リジェネロン国際学生科学技術フェア(Regeneron ISEF)2024に参加した生徒等が部門優秀賞等を獲得しました。また、国際的な科学技術コンテストで特に優秀な成績をおさめた生徒等に対する文部科学大臣表彰等の受賞者を決定しました。

令和6年5月21日

文部科学省では、国立研究開発法人科学技術振興機構を通じて、国際的な科学技術コンテスト(以下、「コンテスト」という)に参加する生徒等を支援する事業を実施しております。
このたび、アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルスで開催された「リジェネロン国際学生科学技術フェア(Regeneron ISEF)2024」に参加した生徒等が、部門優秀賞等を獲得したとの連絡を受けましたので報告いたします。

また、文部科学省では、コンテストで特に優秀な成績をおさめた者に対して文部科学大臣表彰を、健闘した者に対して文部科学大臣特別賞を授与いたします。
このたびのRegeneron ISEF 2024の成績を踏まえ、文部科学大臣表彰及び文部科学大臣特別賞の受賞者を決定しましたので、併せてお知らせします。
なお、審査が行われるコンテストについては、代表生徒等の成績が判明次第、順次、文部科学省より受賞者を発表いたします。

1.受賞状況

優秀賞1等1研究1名、優秀賞4等2研究4名、特別賞3研究3名(うち1名は優秀賞1等受賞者)

2.参加者

15研究22名の高校生等

3.受賞者詳細

○文部科学大臣表彰
【個人研究】

受賞内容:機械工学:静的・動的部門 優秀賞1等、特別賞 アブドゥルアズィーズ国王財団の才能創造性賞
中辻󠄀(なかつじ) ()() さん 桜蔭高等学校(東京都)3年
 テーマ:「段ボール箱を再利用した災害時対応 机・折り畳み椅子の設計と製作手法及び手を挟みにくい折り畳み椅子の開発」
 部門 :機械工学:静的・動的
 
受賞内容:微生物学部門 優秀賞4等
池上(いけがみ) ()和子(わこ) さん 近畿大学附属豊岡高等学校(兵庫県)3年
 テーマ:「カニ殻からバイオプラスチックを生成する新規微生物の探索と同定」
 部門 :微生物学
 
【チーム研究】

受賞内容:物理学・天文学部門 優秀賞4等
吉田よしだ 浩瑛ひろあき さん   米子工業高等専門学校(鳥取県)4年
前田まえた 孝太朗こうたろう さん 米子工業高等専門学校(鳥取県)3年
鐘築かねつき 昇太郎しょうたろう さん 米子工業高等専門学校(鳥取県)2年
  テーマ:「日本の公開天文台の標準機を目指した次世代型天体観測用分光器の開発」
 部門 :物理学・天文学

○文部科学大臣特別賞
【個人研究】

受賞内容:特別賞 医薬・化学・関連技術協会賞
(つか)() (ゆう)() さん 徳島市立高等学校(徳島県)3年
 テーマ:「アルテミシニン誘導体の抗マラリア活性評価」
 部門 :化学
 
受賞内容:特別賞 ノン・トリビアル賞
小谷(こたに) 理人(りひと) さん 東京学芸大学附属国際中等教育学校(東京都)6年
 テーマ:「データアクイジションにおけるAGIバイアス解決へ」
 部門 :ロボット工学・知能機械
 
植野(うえの) 涼子(りょうこ) さん ノートルダム清心学園清心女子高等学校(岡山県)3年
 テーマ:「稲踏み効果の科学的検証Ⅱ」
 部門 :植物科学
 
野末(のずえ) ()() さん 茨城県立並木中等教育学校(茨城県)6年
 テーマ:「竹繊維保水性舗装によるヒートアイランド現象への挑戦 ~竹繊維の吸水・保水性の活用~」
 部門 :材料科学
 
角野(かどの) ()奈美(なみ) さん 三田国際学園高等学校(東京都)3年
 テーマ:「疾患原因となるアミノ酸変異の解析」
 部門 :計算生物学・バイオインフォマティクス
 
佐藤(さとう) (れい) さん 筑波大学1年(宮城県古川黎明高等学校(宮城県)出身)
 テーマ:「炭酸カルシウムのリーゼガング現象」
 部門 :化学
 
()(ざき) ()() さん 京都大学1年(滋賀県立膳所高等学校(滋賀県)出身)
 テーマ:「他次元の原子の電子収容数を定める 「電子収容数次元理論」」
 部門 :物理学・天文学
 
