分受け止められ方が変わるという話。それからバックキャストでやると、理想論になりますが、そういうプロセスで我々はやりましたと言えること自体がすごく大事なのかと思いました。
 以上です。
【竹内主査】  ありがとうございます。それにつきましては先ほど小山委員から御指摘があったかと思いますけれども、方向性としては我々のステートメントできちんと示さないといけない部分かと思いました。やはり大学図書館の中に閉じた議論はしたくないです。大学全体、あるいは学術全体にどのようなインパクトを与える議論を我々はしているのか、そういったことが多分ステートメントの中に出てくる話で、まだステートメントについてはあまり詳細を議論しておりませんので、次回の検討の中で意識させていただきたいと思います。
【林主査代理】  あと1点補足させていただくと、図書館の大原則をメタレベルで書くだけでもいい気がしていて。そうすると何がいいかというと、大原則は(時代を超えて)本質であることと、図書館が抱えているチャレンジ、課題は(その原則に沿った)普遍的なものであることを対外的にアピールできるチャンスだと思うので、その辺を整理して並べるだけでもよいかと思います。その先に社会はこうなる、大学はこうなる、図書館はこうなるみたいなものが、あとは主査のおっしゃるとおりだと思うので、そこをうまくやるとロードマップのプレゼンスが更によくなると思いました。
【竹内主査】  大変貴重な御示唆をありがとうございました。日頃からそういう方向での議論をされている林委員ならではの御示唆ではないかと思います。
 では大山委員、どうぞ。
【大山委員】  ロードマップということで時系列を意識したものになるかと思うんですけれども、なかなか今の段階でこれをきっちりしていくのは難しいなと感じていて。理想としてはこの2026年以降のところ、今、空欄になっていますけれども、ここへ何かしら大きな柱が入ってくるといいなと思っています。
 ただ、それを何にするかというと、例えば「ライブラリー・スキーマ」のプロトタイプ的なものを2026年、2027年とかその辺、中間地点までにつくっておくという、割と大ぐくりなものは考えられるのですが、なかなか個別の、特に「各大学図書館、大学図書館関係団体等による検討」という部分をそんなに事細かくは書けないような気がして。例えば各大学でやることはそれぞれの大学の年次計画と関連させて進めていくことになると思うので、細かく決めてしまうことはできなくて、このマトリックスの中にあるところから各大学が選んでいく形になるのかなと思いました。
 一方で、上の調査、また既存調査の整理というところは、もう少し時系列である程度書けると感じていまして。この粒度をそろえる必要はないと思いました。具体的にどうするかは別として、ロードマップの構成としてはそういった形が考えられると思った次第です。
【竹内主査】  ありがとうございます。大変有益な御示唆を頂きました。おっしゃるとおりで、現在のたたき台は誰が何をやるかというところがポイントになっていて、どこに焦点を当てて動かすかということでは実は書かれていないです。これを再構成するほうがいいかと、私もこれを見ていて気になってはいるのですけれども、その時に、どのトピックについてきちんとやっていくべきなのかということをロードマップとして描いていくべきで、その中で国はどういう検討、あるいは調査をするとか、あるいは図書館関係がこういう検討をするとかということが少し見えてくるほうが多くの方に理解を頂けると思いますし、また、ここで各大学図書館にこれをやりなさいと言ってしまうのも少し違うかもしれないというところもございますので、その辺はぜひ、大山委員から御指摘があったような方向で整理させていただければと思います。ですので、先ほど来の繰り返しになりましたけれども、何を重点的に考えていくべきなのかというところかと思います。
 というところで、1のところについては先ほど杉田委員から、やはり即時OA義務化ということを一つの軸として、コンテンツのオープン化についてどうなっていくのかということがありましたので、これについて私から発言しましたように、やはりこれまでのコンテンツをどのようにハンドリングしていくかということと並行して、2つの大きな領域課題として出てくることにはなると思っております。
 2のところについて、大山委員からは、「ライブラリー・スキーマ」という多方面で議論を呼んでいる言葉について、その実装を一つの軸としてはどうか、優先的に考えるべき領域としてはどうかという御提案と私は受け取らせていただきました。
 それ以外のところについても、やはり中心的な軸となっていく活動は一体何なのかと。大きく4つに分かれていますけれども、軸となっていく活動というか、ターゲットエリアは何なのかというところが、今日皆様方から御意見を頂いて、次のこのロードマップの整理に向けて考えていく一番大きなポイントになるところかと思っておりますので、そういった観点でぜひ御意見を頂ければと思います。
 ではいかがでしょう。石田委員、どうぞ。
【石田委員】  石田です。
 少し私がやっていることに引き寄せてしまいますけれども、やはり人材のところでは研究データ管理・公開等に関わるスキル、研修等をぜひ調査していただければありがたいと思っております。
