盛山正仁文部科学大臣記者会見録(令和6年6月11日)

令和6年6月11日(火曜日)
教育、科学技術・学術、スポーツ、文化

キーワード

「学校教育法の一部を改正する法律案」の成立,令和5年度科学技術・イノベーション白書の閣議決定,沖縄出張(大学、文化施設の視察),国立大学の財務状況が危機的とする国立大学協会の声明,自死した新任教師の遺族が訴訟を起こすという報道について,令和9年度からの全国中学校体育大会の規模縮小について

盛山正仁文部科学大臣記者会見映像版

令和6年6月11日(火曜日)に行われた、盛山正仁文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和6年6月11日盛山正仁文部科学大臣記者会見

令和6年6月11日盛山正仁文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

盛山正仁文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 今日は私から3件ございます。まず、今国会に提出しておりました、「学校教育法の一部を改正する法律案」が先週7日金曜日の参議院の本会議において全会一致で可決、成立をいたしました。今般の改正は、専門学校における教育の充実を図るため、専門学校に専攻科を設置できるようにするとともに、専門学校の入学資格の見直し、一定の要件を満たす専門学校の修了者への称号の付与、専門学校への自己点検評価の義務付け等の措置を講ずるものです。文部科学省としては、令和8年4月1日の施行に向け、今後、関係法令の整備等を速やかに行ってまいります。今般の改正を通じて、専門学校が、地域に根差した実践的な職業教育機関として発展し、今後とも我が国の社会的基盤を支える人材をしっかり輩出していけるよう、引き続き、必要な施策の推進に取り組んでまいります。
 2件目です。本日先ほどでございますが、「令和5年度科学技術・イノベーション創出の振興に関する年次報告」が閣議決定されました。今回の白書のテーマは、「AIがもたらす科学技術・イノベーションの変革」です。生成AI技術が急速に進展してきた背景や、国内外の研究開発動向、多様な科学分野における高度なAIの活用事例、そして社会への影響を取り上げています。このほか、コラムなども用いて、科学技術・イノベーション政策やその成果などを紹介しています。この白書が、国民の皆様にとって、科学技術・イノベーションの重要性や、関連施策への理解を深めるきっかけとなることを願っています。
 最後、3件目です。この週末というか、失礼しました。金曜日から土曜日ですね、7日、8日に沖縄県に出張し、関係の大学や文化施設を視察してまいりました。沖縄科学技術大学院大学、OISTでは、計算科学と神経科学を組み合わせた研究に取り組んでいる研究室などを視察するとともに、博士人材の育成に関する取組について学長他と意見交換を行いました。また、琉球大学では、西田学長らと意見交換を行うとともに、循環社会モデルの形成を目指す魚、この場合はハタでございます、クエ、ハタのハタですね、などの陸上養殖施設や、令和7年1月に西普天間キャンパスへの移転を予定している琉球大学病院の建設現場を視察いたしました。首里城では、令和元年10月の火災による正殿等9棟の焼失からの復元状況について、大龍柱、これは正殿の正面にあった石の柱のことです、大龍柱の補修展示室や正殿の復元現場などを視察し、文化財の防火・防災対策の重要性を改めて認識いたしました。最後に、国立劇場おきなわでは、伝承者養成研修の修了生が出演する琉球舞踊の公演や資料展示室を視察するとともに、沖縄の伝統芸能の保存・継承について意見交換を行いました。今回の視察や意見交換等を踏まえて、関係施策の充実に取り組んでまいります。以上です。
 
記者)
 先週の金曜日なのですけれども、国立大学協会の永田会長が記者会見を開きまして、国立大学の財務状況が危機的だとして、予算増額を訴える声明を発表しました。昨今の高熱費や物価高騰などの影響があると思いますけれども、大臣の所感をお聞かせいただけますでしょうか。
 
大臣)
 先週6月7日金曜日です、国立大学協会の理事会から、全国各地の教育研究の拠点である国立大学として、産業、教育、医療、福祉などに責務を負っていく覚悟があること、物価高騰等、財務を取り巻く状況の悪化で限界を感じつつも、博士など高度人材の養成や国全体の知のレベルの向上に取り組んでいくこと、そして、こうした国立大学の活動に関する国民の皆様への協働のお願いなどについての声明が出され、これに関して、永田会長が会見を行ったということは承知しております。現在、中央教育審議会の「高等教育の在り方に関する特別部会」において、各高等教育機関における教育研究の質を向上させる方策とともに、各設置者の特性を踏まえた役割・機能の強化や、授業料を含めた教育費負担や基盤的経費などの機関への支援などについて御議論いただいているところでもあり、こうした議論も踏まえつつ、国立大学が社会をけん引する役割を果たしていくことができるよう、引き続き、必要な改革や規制緩和、また、運営費交付金等の財政上の支援に取り組んでまいりたいと考えています。以上です。
 
記者)
 先日、中体連が全国中学校体育大会で水泳や体操などという9競技については3年後の大会から実施しないという方針を発表いたしました。こうした中学生の全国大会の見直しの方向性というところについて、子供のスポーツ環境のあり方というところの観点から大臣の受け止めをお聞かせください。
 
大臣)
 先週、日本中学校体育連盟が、今後の全国中学校体育大会の在り方についての考え方を公表されたことは承知しております。令和4年12月に国が示したガイドラインでは、生徒にとってふさわしい全国大会の見直しや適正な回数への精選を示しているところであります。今回の日本中体連の対応は、国のガイドラインや、全国中学校体育大会の現状の運営では継続的な大会開催が困難であることも踏まえ、競技団体が主催する大会への一元化などにより、生徒の大会参加の機会を図ろうとしたものと認識しております。これまで、日本中体連においては、生徒・保護者へのアンケート調査の結果も踏まえ、競技団体等と調整を進めてきたものと理解していますが、一部の報道にあるとおり、競技団体の中では、まだ意見があるものと承知しております。引き続き、関係者の声に耳を傾けながら丁寧に対応することが重要ではないかと考えます。文部科学省では、昨日、日本中体連に対して、競技団体等と丁寧に議論を重ねるよう依頼したところでございます。今後とも、日本中体連と必要な連携を行いながら、持続可能な大会運営のための取組を進めるつもりです。以上です。
 
記者)
 一部報道に出ているのですが、福岡県春日市で2019年に当時20代前半だった主任の男性教諭が自殺するといった事案があり、背景に長時間労働や職場での威圧的な指導などがあったと指摘されているようです。公務災害にも認定されているとのことですが、大臣としてこうした事案が起きていたことの受け止めと、今後文科省として何か対応されることがありましたら教えてください。
 
大臣)
 御指摘の福岡県春日市の事案について、まず、亡くなられた方に哀悼の意を表しますとともに、御遺族に対してお悔やみを申し上げたいと思います。子供のためと懸命に教育活動に従事していた教師の方に対して、このような事態が発生してしまうことは、御本人はもとより、御家族にとって計り知れない苦痛だろうと思います。また、児童生徒や学校にとっても大きな損失です。あってはならないと考えます。その上で、この事案につきましては、御遺族が春日市などに賠償を求める訴えを起こす方針との報道があった旨は承知しておりますが、福岡県教育委員会からは、「訴状が届き次第、春日市と相談の上、対応を検討する」というふうに伺っているところであります。ということで、現時点ではコメントはここまでということにさせていただきたいと思います。
 
(了)

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