中村(なかむら) (ふう)() さん 大妻嵐山高等学校(埼玉県)3年
 テーマ:「メチレンブルーによる可逆的な光化学反応」
 部門 :化学

槙野まきの 心美ここみ さん 徳島県立城ノ内中等教育学校(徳島県)4年
 テーマ:「フラボノイド化合物の抗酸化活性評価」
 部門 :化学

【チーム研究】

大場おおば 誠也せいや さん   宮城県仙台第三高等学校(宮城県)2年
志田しだ 京太郎きょうたろう さん  宮城県仙台第三高等学校(宮城県)2年
 テーマ:「白金箔における水素と酸素の反応の研究」
 部門 :化学

遠藤えんどう 碧海あみ さん  静岡理工科大学静岡北高等学校(静岡県)2年
梅原うめはら 明雅めいか さん  静岡理工科大学静岡北高等学校(静岡県)2年
八木やぎ 結希ゆうき さん  静岡理工科大学静岡北高等学校(静岡県)2年
 テーマ:「酸化マグネシウムとアルミニウム箔を組み合わせた放射冷却材の開発」
 部門 :エネルギー:サステナブルな素材とデザイン

今村いまむら ひびき さん   熊本県立済々黌高等学校(熊本県)3年    
伊藤いとう 和哉かずや さん 熊本県立済々黌高等学校(熊本県)2年
黒瀬くろせ 陽斗はると さん 熊本県立済々黌高等学校(熊本県)2年
 テーマ:「ウニ類に学習行動が確認された」
 部門 :動物科学


※部門はISEFの参加部門を記載。
※文部科学大臣表彰は、研究分野別に設定された22の部門ごとに選出される1等から4等までの優秀賞を受賞した生徒等が対象となる。

(

4.参加国数/人数

67の国・地域/1,699名

5.場所/期間

アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス/
2024年5月11日(土曜日)~5月17日(金曜日)(現地時間)

6.派遣機関

朝日新聞社、読売新聞社

<参考資料>

◆大会概要

○国際学生科学技術フェア(ISEF=International Science and Engineering Fair)は、世界各国から参加した高校生等が、個人またはチームで研究成果を競い合う国際的科学技術コンテストである。アメリカで毎年開催されており、2024年は75回目。
○ISEFは、これまでWestinghouse、Intelが後援してきたが、2020年からRegeneronが後援している。(※)
○日本は、1958年から参加を開始し、本年は66回目の参加。
○本年は、67の国・地域から1,699名の生徒が参加。日本からは15研究22名の生徒が参加し、優秀賞1等1研究1名、優秀賞4等2研究4名、特別賞3研究3名(うち1名は優秀賞1等受賞者)であった。

※Westinghouseは、1886年から1999年まで存在したアメリカの総合電機メーカー、Intelは、アメリカ合衆国の半導体素子メーカー、Regeneronは、アメリカのバイオテクノロジー企業。

◆日本代表団(参加生徒等)の日程(現地時間)

2024年5月13日(月曜日)開会式
               14日(火曜日)パネルディスカッション
               15日(水曜日)審査会
               16日(木曜日)スペシャルアワード表彰式
               17日(金曜日)グランドアワード表彰式
 

◆国際学生科学技術フェアにおける直近の日本代表の成績

 2021年(第72回大会(オンライン開催))
   優秀賞3等1研究1名、優秀賞4等1研究3名、特別賞5研究11名(うち3名は優秀賞4等受賞者)
    (参加規模:64の国・地域、1,833名)
 2022年(第73回ジョージア州アトランタ大会(ハイブリッド開催))
   優秀賞3等1研究1名、優秀賞4等2研究2名、特別賞1研究1名
    (参加規模:60以上の国・地域、1,750名)
 2023年(第74回テキサス州ダラス大会(現地開催))
   優秀賞2等1研究1名、優秀賞3等1研究1名、優秀賞4等1研究2名、特別賞3研究5名(うち2名は優秀賞2等、3等受賞者)
    (参加規模:64の国・地域、1,638名)

◆国際学生科学技術フェア(ISEF)

(1)審査方法
〇自由研究の成果をまとめたウェブ上のプロジェクトボードにプレゼン資料、動画、写真などの資料をアップロードし、審査員は事前にプロジェクトボード上の資料を確認する。その後、現地で対面審査を実施する。審査は研究の課題設定、計画と手法、実施、創造性、プレゼンテーションを評価対象として行われる。

(2)各賞
〇研究分野別に設定された22の部門ごとに1等(1st Award)から4等(4th Award)までの優秀賞(Grand Awards、それぞれ複数の研究が受賞可能) が選出される。
〇優秀賞以外にも、数十の企業、学会、政府団体などが様々な特別賞(Special Award)を設けている。