【竹内主査】  まずそれは調査の段階でということですね。
【石田委員】  はい。
【竹内主査】  そういったことをきちんと大学図書館が関わりながらやっていけるようにしていくことが、2030年の課題実現に望ましい姿ということになりますね。
【石田委員】  そういったことを含めて考えていくと、研究データ管理に関して図書館がどういう役割を担うかというところにもつながると思うので、その辺りも見据えた上での調査をしていただきたいと思っております。
【竹内主査】  ありがとうございます。確かに人材のところで、資料1の4ページ目、(3)の4のところで、「図書館を含めた大学内での関係部署が、適時適切に連携協力する体制を構築」ということがございますので、当然そこには大学図書館の役割の明確化も入ってきているということで、それを視野に入れた人材像、人材の在り方、人材の姿をロードマップの中に落とし込んでいく。その最初のポイントとしてはスキルに関する調査等があるというお話だったかと思います。
 そのほかいかがでございましょうか。杉田委員、どうぞ。
【杉田委員】  研究データ管理のためのスキル、人材育成をというところは非常に大事なところだと思います。海外でも国内でも研究データ管理のための人材はどのようであるべきかということについてはいろんなところで調査研究を進められていて、NIIさんや「AI等の活用を推進する研究データエコシステム構築事業」でもやっていると思います。あまり車輪の再発明が重なるようでない進め方になってほしいと思いました。
 それから、先ほどコロナの前と後で図書館がどう変わったかという話がありました。一方に「ライブラリー・スキーマ」という話があります。とすれば、コロナの前と後、あるいは物理的なところからサイバーなところ、紙の資料からデジタルなところで、何が変わったというのではなくて、何が変わらないかという視点が要るのではないかなと思います。
 以上です。
【竹内主査】  ありがとうございました。確かに何が変わっていないのかということが言ってみれば本質論かもしれませんし、あるいはそこが本当に改革すべきところなのかもしれないというところですね。その辺りは人々の意識とかいろんなものが複雑に絡んでいるので、非常に議論の難しいところかもしれませんけれども、非常に重要な御指摘を頂いたと思います。
 では日向委員、どうぞ。
【日向委員】  日向です。
 やはりデジタル・ライブラリーとなったときに、場としての図書館は要らないのではないかという人も結構いらっしゃると思いますね。図書館自体がインターネットに拡散して、大学のキャンパス内に図書館という物理的な場所が必要なのかということについてはすごく疑問もあるし、個人的にはあったほうがいいし、ラーニングコモンズとかの新しい役割も考えていくべきかということを考えています。
 物理的な資料を保存する場だけの場所になるのか、それともその資料を保存しておくことが各大学で必要なのか、私もやはり疑問を持っているところです。今の大学図書館みたいに各大学で各資料を持つこと自体が、私はあまり必要ないのではないか、中核的なところにまとめて、ある意味集中的な保存でもいいのではないかとか、そういうことを考えるので。連携という部分でいえば、地域ごとの連携の先に、例えば国会図書館も含めた全国的なまとまりを見据えていくこともあり得るのではないかということを思っています。
 ロードマップについてどうかという話ではないですが、そんなイメージを持っていることを表明いたします。
 以上です。
【竹内主査】  ありがとうございました。今御指摘のあったところは、検討すべき課題の(1)の最初に書かれている話に関わることかと思いますけれども。やはりデジタルのものと紙のものの共存というのでしょうかね、ハイブリッドな環境の中でそれぞれの大学図書館の立ち位置をどう見ていくのかというお話だったかと思います。大学による違いも意識しつつ、国全体の基盤として何をどうするかという話が関わってくると思いますので、その辺りは確かに今後深い議論が必要になってくる部分と言えるかもしれません。
 そのほかいかがでございましょう。では西岡委員、どうぞ。
【西岡委員】  国立情報学研究所の西岡です。
 先ほど1番について2025年度の即時OA義務化と過去の資料のハンドリングについてスポットを当てたほうがいいという意見があったところです。2030年度を考えたときに、現在は2025年度の即時OA義務化によって図書館の人が論文のアクセスに再びフォーカスしているような状況かと思いますが、研究データや図書のオープン化も非常に重要だと思います。現在関心があることとしては即時OA義務化のため論文のことが中心になることは理解できますが、研究データや図書などの多様なコンテンツについても、取りこぼしを行わないように調査を行えればよいと感じたところです。
 また、調査には様々な方法がありますけれども、現実問題、2024年度にアンケート調査を行うとすると回答者は現在自分が関心のあるところを回答しやすいところがあるので、そういった意味で即時OA義務化に焦点を当てるのは賛成です。一方、そのほかの多様なコンテンツについても取りこぼしがないようにできればいいと考えているところです。
