盛山正仁文部科学大臣記者会見録(令和6年5月21日)

令和6年5月21日(火曜日)
教育、科学技術・学術、スポーツ

キーワード

ナノテラス運用開始記念式典の出席、今後のナノテラスの貢献、国民スポーツ大会の在り方について、科学技術・学術政策研究所調査結果を受けた研究者の環境の改善策

盛山正仁文部科学大臣記者会見映像版

令和6年5月21日(火曜日)に行われた、盛山正仁文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和6年5月21日盛山正仁文部科学大臣記者会見

令和6年5月21日盛山正仁文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

盛山正仁文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、1件ございます。先週18日土曜日ですが、宮城県仙台市で開催された、「ナノテラス運用開始記念式典」へ出席してまいりました。ナノテラスは、「軟エックス線」と呼ばれる放射光を利用し、物質表面における元素や分子の様々な働きを分析できる、世界最高水準かつ、我が国で唯一の第四世代の放射光施設です。式典では、文部科学大臣として祝辞を述べるとともに、施設の共同設置者であります量子科学技術研究開発機構の小安理事長、光科学イノベーションセンターの高田理事長らとテープカットをいたしました。今後、ナノテラスが学術界から産業界に至るまで幅広く利用され、イノベーションの創出に貢献することを期待しております。以上です。
 
記者)
 ナノテラスについてなのですが、すでに実用も始まっていると思うのですが、特にどういった分野の技術発展に向けて活用してほしいなど、大臣のお考えがあれば教えてください。
 
大臣)
 ナノテラスでは、「軟エックス線」と呼ばれる放射光を利用し、物質表面における元素や分子の様々な働きを分析することができます。十分御承知かと思いますが、今までに普通のレントゲンが「硬エックス線」、硬いエックス線と言われるもので、今回のは柔らかい「軟エックス線」と呼ばれるものです。文部科学省としては、基礎科学はもちろんのこと、エネルギー、材料、デバイス、バイオ、食品など、様々な産業領域において、ナノテラスが幅広く活用されることを期待しています。すでに、材料分野の研究成果がナノテラスを用いた初の学術論文として掲載されたほか、フリーズドライ麺の食感に関する分析など、食品分野での利用も始まっています。今後、利用が本格化するに伴い、多くの分野で成果が創出されることを期待しています。以上です。
 
記者)
 国民スポーツ大会についてお尋ねします。毎日新聞が先日、47都道府県知事を対象に国民スポーツ大会のあり方についてアンケートしたところ、42都府県知事が何らかの見直しが必要との考えを示しました。主な課題として、42道府県知事が財政負担の多さを指摘しております。大臣のこのアンケート結果の受け止めと、開催について何らかの見直しを検討する予定はあるかどうかをお願いします。
 
大臣)
 国民スポーツ大会については、都道府県において、大会の準備・運営に関わる人的・財政的負担が課題であるとの声があることは承知しています。他方で、国民スポーツ大会は、予選会などを経た都道府県代表による対抗形式で、地域の競技力向上やスポーツ環境の整備、各地域の活性化等に貢献するなど、我が国のスポーツ振興にとっての役割を果たしてきたと考えています。これらを踏まえ、今後、3巡目を迎える国民スポーツ大会の在り方について、日本スポーツ協会、JSPOですね、において、新たに会議を設置して検討する予定であると承知しています。当省としては、全国知事会やスポーツ関係者をはじめ、広く国民の意見を聞きながら、「魅力ある持続可能な大会」の開催に向けて議論がなされるよう、JSPOともよく連携していきたいと考えています。以上です。
 
記者)
 アンケートでは、財政負担の課題についてかなり各都道府県でも苦労なさっているという結果も出ましたが、このあたりについて大臣御自身のお考えはございますでしょうか。
 
大臣)
 やはり財政負担が重いというのは、そういうようなお声があるのだろうなと思いますけれども、お金だけではないと思います。国民スポーツ大会の意義というものはですね、財政的負担以外の、大会を契機としてのアスリートの発掘ですとか、域内の方々がより健康にスポーツに親しむことができる機会の創出や、地域活性化など、幅広い視点から検討を行うことが大事だと思っており、今後そういう検討が進んでいくことを期待しているところです。
 
記者)
 先日、科学技術・学術政策研究所が定点調査の結果を発表しました。それによって研究時間、基盤的経費、人材など、研究現場では相も変わらず不足しているという認識が示されましたけれども、これについて大臣としての受け止めと今後の政策にどのように生かすのか教えてください。
 
大臣)
 5月14日ですね、科学技術・学術政策研究所が公表した「NISTEP定点調査2023」においては、研究環境や研究時間に対する危機意識が指摘されている一方、近年の博士後期課程学生への支援の充実等については評価されるなど、研究者等から様々な意見が示されたと承知をしております。文部科学省としては、研究環境の向上や研究時間確保のため、基盤的経費の確保に努めるとともに、国立大学における若手ポストの確保等を考慮した運営費交付金の配分、若手研究者の自由で挑戦的な研究への支援、研究開発マネジメントや技術支援等を行う高度専門人材の育成などの取組を引き続き進めていきたいと考えています。また、博士後期課程学生への支援については、私が座長をつとめた「博士人材の社会における活躍促進に向けたタスクフォース」で取りまとめた「博士人材活躍プラン」に盛り込んだ施策について、今後ともしっかり取り組んでいきたいと考えておりますので、今後とも、こういった調査結果も踏まえて、我が国の研究力向上に向けて、いろんな様々な取組を推進していきたいと考えています。
 
(了)

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