(3)参加資格・参加枠
〇研究実施当時高校生又は同等の学校・学年に在籍する者。
〇主催者が指定する地域大会ごとに参加枠が定められる。

  ※日本において指定された大会は、「高校生・高専生科学技術チャレンジ(JSEC)」(主催:朝日新聞社、テレビ朝日)並びに「日本学生科学賞」(主催:読売新聞社)の2大会。

高校生・高専生科学技術チャレンジ(JSEC=Japan Science & Engineering Challenge)

高校生・高専生科学技術チャレンジ(JSEC=ジェイセック)は、高校生と3年生までの高等専門学校生を対象に全国から直接、科学自由研究を募集し、大学教授を中心とする専門家による審査を行うコンテスト。朝日新聞社が2003年に創設した。中等教育における理科教育の向上に貢献することで我が国の科学技術水準向上を目指し、また、自発的に考えて課題を解決する力を、若い世代に身につけてもらうことを目的としている。加えて、国際競争力のある人材を育成するために、上位入賞者を国際大会ISEFに派遣し、世界に視野を広げた活躍を促進していく。
今年度は高校生・高専生科学技術チャレンジから以下の生徒等を選抜し、ISEFに派遣。

【個人研究】
 
池上(いけがみ) 十和子(とわこ) さん 近畿大学附属豊岡高等学校(兵庫県)3年
 テーマ:「カニ殻からバイオプラスチックを生成する新規微生物の探索と同定」
 部門 :微生物学
 
中辻󠄀(なかつじ) 知代(ちよ) さん 桜蔭高等学校(東京都)3年
 テーマ:「段ボール箱を再利用した災害時対応 机・折り畳み椅子の設計と製作手法及び手を挟みにくい折り畳み椅子の開発」
 部門 :機械工学
 
植野(うえの) 涼子(りょうこ) さん ノートルダム清心学園清心女子高等学校(岡山県)3年
 テーマ:「稲踏み効果の科学的検証Ⅱ」
 部門 :植物科学
 
野末(のずえ) 紗良(さら) さん 茨城県立並木中等教育学校(茨城県)6年
 テーマ:「竹繊維保水性舗装によるヒートアイランド現象への挑戦 ~竹繊維の吸水・保水性の活用~」
 部門 :エネルギー:持続可能な材料・設計
 
角野(かどの) 陽奈美(ひなみ) さん 三田国際学園高等学校(東京都)3年
 テーマ:「疾患原因となるアミノ酸変異の解析」
 部門 :計算生物学・バイオインフォマティクス
 
佐藤(さとう) (れい) さん 筑波大学1年(宮城県古川黎明高等学校(宮城県)出身)
 テーマ:「炭酸カルシウムのリーゼガング現象」
 部門 :化学
 
田﨑(たざき) 奏楽(そら) さん 京都大学1年(滋賀県立膳所高等学校(滋賀県)出身)
 テーマ:「他次元の原子の電子収容数を定める 「電子収容数次元理論」」
 部門 :化学
 
【チーム研究】
 
大場(おおば) 誠也(せいや) さん   宮城県仙台第三高等学校(宮城県)2年
志田(しだ) 京太郎(きょうたろう) さん  宮城県仙台第三高等学校(宮城県)2年
 テーマ:「白金箔における水素と酸素の反応の研究」
 部門 :化学
 
遠藤(えんどう) 碧海(あみ) さん  静岡理工科大学静岡北高等学校(静岡県)2年
梅原(うめはら) 明雅(めいか) さん  静岡理工科大学静岡北高等学校(静岡県)2年
八木(やぎ) 結希(ゆうき) さん  静岡理工科大学静岡北高等学校(静岡県)2年
 テーマ:「酸化マグネシウムとアルミニウム箔を組み合わせた放射冷却材の開発」
 部門 :エネルギー:持続可能な材料・設計
 
吉田(よしだ) 浩瑛(ひろあき) さん  米子工業高等専門学校(鳥取県)4年
前田(まえた) 孝太朗(こうたろう) さん 米子工業高等専門学校(鳥取県)3年
鐘築(かねつき) 昇太郎(しょうたろう) さん 米子工業高等専門学校(鳥取県)2年
 テーマ:「日本の公開天文台の標準機を目指した次世代型天体観測用分光器の開発」
 部門 :物理学・天文学
 
(所属・学年は本大会終了時点)
(テーマ・部門は国内大会でのもの)

日本学生科学賞

1957年にスタートした日本学生科学賞は、読売新聞社が半世紀を超えて主催してきた日本で最も伝統のある科学コンクール。日本の中学・高校の理科教育を草の根で支え、戦後の復興を担う若者の科学水準を向上させる目的で運営され、多くの科学者や研究者を輩出してきた。物理、化学、生物、地学、広領域、情報・技術、応用数学の各分野で研究作品を募集し、最も優れた作品には内閣総理大臣賞を授与する。ISEFには本賞発足翌年の1958年から代表を派遣しており、これまでの受賞者数も多い。身の回りの小さな疑問から、教科書に書かれている学説への疑問に至るまで、「科学する心」で解明しようと試みる研究作品を期待している。
今年度は日本学生科学賞から以下の生徒等を選抜し、ISEFに派遣。