 以上です。
【竹内主査】  ありがとうございます。おっしゃるとおりで、この2025年度即時OA義務化は、必ずしも論文だけではなくてデータも含めてのオープン化だと思いますので、今、西岡委員から御指摘のあったデータに関してはこの政策適用の枠組みの中でカバーされるものと考えております。ただ、それ以外のいわゆるモノグラフについて、特にデジタル化の後れている領域と考えることができますので、そこをどのように解決していくのかは、特に人文・社会科学系から見れば重要な問題だと思います。その点については落とさないようにということを十分意識したいと思います。
 そのほかいかがでございましょうか。小山委員、どうぞ。
【小山委員】  小山です。ありがとうございます。
 何人かの委員の方がおっしゃっていましたけれども、この中でより焦点を当てるとしたならば、(3)の人材の部分に当ててはどうかと考えます。それは研究データのことだけではなくて、2030年を見据えた「ライブラリー・スキーマ」、先ほど林委員がおっしゃっていましたけれども、図書館の本質の部分を実現するためにはどんなスキルを持った人が必要であるとか、それはどういう組織体制でないと駄目なのか、その組織体制はつまり(4)の単体の大学で実現するものなのか、もっと連合的な話なのか、横のつながりをどうするのかということにもつながると思いましたので。3を考えることが全てのことを考えるきっかけになるかなと、私は皆さんのお話を伺っていて思いました。
【竹内主査】  ありがとうございました。確かに人材の問題は連携には深く関わってきているものだと思います。その辺りで人材のところにプライオリティーを置いてということは確かにそうだろうと思います。
 そのほかいかがでございましょうか。大山委員、どうぞ。
【大山委員】  私も人材のところで、このマトリックスの方でも具体的な人材像はかなり示されていて、それが非常に取っかかりとしていいなと思っているのですが。
 そういった人材を支援する、育てていくための制度的なものや評価の仕方を構築していくというところが、ここに入れるべきか分からないですけれども、そのあるべき人材のための制度も意識していくことがどこかに入るといいかなと感じました。
【竹内主査】  ありがとうございます。今御指摘の点は大変重要で、これまでの人材論がどちらかというとどんなスキルという話に偏りがちだったのですけれども、そういうスキルを持っている人材をどのように制度的に確保していくのかということは非常に重大な課題でして、2030年の望ましい大学図書館の姿の中にも、「組織体制の整備や専門人材の配置等のマネジメントを適切に実施」ということが書かれておりますとおり、審議まとめをつくるときから意識はされていた事柄です。なので、これについては当然人材の中で、スキルに偏らず、それを実現するための制度ということを両輪としてきちんと入れ込んでいくことは非常に重要だと思います。全く私も同意いたします。
 では林委員、お願いします。
【林主査代理】  今のことと関連するのですけれども、人材の国際的なネットワークをもう一度つくり直す、世代的に杉田委員がデジタルリポジトリ連合(DRF)で始めたネットワークを、もう一度デジタル・ライブラリーに向けて若い人たちが、できれば自発的にできるのがいいのですが、それを支援するような形になるという意味の項目が入るとよいと思った次第です。国際的な文脈で、今20代の人たちでネットワークをつくって、その人たちが50代になった頃にまた改めて議論できる、これは電子ジャーナル、機関リポジトリで起きたことだと理解しているので、それをまた繰り返すとすれば、その仕込みを今早いうちにやっておくことが大事だと考えております。
 以上です。
【竹内主査】  ありがとうございます。大変重要なポイントです。特に今の若い人たちが意外に国際的な動向に目を向けていないのではないかというところもありますので、無理やりにでも荒波に放り出すという乱暴な育て方でもしないといけないようなことはあると思います。それはやはり人をどう育てていくかという技術的な問題とも関わってくる話ですので、ぜひ国際的に活躍できる人材をきちんと日本でつくると。特に学術情報流通の領域で国際的な活躍ができる人材をつくっていって、その人たちがちゃんとネットワークをつくることで、日本が学術情報流通の国際ネットワークの様々な議論の中で落ちこぼれていかないようにすることは、2030年を見据えて非常に重要なポイントだろうと思います。
 そのほかいかがでございましょうか。よろしいでしょうか。
 それでは続きまして、オープンアクセスそれからデジタル・ライブラリーの関係の調査ということが出ておりましたけれども、この調査についてこれから事務局から御説明を頂きたいと思っております。この部分につきましては、先ほど冒頭でも御了解を求めたところでございますけれども、審議については非公開とさせていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

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