【個人研究】
 
塚井(つかい) 優美(ゆうみ) さん 徳島市立高等学校(徳島県)3年
 テーマ:「アルテミシニン誘導体の抗マラリア活性評価」
 部門 :化学
 
中村(なかむら) 風香(ふうか) さん 大妻嵐山高等学校(埼玉県)3年
 テーマ:「メチレンブルーによる可逆的な光化学反応」
 部門 :化学
 
小谷(こたに) 理人(りひと) さん 東京学芸大学附属国際中等教育学校(東京都)6年
 テーマ:「データアクイジションにおけるAGIバイアス解決へ」
 部門 :情報・技術
      
槙野(まきの) 心美(ここみ) さん 徳島県立城ノ内中等教育学校(徳島県)4年
 テーマ:「フラボノイド化合物の抗酸化活性評価」
 部門 :化学
      
【チーム研究】
 
今村(いまむら) (ひびき) さん  熊本県立済々黌高等学校(熊本県)3年    
伊藤(いとう) 和哉(かずや) さん 熊本県立済々黌高等学校(熊本県)2年
黒瀬(くろせ) 陽斗(はると) さん 熊本県立済々黌高等学校(熊本県)2年
 テーマ:「ウニ類に学習行動が確認された」
 部門 :生物

(所属・学年は本大会終了時点)
(テーマ・部門は国内大会でのもの)

参考資料に関するお問い合わせ先  

朝日新聞社/メディア事業本部イベント事業部「JSEC事務局」(村上)
TEL 03-3545-0131
○ホームページ 高校生科学技術チャレンジ(JSEC)(※朝日新聞社ウェブサイトへリンク)

読売新聞社/読売新聞東京本社事業戦略センター社会貢献事業室(小山、小池、竹村、千葉)
TEL 03-3216-8598/FAX 03-3216-8979
○ホームページ 日本学生科学賞(※読売新聞社ウェブサイトへリンク)

令和6年度国際科学技術コンテスト優秀者等表彰について

1.文部科学大臣表彰および文部科学大臣特別賞

(1)文部科学大臣表彰
世界的規模の国際科学コンテストにおいて第1位から第3位(リジェネロン国際学生科学技術フェアは研究分野別に設定された22の部門ごとに選出される1等から4等)までに入賞する等、特に優秀な成績をおさめた者等に対し、その功績と栄誉を称え、文部科学大臣表彰を実施する。
 
(2)文部科学大臣特別賞
世界的規模の国際科学コンテストに参加した者等に対し、文部科学大臣特別賞を実施する(ただし、同一の世界的規模の国際科学コンテストについては、前項の表彰と重複して授与することができない)。
また、以下のコンテストにおいて第1位から第3位までに入賞する等、特に優秀な成績をおさめた者に対し、その功績と栄誉を称え、文部科学大臣特別賞を実施する。

1)アジア太平洋数学オリンピック  2)アジア物理オリンピック
3)アジア太平洋情報オリンピック  4)ヨーロッパ女子数学オリンピック
5)ヨーロッパ女子情報オリンピック
 

2.対象となる国際科学技術コンテスト(予定)

 
大会名 2024年
開催予定日
2024年
成績判明予定日
リジェネロン国際学生科学技術フェア 5月11日~5月17日 5月20日
国際生物学オリンピック 7月7日~7月14日 7月16日頃
国際数学オリンピック 7月11日~7月22日 7月22日頃
国際物理オリンピック 7月21日~7月29日 7月29日頃
国際化学オリンピック 7月21日~7月30日 7月30日頃
国際地学オリンピック 8月8日~8月16日 8月16日頃
国際地理オリンピック 8月19日~8月24日 8月26日頃
国際情報オリンピック 9月1日~9月8日 9月9日頃
アジア太平洋数学オリンピック 3月12日 6月初旬頃
アジア太平洋情報オリンピック 5月18日~5月19日 5月23日頃
アジア物理オリンピック 6月3日~6月10日 6月10日頃
ヨーロッパ女子数学オリンピック 4月11日~4月17日 4月17日
ヨーロッパ女子情報オリンピック 7月21日~7月27日 7月29日頃

 

 

お問合せ先

文部科学省科学技術・学術政策局人材政策課

冨田、森澤
電話番号:03-6734-4191

(文部科学省科学技術・学術政策局人材政策課)